2024.11.01 明治安田生命 評価ツール「RIMM」を活用 企業向けに「ESG評価サービス」 取組状況スコア化し推奨取組み提供
明治安田生命は10月11日、㈱SDGインパクトジャパンとの業務提携に基づく協働取り組みの一環として、シンガポール発のスタートアップ企業 RIMM Sustainability Pte Ltd. (CEO: Ravi Chidambaram 、以下、RIMM社)が展開するESG評価ツール「RIMM(リム)」を活用し、企業向けに「ESG評価サービス」の提供を開始した。
同サービスでは、「RIMM」に搭載されるESGスコアリング機能を用いてSDGsの達成に向けて業界・業種ごとに取り組むべき重要なESG項目を特定し、最適化された質問に回答することで、各ESG項目への取組状況をスコア化し、推奨する取り組みを一覧化したものを「ESG評価レポート」として提供する。
企業がサービスを利用する流れは、①利用申込時に業界・業種などESG評価に必要な情報を提供②業界・業種に合わせて設定したESGに関する質問(50~70問程度のアンケート)に回答③回答内容に基づき評価が行われ、各ESG項目への取組状況のスコアや推奨する取り組みを一覧化した「ESG評価レポート」を受領―となる。
さらに、ESGの取り組みについて一層の強化を希望する企業に対しては評価結果に基づく課題解決を支援するパートナー企業を紹介するなど、今後、サポートも拡充していく予定だという。
今回のサービスでは、明治安田生命と業務提携契約を締結している㈱SDGインパクトジャパンとRIMM社が共同で設立した㈱RIMM Japanが、日本企業向けにカスタマイズした「RIMM」(日本語版)のESGスコアリング機能を活用する。
同サービスは、従業員数100人以上1000人未満の企業を対象に、5月から東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、大阪府で先行展開しており、今後対象の拡大を検討していく予定だとしている。既に同サービスを利用している企業(消費者サービス業/従業員数約800人)からは、「営業面に加え、良質な人材確保の観点でも、SDGsへの取組状況を評価される時代になっていると実感している。『ESG評価サービス』を利用し、同業他社との比較によって自社の立ち位置・課題が把握できたことは、今後のSDGsへの取組強化に向け大いに参考になった」との感想が寄せられているという。
同サービスで使用しているESG評価ツール「RIMM」は、AIを活用した持続可能なテクノロジーの提供企業であるRIMM社により開発された。「RIMM」は、TCFDなどの国際基準に準拠したESG全領域の質問を業界・業種ごとに最適化し、ESGの取組状況のスコアリングや他社比較から分析レポートの作成までを一貫して行うことができ、すでにアジアや欧州を中心に約2500のユーザーを有している。その功績が認められ、同社は23年度のESG Fintech100社への選出やシンガポールApexコーポレートサステイナビリティアワード2023を受賞しているという。
SDGsは企業に対し、「本業を通じて持続可能な社会の実現に貢献すること」などを求めている。帝国データバンクの企業意識調査(23年7月)では、SDGsの達成に積極的な企業の割合は5割を超え、その7割が「企業イメージの向上」などSDGsへの取り組みによる効果を実感していることが示されている。一方、同帝国データバンクの調査では、企業規模が小さいほど、「どのように対応すればよいかわからない」「人材面・費用面での余裕がない」ことなどがSDGsを推進するうえでの課題となっていると指摘されており、同社では、こうした課題を抱える企業にSDGsへの取り組みのきっかけを提供し対応方針の策定等に活用してもらうため、「ESG評価サービス」の提供を開始したとしている。
「RIMM」開発者のRavi Chidambaram氏は「わが社は、人的・金銭的リソースに制約がある企業でも使いやすいツールの展開によって、企業ビジョンである『Sustainability for All』の実現を目指している。日本企業向けにカスタマイズした『RIMM』が、日本で広く活用され、多くの企業に対してESGへの取り組みを始めるきっかけを提供できることを大変うれしく思っている」とコメントしている。