2017.02.03 朝日火災、事故対応サービスで新取り組み、SC社員のコール業務指標化

 朝日火災は昨年10月から、事故対応サービスでの新たな取り組みとして、サービスセンター(SC)所属の社員によるコール業務の徹底を図っている。1時間以内の初動連絡と月1回の経過報告の100%実施、また、担当案件に関する1日30本以上の架電を目標に設定し、営業日ごとに集計。翌営業日にはSCや社員ごとの達成度合いを全社員にメールで知らせる。各事故事案への働き掛けを促して迅速な保険金の支払いにつなげ、顧客満足度の向上を図る。
 同社損害サービス部門では現在、①事故受け付け後に、平日であれば1時間以内、夜間・休日であれば翌営業日の最初の1時間以内に顧客に連絡する「ホットコール」②事故の初動対応の結果と現状を知らせる「安心コール」③月に1回以上、顧客や事故被害者など相手側に途中経過を報告する「経過コール」④事故対応が完了した時点で結果を伝える「解決コール」―の実施を定め、迅速な保険金支払いの推進と顧客接点の強化を図っている。
 昨年10月からは取り組みを徹底させる目的で、ホットコール、経過コールの100%実施と、担当案件に関する各社員による1日最低30本の架電を義務化し、営業日ごとに報告を求めている。架電件数では、同部門の社員が常時100~150件の事案を担当することから、平均的な通話時間や解決までの架電件数などから目標件数を設定し、各事案への継続的な対応を促した。社員、SCごとに報告された各数値は、損害サービス業務部が集約し、翌営業日にはランキング形式で結果を全社員にメール配信する。達成度合いの低いSCや社員には、ヒアリングを行い、原因を探って改善を図る。
 10月の開始当初は、目標に達しない社員やSCが多かったが、各SC内で架電業務が集中する社員をフォローしたり、種目横断的に人員のフォーメーションを変えたり、また、営業部門などからのアドバイスを反映させたりするなど工夫を加えた結果、1カ月を経過した頃から、ホットコールと経過コールの実施率が向上し、12月には全SCでほぼ100%を達成。架電件数もばらつきはあるものの常時95%を上回るようになった。また、12月に入って数値が上昇するにつれ、契約者に対して事案完了後に依頼するアンケートの回答率も伸び、感謝の言葉が前年同時期に比べて15%多く寄せられるなど、顧客満足度の上昇がうかがえる。
 今後は、実施後3カ月間の保険金支払い日数や事故処理件数などのデータを集計し効果を検証した上で、取り組みの改善や新たな業務の追加などを検討する考えだ。同部では「損害サービス業務にはこれまでにも幾つか数値目標があったが、営業部門などと比べると成果が見えにくく、効果的な目標を設定するのが難しかった。今回の取り組みで、迅速な保険金の支払いにつながり、お客さまの満足度も上がっているとの手応えを感じている。また、社内のコミュニケーションやモチベーションもより活性化されるなど付随的な効果も出ており、現行業務の100%実施を当たり前にこなせるようにすると同時に、新たな取り組みにもチャレンジしてきたい」として、今後の施策の発展に意欲を示している。