2024.05.08 JA共済連 レッカー・ロード費用保障条項新設など 6月から自動車共済仕組改訂 共済掛金率0.3%引下げも
JA共済連(全国共済農業協同組合連合会)は、農業者向け保障拡充等を図るため、6月1日から「レッカー・ロード費用保障条項」の新設をはじめとする自動車共済の仕組改訂等を実施する。
JA共済連では、直近の収支実績に基づき共済掛金率水準を見直すとともに、仕組改訂に伴う共済掛金率変更を実施し、農業者向け保障拡充として①レッカー・ロード費用保障条項の新設、環境変化等への対応として②車両諸費用保障特約の保障拡充等③共済掛金率水準の見直し④所要の整備―を行う。
1.レッカー・ロード費用保障条項の新設
農業用自動車を含む全車種を対象としたレッカー・ロード費用保障条項を新設する。被共済自動車が事故・故障・車両トラブルにより走行不能となった場合に、走行不能となった場所から修理工場等まで被共済自動車が運搬された際に必要となるレッカー費用・陸送等費用・宿泊費用・帰宅等費用または走行不能となった場所で被共済自動車を自力で走行できる状態に復旧する際に必要となるロード費用を保障する。
この条項により、これまでのレッカー・ロードサービスによる作業提供に加えて、被共済者自ら業者を手配し負担したレッカー費用・ロード費用も保障する。
この条項は自動付帯とし、記名被共済者が法人の契約および特別割増・割引契約(資格審査契約を含む)に限り、任意付帯とする。
「レッカー・ロード費用共済金」では、走行不能となった場所から修理工場等まで契約の車の運搬に要した費用(実費)、走行不能となった場所で契約の車を自力で走行できる状態に復旧するために要した応急対応の費用(実費)の合計額を15万円を限度に補償する。
「陸送等費用共済金」では、修理または充電等を終えた後、契約の車を引き取るために要した、▽陸送車等により運搬するために要した費用(実費)▽公共の交通手段を利用したことにより要した往路1人分の費用(実費)―のいずれかの費用を15万円を限度に補償する。
「宿泊費用共済金」では、緊急宿泊(1泊)を余儀なくされたために追加的に要した費用(実費、飲食等に要した費用は含まない)を被共済者1人につき1万円まで補償する。
「帰宅等費用共済金」では、公共の交通手段の利用を余儀なくされたために追加的に要した費用(実費)を被共済者1人につき1万円まで補償する。
なお、レッカー・ロード費用保障条項の新設に伴いレッカー・ロードサービスを改定し、対象車種を全車種に拡大するなどサービス内容を拡充する。改定後のレッカー・ロードサービスは、レッカー・ロード費用保障条項を締結している場合に利用できる。
2.車両諸費用保障特約の保障拡充等
これまで車両諸費用保障特約の付加には車両条項を付帯する必要があったが、車両条項を付帯せずに同特約の付加を可能とする。また、自然の消耗を原因とする電気的または機械的故障により走行不能となった場合も保障対象とする。ただし、ガス欠、バッテリー上がり、バッテリー液の消耗等、自動車の電気系統の故障または機械系統の故障を伴わない走行不能の場合は含まない。
代車費用の取り扱いでは、これまで代車使用日数は「原則として事故日から30日間」を限度としていたが、「原則として代車を借り入れた日から30日間」を限度に代車費用を保障する。
自然災害時の代車費用の取り扱いを新設し、自然災害の影響により代車を借り入れることができないと組合が認めた場合等に、代車の代替として他の公共の交通手段を利用したときの費用を保障する。また、自然災害の影響により修理期間が著しく長くなると組合が認めた場合に、代車等の使用日数を通算日数(30日間を限度)で保障する。
代車費用共済金日額はこれまで引受限度額を1万円としていたが、引受限度額を2万円に引き上げるとともに、用途車種ごとに選択できる限度額も変更する。
これまで車両諸費用保障特約で保障していた陸送等・宿泊・帰宅等費用は、レッカー・ロード費用保障条項で保障する。
3.共済掛金率水準の見直し
直近の収支実績に基づく共済掛金率水準の変更と、仕組改訂に伴う共済掛金率変更に伴い、共済掛金率水準を平均で約0.3%引き下げる。
その他、「所要の整備」として、無過失事故で車両超過修理費用保障特約または車両新価保障特約を適用して共済金を支払う場合はノーカウント事故とするよう取り扱いを変更する。また、自然災害等により車両超過修理費用保障特約または車両新価保障特約を適用して共済金を支払う場合は1等級ダウン事故とするよう取り扱いを変更する。
また、第三者による不正アクセス等に起因する事故が発生し、被共済自動車の運転者等に過失がなかったことが確定した場合、事故全体をノーカウント事故とするよう取り扱いを変更する。