2024.03.13 第一生命 ペアローン利用者向け連生団信開発 夫婦等合計の債務残高でそれぞれ引受け

第一生命は2月5日、新たな商品として、住宅購入時にペアローンを利用する人向けに、夫婦等のいずれかが死亡した場合に両者の債務残高合計を保障する連生団体信用生命保険の取り扱いを7月から開始すると発表した。共働き世帯等の住宅ローン返済における将来的不安の軽減を目指した商品で、ペアローン利用者への連生団体信用生命保険の提供は生命保険業界初(2024年1月時点、同社調べ)だという。

ペアローンとは、同一物件の購入に当たり、夫婦等でそれぞれがローン契約を結び、互いにローンの連帯保証人になるタイプの住宅ローンを指す。
近年、共働き世帯の増加や住宅価格の高騰を背景にペアローンの需要が増加しており、リクルートSUUMOリサーチセンターの調査によると、特に首都圏では新築分譲マンション購入契約者の約3割が一つの物件を夫婦等の共同で購入するペアローンを選択しているという。
一方、従来のペアローンにおける団体信用生命保険では、夫婦等それぞれが自身の債務残高を保険金額として加入する取り扱いとなっているため、いずれか一方に万一のことがあった場合、残された人の債務残高はそのまま残り、返済を継続する必要があった。
そのため、ペアローンを選択する共働き世帯では、夫婦等がそろってローン返済を続けていくことを前提にしているため、いずれかが死亡した場合に、ローンの残債を支払うことが困難になるリスクがあった。夫婦を例とした場合、従来の団信商品では夫が死亡した際に夫が契約する団信で夫のローン債務は無くなるものの、妻のローン債務は残ることとなり、妻は仕事と家庭を両立した上でさらに債務弁済の責任を負うことになり、その点がペアローンを選択する共働き世帯にとって不安材料となっていた。
こうした背景を踏まえて、同社が開発した新たな連生団体信用生命保険では、夫婦等のいずれかに万一のことがあった場合に備えて、両者の債務残高を合計した金額を保険金額として加入できる仕組みとした。これにより、借入期間中にいずれか一方が死亡した場合にも両者のローン債務残高が保険金により完済されることとなり、住宅ローンを契約する顧客にとっては「生計の安定」を図ることができ、また、金融機関にとっては「債権の回収の確実性」を担保することができる。
例えば、住宅価格5000万円、住宅ローン借入金額が夫2500万円、妻2500万円の場合、従来のペアローンの団体信用生命保険の保険金額は夫2500万円、妻2500万円と、夫婦それぞれが自身の債務残高を保険金額として加入していたが、新商品では同じ条件で、保険金額が夫5000万円、妻5000万円となり、夫婦それぞれが自身の債務残高に配偶者の債務残高を加えた金額を保険金額として加入することができる。