2024.12.11 住友生命グループ 24年度第2四半期(上半期)決算 海外増収が寄与 保険料等収入33%増 通期見通しを3兆3500億円に上方修正

 住友生命が11月22日に発表した2024年度第2四半期(上半期)決算によると、住友生命グループ(住友生命、メディケア生命、シメトラ、シングライフ)の保険料等収入は前年同期比32.9%増の1兆7015億円、基礎利益は同37.8%増の2050億円となった。新契約年換算保険料は同27.5%増の2333億円、保有契約年換算保険料は前年度末比5.7%増の3兆6473億円だった。24年度通期のグループ業績見通しを上方修正し、保険料等収入は前年比27%増の3兆3500億円程度、基礎利益は同18%増の3600億円程度に引き上げた。
 住友生命グループの経常収益は前年同期比19.6%増の2兆5894億円で、このうち保険料等収入は前記のとおり1兆7015億円、資産運用収益は同0.4%増の8431億円だった。経常費用は同18.2%増の2兆4808億円で、このうち保険金等支払金は同13.5%増の1兆2340億円だった。経常利益は同63.9%増の1085億円で、親会社に帰属する中間純剰余は同19.8%減の221億円だった。
 グループの新契約年換算保険料のうち、国内事業は前年同期比1.0%減の615億円。そのうち住友生命は、営業職員チャネルで一時払終身保険の販売が新商品の発売を追い風に好調だったものの、代理店チャネルで円建一時払商品の販売が減少したことなどにより、同2.2%減の509億円。メディケア生命は引き続き主力の医療保険が好調で、同4.7%増の106億円となった。海外事業は、シメトラで個人年金の販売が増加したことに加え、為替が円安に進んだことが寄与。また、今年3月に子会社化したシングライフの業績を反映した結果、同42.3%増の1717億円だった。
 グループの保有契約年換算保険料は、海外事業における保有契約の増加に加え、為替が円安に進んだことも寄与し、グループ全体では前年度末比5.7%増となった。国内事業は同0.5%減の2兆3505億円で、そのうち住友生命は同0.9%減の2兆2429億円、メディケア生命は同7.7%増の1075億円。海外事業は同19.4%増の1兆2967億円で、うちシメトラは同19.8%増の9844億円、シングライフは同17.9%増の3123億円だった。
 グループの保険料等収入のうち、国内事業は前年同期比6.4%増の1兆1823億円。そのうち住友生命は、営業職員チャネルで一時払終身保険の販売が好調だったことを主因に、同4.4%増の1兆1079億円、メディケア生命は、新契約の増加に伴い保有契約が増加したことに加え再保険収入の増加もあり、同51.2%増の740億円となった。海外事業は、シメトラにおける保有契約の増加に加え、為替が円安に進んだことも寄与。また、今年3月に子会社化したシングライフの業績を反映した結果、同207.0%増の5192億円となった。
 グループの基礎利益のうち、国内事業は前年同期比48.0%増の1778億円となった。そのうち住友生命は、円安に伴う外国証券の利息・配当金の増加等により順ざやが増加し、同33.2%増の1734億円。メディケア生命は、保有契約の着実な積上げによる収益拡大に加え再保険の効果もあり、同144億円増の44億円となった。海外事業は、シメトラの個人保険部門の利益減少等により、同4.0%減の324億円となった。
 住友生命単体の資産運用収支は前年同期比1799億円減の2396億円。うち、利息及び配当金等収入は、前年同期比で為替が円安となったことで外国証券の利息・配当金が増加するとともに、国内株式の配当金の増加等もあり、同504億円増の4624億円。為替差損益は同3117億円減の▲1446億円で、同社では「外貨建保険の運用のために保有する債券にかかる為替差損が計上されたもので、資産運用収支以外の科目でほぼ同額の為替に関する収益が計上されており、影響はトータルでおおむね相殺」としている。
 連結ソルベンシー・マージン比率は、為替や金利の変動の影響等により前年度末比で36.6ポイント低下して602.9%となったが、引き続き健全とされる200%を十分に上回っている。経済価値ベースのソルベンシー比率は安定的に推移し、同2ポイント上昇し175%で、こちらもリスクに対し十分なリスクバッファーを有している。
 24年度通期のグループ業績見通しについては、連結保険料等収入は、期初時点の見通し(3兆400億円程度、15%増)からは、住友生命で新商品発売に伴う一時払終身保険の好調な販売を織り込んだほか、シングライフの業績を反映したこともあり、前年比27%程度の増収を見込み、上方修正した。うち、住友生命は、期初時点の見通し(2兆2000億円程度、1%増)から上方修正し、前年比5%増の2兆3000億円程度を見込む。グループ基礎利益は、住友生命で円安に伴う外国証券の利息・配当金の増加等により順ざやが増加する見通しであることを主因に、期初時点の減益見通し(3000億円程度、2%減)から増益見通しに上方修正し、前年比18%程度の増益を見込む。うち、住友生命は、期初時点の見通し(2200億円程度、16%減)から上方修正し、前年比18%増の3100億円程度を見込む。