2024.09.20 生保各社24年度(25年3月期)第1四半期決算 新契約年換算保険料16%増と好調続く 保険料等収入も多くが前年実績上回る

 生保各社の2024年度第1四半期決算がまとまった。個人保険・個人年金保険計の新契約年換算保険料は、全社計で前年同期比16.3%増の6674億円(生保協会集計:9月18日6面掲載)を計上し引続き好調。収入保険料(生保協会集計)も、同8.1%増の9兆5073億円と好調が続く。本紙4面掲載の「保険料等収入」でも当期1000億円以上の25社中、18社が前年同期を上回り、「基礎利益」は100億円以上の19社中、16社が前年同期実績を上回った。(本日4~6面に生保協会会員各社の業績詳細(本紙調査)を掲載)
 日本生命グループの連結業績は前年同期比で増収・増益となった。保険料等収入とその他経常収益の合計を示す「保険・サービス収益」の合計値は、大樹生命、ニッセイ・ウェルス生命の一時払商品の販売増を主因に前年同期比7.3%増の2兆702億円となった。基礎利益は日本生命、ニッセイ・ウェルス生命の利息及び配当金等収入の増加を主因に同57.3%増。グループの新契約年換算保険料は大樹生命、ニッセイ・ウェルス生命の一時払商品の販売増を主因に同7.5%増となった。
 保険料等収入は日本生命単体では同5.3%減の1兆2419億円だったが、大樹生命が同27.7%増の2039億円、ニッセイ・ウェルス生命が同48.6%増の4770億円、はなさく生命が同116.9%増の147億円だった。日本生命は団体年金での減少が▲531億円、金融機関窓販チャネルの販売減が▲391億円、営業職員チャネル(一時払終身保険による増加等)の販売増等が+158億円などにより前年同期比701億円の減少。大樹生命は外貨建一時払商品の販売増が+260億円、再保険収入の増加が+233億円などにより同442億円の増加。ニッセイ・ウェルス生命は外貨建・円建一時払商品の販売増が+600億円、再保険収入の増加が+805億円などにより同1560億円の増加となった。
 かんぽ生命の連結の経常利益は前年同期比248億円(57.5%)増の681億円となり、四半期純利益は同0億円(0.4%)減の209億円だった。修正利益は同125億円(59.3%)増の335億円となる。
 かんぽ生命単体ベースでは、順ざやが改善した一方、一時払終身保険販売を主とした新契約の増加に伴う初年度に係る標準責任準備金の積増負担の増加の影響等により、基礎利益は前年同期比141億円減の434億円となった。四半期純利益は同14億円減の205億円。
 第一生命ホールディングスの連結保険料等収入は前年同期比0.9%減の1兆8285億円となった。グループ基礎利益は同54%増の1509億円。連結経常利益は同80.6%増の2084億円で、親会社株主に帰属する四半期純利益(連結純利益)は同100.9%増の1352億円を示した。グループ修正利益は、国内は第一生命の株式売却の前倒しや第一フロンティア生命での円安に伴う上振れ、海外でのおおむね順調な進捗などにより、グループ全体では同75%増の1444億円となった。
 国内3社(第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命)の新契約価値は概算で約300億円で、第一生命の販売量が新商品投入効果で順調に回復し予算を上回ったことで、通期予想に対する進捗率は38%と通期見通しの4割程度まで進捗した。新契約年換算保険料はグループ全体で前年同期比48.8%(為替影響除き42.1%)増の1751億円となった。国内は新商品販売が好調な第一生命で活動量増加を背景に販売量が増加。海外は米プロテクティブで定額年金の販売が好調に推移したほか、豪TALで団体保険の獲得があったことが後押しした。
 明治安田生命のグループ保険料は、明治安田生命での外貨建一時払保険の販売量増加を主因に前年同期比1150億円(14.9%)増の8864億円、グループ基礎利益は円安による外国公社債の利息及び配当金等収入の増加により同238億円(27.0%)増の1120億円となった。
 明治安田生命単体の業績で、保険料等収入は同14.0%増の7378億円だった。そのうち、個人保険・個人年金保険は同22.1%増の5248億円。新契約年換算保険料は、銀行窓販での外貨建一時払保険の販売量増加を主因として同12.5%増の312億円となった。チャネル別では営業職員チャネルが同10.0%減の212億円、銀行窓販チャネルが同154.4%増の96億円。
 住友生命の連結保険料等収入は前年同期比31.7%増の8142億円となった。グループの新契約年換算保険料は同23.7%増の1344億円。グループの基礎利益は同40.1%増の779億円。住友生命単体の新契約年換算保険料(個人保険と個人年金保険)は同2.1%増の238億円。このうち第三分野は同18.2%減の71億円だった。基礎利益は同73.9%増の758億円。
 T&D保険グループ(国内は太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命の3社)の親会社株主に帰属する四半期純利益は、国内の利息配当金等収入の増加等により前年同期比80.1%増の341億円、グループ修正利益は同42.2%増の406億円となった。国内3社合算の保険料等収入は同27.9%増の7130億円だった。新契約年換算保険料は同6.8%増の516億円。
 太陽生命の新契約年換算保険料は同38.6%増の116億円。そのうち、主に貯蓄系商品を除いた保障部分の合計となる保障性新契約年換算保険料は、営業職員チャネルでの「ハイブリッド型営業」の推進、営業職員数の増加、新商品の発売等により同1.3%増の56億円。大同生命の新契約年換算保険料は同9.3%増の188億円、新契約高は、死亡保障に就業不能・介護保障などを加えたトータルな保障の提案により同14.1%増の1兆2745億円。T&Dフィナンシャル生命の新契約年換算保険料は、円貨建商品へのニーズの高まりにより外貨連動型一時払終身保険の販売が減少したものの前年同期並みの水準を確保し、同7.0%減の211億円。
 ソニー生命の新契約年換算保険料は前年同期比33.7%増の439億円となった。保険料等収入は同21.4%増の4557億円で、経常利益は▲215億円、四半期純利益は▲163億円。基礎利益は同41.8%減の366億円。