2024.09.12 東京海上日動 「マーケットインナビ」開発 中小企業の経営課題解決を支援

 東京海上日動は8月21日、中小企業の経営課題解決を支援する新ツール「マーケットインナビ(Mナビ)」を開発したと発表した。社員の営業活動をサポートするツールで、顧客企業との対話内容を生成AIが解析することで、経営課題の抽出から、課題解決に資する保険商品や各種ソリューションサービスの提案までをワンストップで行う。生成AIを顧客との商談の際にサポートツールとして使用するのは同社初。
 「マーケットインナビ(Мナビ)」の主な機能は次のとおり。
 ▽顧客情報の登録:営業活動において必要な顧客企業の財務状況や従業員数等の情報をシステム上で一元管理することが可能。
 ▽顧客企業のビジョンやニーズ、課題把握のための質問集:顧客企業の経営課題や潜在ニーズを引き出すための質問を約110種類(8月21日時点)搭載。これに基づき顧客企業と対話することで、効率的な営業活動が可能となる。
 ▽生成AIによる顧客企業の課題抽出:顧客企業との対話内容(音声データ)を生成AIが解析し、解析結果に基づく経営課題が提示される。これにより、経営者自身が認識していなかった課題についても幅広く把握することが可能となる(音声記録の文字起こし機能も搭載)。
 ▽顧客企業の経営課題の解決に資する保険商品・各種ソリューションサービスの提案:顧客企業の課題・ニーズに合う具体的な保険商品や各種ソリューションサービスが約90種類からピックアップして表示されるため、営業担当者は、支援策をスピーディーに提案することが可能となる。
 ▽顧客企業における経営課題の解決を支援する対話シートの作成:顧客企業との対話内容(音声データ)を生成AIが解析し、「経営デザインシート」の要素を盛り込んだ対話シートを自動作成する(経営デザインシートは、内閣府が提供している、企業等が将来に向けて持続的に成長するために将来の経営の基幹となる価値創造メカニズム〈資源を組み合わせて企業理念に適合する価値を創造する一連の仕組み〉をデザインして在りたい姿に移行するためのシート)。
 東京海上日動は本ツール開発について、「中小企業は日本経済の基盤である一方、デジタル化、人手不足、経営者の高齢化による事業承継等、多様で複雑な課題を抱えている企業が多く存在している。当社は2021年10月に中小企業支援室を設立し、中小企業を取り巻くリスクの変化を捉え新たな保険商品・サービスを開発・提供してきた。今回、より多くの企業の挑戦を後押しするとともに、地域および経済の活性化、社会課題の解決に貢献することを目的に、営業サポートツール「Mナビ」を開発した。今後もデジタル技術を通じて、従来の保険の枠にとどまらない新たな価値提供を行うことで、中小企業の挑戦・成長を支援していく」としている。