2024.01.31 令和6年能登半島地震 損保協会が事故受付件数発表、事故受付5万39件(1月15日時点)に 航空・衛星写真用いた「共同調査」を実施

損保協会では、「令和6年能登半島地震」の発生を受け「2023年度自然災害対策本部」を設置して対応にあたっているが、1月18日に「共同調査」の実施を発表、29日に15日現在の地震保険の事故受付件数が5万39件となっていることを発表した。

損保協会は1月29日、「令和6年能登半島地震」による災害に係る地震保険の事故受付件数について、1月15日時点で5万39件となっていることを公表した(損保協会・外国損保協会会員会社等合計)。この受付件数には建物・家財の事故に関する調査の依頼のほか、地震保険の補償内容・顧客の契約内容に関する相談・問い合わせを含む。
都道府県別の内訳は、石川県(2万543件)、富山県(1万3953件)、新潟県(1万479件)、福井県(1381件)の順で、その他が3683件だった。
なお、過去の大きな地震による地震保険金の支払実績は、支払額順に、①平成23年東北地方太平洋沖地震(2011年3月11日)82万6110件、1兆2894億円②平成28年熊本地震(16年4月14日)21万5642件、3909億円③令和4年福島県沖を震源とする地震(22年3月16日)32万920件、2654億円④令和3年福島県沖を震源とする地震(21年2月13日)24万5982件、2509億円⑤大阪府北部を震源とする地震(18年6月18日)15万9369件、1248億円⑥平成7年兵庫県南部地震(1995年1月17日)6万5427件、783億円⑦平成30年北海道胆振東部地震(2018年9月6日)7万3871件、536億円⑧宮城県沖を震源とする地震(11年4月7日)3万1018件、324億円―などとなっている(日本地震再保険調べ)。
損保協会では迅速な損害調査・保険金支払対応に向けた取り組みの一環として、1月18日に「共同調査」を実施すると発表している。共同調査により、「全損地域」または「一部全損地域」に認定された地域に所在する建物は、現地調査を省略して保険金の支払が可能となることから、迅速な保険金支払が期待できるようになる。
調査では、損保会社から派遣された要員で構成する「共同調査団」が、航空写真・衛星写真を用いて被災地域の状況を確認し、火災による「焼失」または津波による「流失」が認められる地域について、地域単位で「全損地域」「一部全損地域」を認定する。
「全損地域」と認定された街区に所在する地震保険の対象は、現地調査を省略し、すべて全損認定することができる。また、「一部全損地域」と認定された街区に所在する地震保険の対象は、流失・焼失が証明された「り災証明」の提出により、現地調査を省略し全損認定することができるようになる。
なお、損保協会では、「被災者のみなさまへ」として、「震災後は、『保険金請求を代行する』・『保険金請求をサポートする』・『保険で直せる』などと言って勧誘する業者と保険契約者とのトラブルが増加します。また、保険会社を装った詐欺まがいの勧誘も見られます。例えば、保険会社の者と称し、電話で損害状況を聴取したうえで、『調査費用がかかるが、保険金が確実に支払われる』などといい、実際に訪問して調査費用を要求してくるようなケースがあります。保険会社では、お客様に調査費用を請求することはありません。このような勧誘があってもすぐに契約はせずに、まずはご加入先の損害保険会社または代理店にご相談ください」と呼び掛けている。
損保協会では、損害保険に関する相談はそんぽADRセンターで受け付けている。災害救助法が適用された地域では、「自然災害等損保契約照会センター」で家屋等の損壊等により損害保険会社との保険契約に関する手掛かりを失った人についての契約照会を受け付けている。また、損保協会・損保各社では災害救助法が適用された地域での継続契約の締結手続き猶予や保険料の払い込み猶予といった特別措置の実施を案内している。