2023.05.31 日本生命グループ 22年度決算、保険料等収入は18%増6兆3735億円 基礎利益はコロナ支払等で減益の4794億円
日本生命が5月24日に発表した2022年度末決算によると、グループの連結業績は前年度から増収・減益となった。保険料等収入は日本生命、大樹生命およびニッセイ・ウェルス生命の一時払商品の販売増を主因に増収。基礎利益は新型コロナウイルス感染症関連の支払増、ヘッジコストの増加、およびニッセイ・ウェルス生命の標準責任準備金の繰入増により減益となった。国内生命保険の個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料は日本生命は貯蓄性商品の料率改定等により減少したものの、ニッセイ・ウェルス生命と大樹生命の外貨建商品の販売増により対前年で増加、保有契約年換算保険料は日本生命は減少も、ニッセイ・ウェルス生命の増加を主因に対前年度比で増加した。23年度通期のグループ業績見通しについては、 保険料等収入は日本生命における団体年金の減少を主因に減収、基礎利益は新型コロナウイルス感染症関連の支払減を主因に増益の、減収・増益を見込む。
連結経常収益は対前年度比15.3%増の9兆6391億円を計上した。連結保険料等収入は、同18.3%増の6兆3735億円となった。保険料等収入を各社別にみると、日本生命が外貨建・円建一時払商品の販売増などで同3400億円増の4兆6479億円、大樹生命が外貨建一時払商品の販売や再保険収入の増加などで同3862億円増の8848億円、ニッセイ・ウェルス生命が外貨建一時払商品の販売増で同2204億円増の5705億円、はなさく生命が医療保険等の販売増で同84億円増の222億円、海外生命保険子会社のうち豪MLC Limited(以下、MLC)が同271億円増の2084億円などとなっている。
連結の資産運用収益は同11.0%増の2兆9921億円。経常費用が同21.4%増の9兆4967億円で、このうち保険金等支払金が同18.2%増の5兆4708億円、資産運用費用が同260.2%増の1兆3919億円、事業費が同1.7%増の8164億円となった。この結果、経常利益は同73.4%減の1423億円、当期純剰余(利益)は同65.9%減の1182億円となった。
グループの基礎利益は対前年度比43.7%減の4794億円となった。利差益が同32.9%減の2457億円、保険関係損益が同53.4%減の2163億円など。各社別には、日本生命が同35.7%減の4988億円、大樹生命が56.3%減の173億円、ニッセイ・ウェルス生命が▲294億円、はなさく生命が▲246億円。MLCは同190.8%増の68億円だった。
連結の総資産は前年度末比0.9%減の87兆5946億円、負債は同0.3%増の80兆5436億円、そのうち保険契約準備金が同2.1%増の71兆3595億円(責任準備金は同2.1%増の69兆9688億円)、価格変動準備金がよこばいの1兆6847億円となった結果、純資産は同12.4%減の7兆510億円となった。
連結ソルベンシー・マージン比率はその他有価証券の含み益の減少により同42.2ポイント低下し1078.1%。実質純資産は有価証券の含み益の減少により同13.8%減の17兆4141億円となった。
23年度の業績見通しでは、日本生命グループ計で前年度から減収・増益を見込む。保険料等収入は日本生命の団体年金の減収を主因に減収し5兆8000億円(MLCを除く、以下同じ)の見通し。各社別には日本生命が「減少」、大樹生命が「減少」、ニッセイ・ウェルス生命が「増加」、はなさく生命が「増加」など。基礎利益は新型コロナウイルス感染症関連の支払減による危険差益の増加を主因に増益し、グループ計で約6000億円を見込むとしている。各社別には日本生命が「増加」、大樹生命が「減少」、ニッセイ・ウェルス生命が「増加」、はなさく生命が「減少」など。
中期経営計画(21~23)の数量目標の進捗状況については、お客さま数・保有年換算保険料は、23年度末目標1490万人に対し22年度末が1480万人と着実に進捗。基礎利益は、中計目標の「安定的に6000億円」に対し21年度は目標を超過も、22年度は自己資本は増加基調も新型コロナウイルス感染症関連の支払増を主因に未達となったと報告した。
22年度の国内生命保険事業の保険料等収入は、外貨建一時払商品の販売増による銀行窓販・代理店チャネルの増加、および円建一時払商品の販売増による営業職員チャネルの増加を主因に、対前年度比18.5%増の6兆1257億円と増加した。対19年度でも、銀行窓販・営業職員・代理店チャネルの増加により11.3%の増収。そのうち個人保険・個人年金保険が同20.9%増の4兆4732億円で、チャネル別では営業職員チャネルが同7.8%増の2兆9561億円。代理店チャネルが同31.8%増の5674億円、銀行窓販チャネルが同79.9%増の9495億円となった。団体保険は同0.9%減の2824億円、団体年金保険は同3.0%減の1兆610億円。
国内の個人保険・個人年金保険の新契約は、年換算保険料が対前年度比2.6%増の4044億円、件数は同7.5%減の450万件、保障額等は同17.9%減の8兆1960億円となった。
営業職員チャネルの新契約年換算保険料は同21.6%減の1773億円、件数は同11.0%減の410万件、保障額等は同32.1%減の5兆866億円だった。代理店チャネルの新契約年換算保険料は同19.8%増の748億円、件数は同27.2%増の25万件、保障額等は同3.0%増の1兆9842億円だった。銀行窓販チャネルの新契約年換算保険料は同43.6%増の1517億円、件数は同124.0%増の13万件、保障額等は同96.2%増の1兆1048億円となった。
日本生命の新契約年換算保険料が同14.0%減の2354億円、件数が同8.3%減の411万件、保障額等が同30.4%減の5兆7127億円だった。大樹生命の新契約年換算保険料が同47.3%増の355億円、件数が同35.1%減の14万件、保障額等が同19.8%増の7828億円。ニッセイ・ウェルス生命の新契約年換算保険料が同38.9%増の1227億円、件数が同111.8%増の7万件、保障額等が同107.2%増の7517億円だった。はなさく生命の新契約年換算保険料が同35.0%増の106億円、件数が同37.2%増の17万件、保障額等は同25.2%増の9486億円となった。
国内の個人保険・個人年金保険の保有契約は、年換算保険料が前年度末比0.5%増の4兆5944億円、件数が同1.1%増の3834万件、保障額等が同2.1%減の171兆3587億円となった。日本生命は保有契約年換算保険料が同0.8%減の3兆7417億円、件数が同0.8%増の3498万件、保障額等が同2.8%減の149兆1647億円、大樹生命は保有契約年換算保険料が同1.0%減の5065億円、件数が同1.8%減の254万件、保障額等が同4.5%減の16兆5415億円となった。ニッセイ・ウェルス生命は保有契約年換算保険料が同18.3%増の3217億円、件数が同15.9%増の41万件、保障額等が同16.1%増の3兆9566億円、はなさく生命は保有契約年換算保険料が同56.8%増の243億円、件数が同59.1%増の39万件、保障額等が同102.5%増の1兆6957億円となった。
団体保険の保有契約(保障額等)は国内計で同1.2%減の108兆5652億円。このうち日本生命は同0.8%減の97兆5018億円、大樹生命は同4.5%減の11兆633億円となった。団体年金保険(受託資産等)は国内計で同0.7%増の18兆6293億円だった。