2024.05.17 明治安田生命 予定利率引下げ「利率上乗せ特則」自動付加 25年4月から新たな団体年金保険引受け 運用利回りと市場金利との連動性も明確化

 明治安田生命は4月8日、2025年4月から確定給付企業年金保険、新企業年金保険(02)、厚生年金基金保険(02)を対象に主契約(一般勘定)の予定利率を引き下げ、固定の予定利率(1階)、3年保証の上乗せ利率(2階)、配当(3階)の「3階建て」の仕組みで構成する新たな商品として引受けを開始すると発表した。
 新しい団体年金保険(一般勘定)では、2025年4月に固定の予定利率を引き下げる一方で、運用利回りと市場金利との連動性を明確化した運用方針を定め、金利環境が好転した場合には運用の成果を反映できるよう、有期(3年)で利率を上乗せする「利率上乗せ特則」を新たに開発して契約に自動付加する。新たな商品では、国内債券の代替として、顧客の年金運用安定化ニーズに「安心・確実・安定」で応え、運用利回りが市場金利(新発20年国債利回りの10年平均)と一定の連動性を確保する資産運用を志向する。
 具体的な内容は、確定給付企業年金保険、新企業年金保険(02)、厚生年金基金保険(02)について、主契約(一般勘定)の予定利率を現行の1.25%から0.50%に引き下げる(▲0.75%)。その一方で利率上乗せ特則を自動付加し、上乗せする利率は3年ごとに設定するが、25年4月~28年3月の上乗せ利率は0.80%とし、主契約の予定利率との合計は1.30%になる(現行より+0.05%)。28年4月~31年3月の上乗せ利率は現在の金融環境等を踏まえて0.50%以上とし、実際の上乗せ利率は27年度にあらためて設定し公表するとしている(別表参照)。
 また、予定利率の改定に合わせて、確定給付企業年金保険および新企業年金保険(02)の運用管理業務に係る手数料率の一部改定も実施、積立金ランク1000万円以下の部分は現行の0.58%から改定後0.40%に、1000万円超5000万円以下の部分は現行の0.52%から改定後は0.40%とする。
 今回の改定について明治安田生命は、「これまで長期にわたって超低金利環境が継続したことや団体年金資産区分の健全性の維持・向上に取り組む必要があることを踏まえると、現行の予定利率を将来にわたって期間の定めなく保証することは難しい状況にある。団体年金保険(一般勘定)の財務の健全性を維持しながら顧客に長期的に安定した商品を提供するため、予定利率の引き下げを実施し、一方、従来の配当(基本部分)の一部を『上乗せ利率』として保証するなどのリニューアルを行う」としており、「安心・確実・安定」の考えに沿い、▽簿価評価できる確定利付き年金運用商品で運用リスク(下振れリスク)なし―「安心」▽予定利率(固定の予定利率)と併せて、従来の配当(基本部分)の一部を「上乗せ利率」として保証し、より高い利回りを提供―「確実」▽毎年の運用実績を反映しつつ、健全性に応じて、変動が少なく透明性の高い配当還元を実施―「安定」―と商品コンセプトを説明している。