2024.10.02 三井住友海上 アジアでの医療保険市場を開拓 シンガポールセレニティ社と事業提携

 三井住友海上は9月5日、シンガポール子会社 MSIG Asia Pte.Ltd. を通じて、シンガポールで医療保険関連事業を行う Serenity Health Partners Pte.Ltd. (以下、セレニティ社)へ出資し、アジアにおける医療保険分野での事業提携を開始すると発表した。
 セレニティ社は24年設立の会社で、 Jonathan James 氏、 Derek Goldberg 氏が共同創業者( Co-founders )。医療保険商品の開発、営業、TPA( Third Party Administrators :契約管理事務や保険金支払等の一部業務を委託する外部業者)管理などを事業内容としている。シンガポールでは現地関連当局の認可を前提に、MGA( Managing General Agent :保険会社から権限を付与され、保険募集に加えて引受や損害額認定・査定等の業務を担う代理店)事業を行う予定。
 三井住友海上ではシンガポールの関連当局からの認可取得を前提に、10月から同国で新たな医療保険(主にASEAN地域において企業従業員向けの商品)の販売を開始し、2025年1月以降は対象地域をインドネシア、ベトナムに拡大する。
 三井住友海上は、世界41カ国・地域で事業を展開するほか、自社拠点のない地域ではグローバル大手保険会社と提携し、世界中を網羅するネットワークを構築している。同社はASEAN地域において総収入保険料で最大規模の損保グループであり、豊富な現地ネットワークに強みを持っている。持続的な成長を目指し、アジアにおけるヘルスケア関連の事業拡大を戦略目標の一つとして掲げている。
 シンガポールを含むASEAN地域では、中間所得層の増加や医療・健康意識の高まりを受け、良質な医療サービスの需要が拡大している。それに伴い、医療保険市場も大きく拡大しており、今後も持続的な成長が見込まれている。同社ではアジアにおける医療保険市場の開拓を目的に、医療保険分野での豊富な経験を持つ創業者によって設立されたセレニティ社に出資し、事業提携することを決定したもの。同社ではアジア損保事業の成長戦略として、デジタルを含めた販売チャネル多様化、新商品・サービスの提供、異業種提携などに取り組んでおり、今後もこれらの取り組みを通じて、アジアでのさらなる成長を目指すとしている。