2023.08.24 明治安田生命グループ 23年度第1四半期決算、保険料収入12%減、基礎利益は63億円増 外貨建一時払の販売量減少が影響

明治安田生命は8月9日、2023度第1四半期決算を発表した。それによると、グループ保険料は明治安田生命単体における外貨建一時払保険の販売量減少を主因に前年同期比12.0%減の7714億円、グループ基礎利益は明治安田生命単体ではヘッジコスト増加を主因に減益も、主要子会社である米国スタンコープ社の支払減少等により、グループとしては同7.7%増益の882億円となった。オンバランス自己資本は前年度末差81億円減の4兆2398億円、連結ソルベンシー・マージン比率は同19.3ポイント増の1030.0%で、両指標とも引き続き高い水準を維持している。23年度の業績見通しについては、22年度決算報告時の「グループ・単体ともに保険料等収入は『減収』、利益水準は『横ばい』」から修正はない。

グループ連結の経常収益は前年同期比4.0%増の1兆3776億円で、保険料等収入(グループ保険料)は前記のとおり7714億円、経常費用は同2.9%増の1兆3300億円で、経常利益は同46.9%増の476億円、親会社に帰属する四半期純剰余は同43.3%増の355億円となった。
グループ保険料のうち、明治安田生命単体は前年同期比15.6%減の6470億円、海外保険事業等は同13.4%増の1243億円で、そのうちスタンコープ社が主力の団体保険事業の良好な継続率を主因に同14.7%増の1126億円となった。
明治安田生命の単体の業績を見ると、経常収益は同2.2%増の1兆2092億円で、そのうち保険料等収入は前記のとおり6470億円、資産運用収益は同34.9%増の5443億円。また、経常費用は同1.5%増の1兆1590億円で、そのうち保険金等支払金は同11.5%減の6653億円、資産運用費用は同58.7%増の2032億円。以上の結果、経常利益は同19.8%増の502億円、四半期純剰余は23.7%の418億円となった。
保険料等収入6470億円のうち、個人保険・個人年金保険は同16.1%減の4297億円。新契約年換算保険料も、外貨建一時払保険の販売量減少を主因として同22.7%減の277億円となった。チャネル別では営業職員チャネルが同21.4%減の236億円、銀行窓販チャネルが同32.1%減の38億円。なお、保障性商品の新契約年換算保険料は同10.7%減の103億円、第三分野の新契約年換算保険料は同8.5%減の111億円。
保有契約年換算保険料は前年度末を上回る水準を確保し、前年度末比0.2%増の2兆1745億円。保障性商品の保有契約年換算保険料は同0.0%増の6151億円、第三分野の保有契約年換算保険料は同0.4%増の4905億円となった。
明治安田生命単体の基礎利益は、円安による外国公社債の利息及び配当金等収入が増加したものの、ヘッジコストの増加を主因として、前年同期から6.2%減の776億円となった。
単体のオンバランス自己資本は前年度末差81億円減の4兆2398億円。単体ソルベンシーマージン比率は同18.2ポイント増の999.0%。実質純資産額は同1兆556億円増の9兆6704億円で、一般勘定資産に対する比率は同1.7ポイント増の21.4%となった。
契約クオリティを示す指標では、解約・失効・減額率は、外貨建保険の解約が減少したことにより前年同期と比べ改善し▲0.33ポイントの1.18%で主力商品も引き続き低位な水準を維持した結果、同+0.07ポイントの1.38%。個人保険・個人年金保険の総合継続率は、13月目が同▲0.7ポイントの94.3%、25月目が同▲1.0ポイントの88.9%、61月目が同▲2.7ポイントの68.2%と、いずれも高水準を維持。
スタンコープ社の業績は、保険料等収入が主力の団体保険事業の良好な継続率を主因に、1126億円で同14.7%増。基礎利益相当額は、団体保険事業におけるコロナ起因支払いの大幅減少や、アセットマネジメント事業の運用管理手数料等の増加により同584.9%の大幅増の126億円となった。以上の結果、当期純利益は6億円で、前年同期の▲15億円から黒字転換となった。なお、海外保険事業等全体の基礎利益は同205.6%増の172億円。