2023.05.26 SOMPOHD 22年度末決算 純利益60%減の911億円、正味収保は14%増3兆6707億円計上

SOMPOホールディングスが5月19日に発表した2022年度通期決算によると、連結経常収益は前期比10.5%増の4兆6071億円となった。このうち、正味収入保険料はSompoインターナショナルコマーシャル部門(以下、SIコマーシャル)の増収、損保ジャパンの火災保険がけん引し、同14.1%増と大幅に拡大して3兆6707億円を計上、生命保険料は同2.6%減の3167億円だった。連結経常利益は同61.2%減の1225億円、親会社株主に帰属する当期純利益は自然災害や新型コロナの影響(一過性要因)を受けたものの通期予想を111億円上回り、同59.5%減の911億円となった。1株当たり当期純利益は270円64銭。修正連結利益は同1091億円(41.8%)減益の1522億円だったが、一過性要因(▲730億円)控除後の平年値ベースでは50億円増益の2250億円となった。

23年度の通期連結業績予想については、事業環境の悪化を織り込みつつも、正味収入保険料は対前年602億円増の3兆7310億円、連結経常利益は同162.8%増の3220億円、連結純利益は今中計の布石が結実することから各事業で増益し過去最高益となる2300億円(同152.3%増)、1株当たり当期純利益は690円51銭、修正連結利益は足元の事業環境の悪化を主因に中計目標から下振れるも過去最高益となる2800億円となる見込みとしている。
22年度の連結純利益は、損保ジャパンが581億円減益の1080億円、海外保険事業が87億円増益の731億円、SOMPOひまわり生命が149億円減益の9億円、介護・シニア事業が4億円減益の54億円、その他・連結調整等が688億円減益の▲963億円となった結果、911億円で着地した。
国内損保事業のうち損保ジャパン単体の業績では、自賠責・家計地震を除く正味収入保険料は火災保険・新種保険が好調に推移し、前期比3.8%増の2兆147億円だった。自賠責・家計地震を含む合計正味収入保険料は同3.1%増の2兆2255億円。
自賠責と家計地震を除いたE/I損害率は、自然災害影響や新型コロナによる保険金支払増加と自動車保険の事故減少影響の剥落を主因に前期比7.9ポイント上昇し67.0%となった。除く自賠責・家計地震のW/P損害率は同5.4ポイント上昇し62.8%。事業費率(自賠責・家計地震を除く)は前期比0.6ポイント改善し33.9%、社費率も同0.6ポイント改善し12.8%となった。コンバインド・レシオ(E/I、除く自賠責・家計地震)は同7.3ポイント上昇し100.9%で、同(W/P、除く自賠責・家計地震)は、同4.8ポイント上昇の96.7%。
以上の結果、コア保険引受利益は前期比1511億円減益の▲309億円で、異常危険準備金682億円を積み増した結果、保険引受利益は同828億円減益の▲198億円となった。
資産運用損益は前期比47億円減益の1585億円。ネット利息及び配当金収入は企業業績改善による配当の増加等から同190億円増の1361億円で、有価証券売却損益は同72億円減の309億円となっている。なお、政策株式の削減額は703億円だった。
損保ジャパン単体の経常利益は前期比40.7%減の1249億円で、当期純利益は同35.0減の1080億円。修正利益は同1230億円減益の331億円となった。23年度業績予想については、保険引受利益は自然災害影響等の一過性要因の剥落により928億円増益の730億円、正味収入保険料は火災・新種保険の増収基調の継続を見込み同327億円増の2兆474億円、資産運用損益は利配収入増加等により90億円増益の1675億円を見込む。
22年度の国内生保事業(SOMPOひまわり生命)は、新契約年換算保険料はInsurhealth(R)商品(がん保険)の販売好調により前期比4.1%増の332億円だった。保有契約年換算保険料(個人保険と個人年金保険の合計)は同0.7%増の3853億円。保険料等収入(生命保険会社の様式に基づく数値で連結様式とは異なる)は、同0.6%減の4344億円となった。責任準備金繰入等が同3.1%減の2701億円、保険金等支払が同41.1%増の1134億円、事業費は同4.4%増の990億円、資産運用損益は同20.0%増の603億円で、経常利益(連結様式とは異なる)は同76.1%減の63億円で、当期純利益は同94.1%減の9億円となった。基礎利益は同106.5%減の▲18億円。修正利益は157億円(46.9%)減益の178億円だった。
海外保険事業では、正味収入保険料はSIコマーシャルがけん引し前期比3815億円増の1兆3801億円を計上。SIコマーシャルの業績(以下ドルベース)で、保険引受利益は増収によるコンバインド・レシオ改善を主因に前期比25%増益の5億3200万ドル、正味収入保険料は農業保険の作物価格上昇と保有比率引き上げを主因に同18%増収の89億400万ドルを計上した。23年度は、コンバインド・レシオ改善による保険引受利益増加、コングロマリット・プレミアム等による資産運用利益増加により、純利益1514億円(782億円増)、修正利益1500億円(566億円増)を見込む。
22年度の介護・シニア事業は、売上高は入居率改善等の影響により前期比137億円増の1498億円。修正利益は横ばいの59億円だった。23年度は、NDソフトウェア社の買収や入居率改善等の影響により289億円増収の1788億円、修正利益は10億円増益の70億円を見込む。