2024.12.02 MS&ADHD 24年度第2四半期(中間期)決算 純利益は4589億円で過去最高益 正味収保は海外大幅増収で12%増

 MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADHD)が11月19日に発表した2024年度第2四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比5.0%減の3兆4478億円を計上した。連結正味収入保険料は、海外子会社が大きく増収したほか、国内損保子会社も増収し、同11.9%(2695億円)増の2兆5395億円。連結生命保険料は同65.8%(3131億円)減の1628億円だった。経常利益は同380.0%増の6308億円で、中間純利益は国内損保子会社が政策株式売却益の大幅増等で増益したのをはじめ、国内生保子会社、海外子会社も増益となった結果、同424.5%(3714億円)増益の4589億円で過去最高益を更新した。グループ修正利益も同3883億円増の5003億円を計上した。
 MS&ADHDはグループ連結の業績予想を修正し、損保の正味収入保険料は足元の業績および為替の状況を勘案し、年初予想から300億円引き上げ4兆6300億円、国内生保のグロス収入保険料は、年初予想比で990億円引下げ1兆5720億円を見込む。
 経常利益は8930億円(年初予想8710億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は6300億円(同6100億円)、1株当たり当期純利益は404円93銭(同384円70銭)とそれぞれ上方修正した。当期純利益については、政策株式の売却が順調に進んでいること、および国内の自然災害に係る発生保険金の見通しを年初時の想定から引き下げたことによる。グループ修正利益についても、年初予想比で400億円引上げ、6700億円を見込むとした。
 国内損保主要2社(三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保)の業績では、正味収入保険料は、火災保険や自動車保険の増収に加えてあいおいニッセイ同和損保の海外子会社等からの受再保険の増収等があり、2社合算で前年同期比4.9%増の1兆6066億円となった。
 三井住友海上の正味収入保険料は、火災が前年同期比15.0%増の1516億円、海上が同3.7%増の407億円、傷害が同2.2%増の859億円、自動車が同3.5%増の3586億円、自賠責が同10.5%減の619億円、その他が同0.7%増の1676億円で、合計は同3.4%増の8666億円となった。正味支払保険金は同8.9%増の4942億円、正味損害率は同2.6ポイント上昇し63.4%、正味事業費率は同0.2ポイント低下し31.1%となった。コンバインド・レシオは同2.4ポイント上昇し94.5%。家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同4.3ポイント低下し64.2%。
 あいおいニッセイ同和損保の種目別正味収入保険料は、火災が同32.6%増の1412億円、海上が同16.6%増の29億円、傷害が同1.4%減の318億円、自動車が同3.8%増の4186億円、自賠責が同8.1%減の604億円、その他が同1.7%増の848億円で、合計は同6.6%増の7399億円となった。正味支払保険金は同7.5%増の4244億円、正味損害率は同0.3ポイント上昇し63.0%、正味事業費率は同0.4ポイント低下し33.1%、コンバインド・レシオは同0.1ポイント低下し96.1%となった。家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同9.8ポイント低下して66.8%。
 国内損保主要2社の保険引受利益は、自動車の発生保険金が増加した一方、既経過保険料の増加や自然災害ロスの減少により、前年同期比735億円増益の279億円となった。このうち三井住友海上は同361億円増益の312億円、あいおいニッセイ同和損保は同373億円増益の▲32億円。2社合計の保険引受利益(異常危険準備金反映前)は、同735億円増益の286億円で、このうち三井住友海上は同275億円増益の345億円、あいおいニッセイ同和損保は同459億円増益の▲58億円だった。
 2社の資産運用・その他収支は、三井住友海上の政策株式売却による有価証券売却益や利配収入の増加等により、合算で前年同期比2825億円増の4181億円だった。三井住友海上は同2947億円増の3858億円、あいおいニッセイ同和損保は同122億円減の322億円。
 2社合計の中間純利益は、同2873億円増益の3542億円。このうち三井住友海上は同2662億円増益の3314億円で、あいおいニッセイ同和損保は同211億円増益の228億円。
 国内生保子会社のうち、三井住友海上あいおい生命の保険料等収入は、積立利率変動型終身保険の払込満了増加や逓増定期保険の保有減少等により、前年同期比42億円減の2324億円となった。グロス収入保険料は同45億円減の2321億円。新契約年換算保険料は引受基準緩和型医療保険や介護・認知症保険の販売拡大の一方、通常型医療保険やガン保険の販売減少等により同6.5%減の127億円だった。保有契約年換算保険料は期首比0.6%減の4331億円だった。経常利益は前年同期比12.8%減の220億円、中間純利益は死亡保険金等の支払いが多かったことや前中間期の有価証券売却益の剥落から、同24億円(15.0%)減益の141億円だった。基礎利益は利息及び配当金等収入の増加等もあり、同13.6%増の222億円を計上した。
 三井住友海上プライマリー生命の保険料等収入は、前年同期比911億円増収の7959億円。グロス収入保険料は、前年度の新商品発売による販売増加の反動などにより同4.3%減の6265億円。経常利益は同980億円増の882億円、中間純利益は、ターゲットヒット型の商品について円安により目標値に到達した契約が多数発生したことや、前中間期の保有債券等の評価損計上の反動を主因に大きく増益し同423億円増益の337億円。
 海外保険子会社の正味収入保険料は、新規引受の増加等により大きく増収したロイズ・再保険事業をはじめ、アジア、欧州、米州でも増収、円安影響もあり前年同期比1944億円(27.0%)増収の9151億円となった。中間純利益は、大きな自然災害ロスがなく好調な保険引受・資産運用を背景に、ロイズ・再保険事業を中心に各地域で増益となり、同573億円(139.8%)増益の982億円。