2023.11.24 生保協会、損保協会、生保文化センター 保険教育推進で包括連携協定、教員対象セミナー拡大、共催勉強会を本格実施
生保協会、損保協会、生保文化センターの3者は11月13日に、「保険教育に関する包括連携協定」を締結した。協定は、3者がライフプラン等を踏まえたリスクに対する自助努力の重要性を学ぶための保険教育について、密接に相互連携および協働して取り組むことを定めたもので、これにより、国民の保険分野における金融リテラシー向上を図ることを目的としている。
包括連携協定は、前記の目的を達成するため、①保険教育に係る教材・コンテンツの作成に関すること②学校等への講師派遣に関すること③学校教育支援に関すること④金融経済教育推進機構(注)に関すること⑤その他、保険教育、金融経済教育に関すること―について連携し協力することを内容とする。
3者は連携・協力事項に係る取り組みを効果的に推進するため、定期的に情報交換を行い、協働取り組みに係る研究を行うものとし、具体的な取り組み内容および実施方法は、取り組みごとに協議の上決定する。連携・協力事項を推進するにあたっては、教育機関や金融経済教育推進機構等その他の団体等との連携が図られるよう努めるとしている。
今後は同協定に基づき、現在実施している生損保業界協働での教育活動を拡充することなどにより、国民の金融リテラシー向上に向けて、保険教育に係る各種施策を連携・協力して進めていく。
具体的取り組みとしては、①教員対象セミナーの拡大実施②共催による勉強会の本格実施―を挙げた。
学習指導要領の内容を効果的に実施するため、生保文化センターと損保協会は共催で、生活設計やリスクに備える手段である社会保障制度や民間保険などといったリスク管理について知識と理解を深めてもらうことを目的に、2006年度から18年間にわたり、中学校・高校の家庭科教員、社会科・公民科教員を対象とした「教員対象夏季セミナー」を、会場とオンラインを併用したハイブリッド開催で実施している。また、各都道府県にある生保協会地方事務室と連携し、各地の教育委員会や教員が所属する研究会等に対してきめ細やかな案内活動を実施している。セミナーでは、大学教員等による基調講演、現場の教員による授業実践報告、両団体で作成している副教材の活用方法等について情報提供しており、教員によるグループ別情報交換会も実施している。23年度の夏季セミナーは、8月2日に社会科・公民科対象(東京)、8月3日に家庭科対象(東京)、8月4日に家庭科対象(大阪)の3カ所で実施され、計137人(会場参加64人、オンライン参加73人)が参加した。
「教員対象の勉強会」では、23年度から先行して、各地の教員が所属する研究会等からの要請に応じて、生保文化センター・損保協会から職員を講師として派遣し、限られた授業時間の中で保険にどのように触れたらよいのか、生命保険・損害保険それぞれの高校向け副教材の活用方法、および周辺知識について解説を行っている。前記のセミナーと同様、本件についても生保協会地方事務室と連携し、きめ細やかな案内活動を実施しているという。
(注)金融経済教育推進機構は、関連法案の成立・施行を前提に、24年春に設立される予定の金融経済教育推進組織。