2023.05.10 石川県能登地方で最大震度6強の地震 2市1町に災害救助法適用、損保各社 継続契約・保険料支払で特別措置

5日午後2時42分に石川県能登地方で「令和5年石川県能登地方を震源とする地震」が発生。気象庁によると、震源の深さは12キロメートル、マグニチュードは6.5(共に暫定値)。石川県珠洲市(すずし)で最大震度6強を観測したほか、東北地方から中国・四国地方にかけて震度5強~1を観測した。

地震を受けて、内閣府は同日午後7時に石川県輪島市、珠洲市、鳳珠郡能登町(ほうすぐんのとちょう)の2市1町に対し災害救助法の適用を決定したことを公表。損保協会は同日ホームページで「令和5年石川県能登地方を震源とする地震により被災された皆様へ」を発表し、白川協会長のコメントとともに、災害救助法が適用された地域で契約者が被害を受けた場合、損害保険各社で継続契約手続きや保険料支払いで特別措置を実施すると発表した。財務省北陸財務局は6日に「令和5年石川県能登地方を震源とする地震による災害等に対する金融上の措置について」を発表し、被災者等に対し状況に応じ金融上の措置を適切に講ずるよう金融機関等に要請した。
損保協会は5日の発表の中で、被災者に向けて地震保険の契約の確認を呼び掛けるとともに、災害救助法が適用された地域で契約者が被害を受けた場合、各損保会社が火災保険、自動車保険、傷害保険などの各種損害保険(自賠責保険を除く)について継続契約手続きや保険料支払いを猶予する特別措置を実施すると発表。
継続契約の締結手続きの猶予では、災害救助法の適用日から2カ月後の末日(2023年7月末日)までに満期日が到来する継続契約の締結手続きについて23年7月末日まで猶予。保険料の払込猶予では、災害救助法の適用日から2カ月後の末日(23年7月末日)までに払い込むべき保険料の払込について23年7月末日まで猶予する。
損保各社は地震発生直後から対応を開始。
東京海上日動は5日夜に本店に災害対策本部を設置し、7日には損害サービス業務部の災害対策専門チームのメンバーが現地入りし対応している。8日午後6時時点、都内に顧客からの事故に関する照会等を受けるバックオフィスの設置も検討しており、被災地に加え現地でなくとも業務を行うことができるマルチロケーション対応等によって迅速な保険金支払いを進める。顧客からの連絡については電話に加えウェブでの受付も実施し、コールセンターでは増加する入電に対し人員を増強して対応していく予定。
損保ジャパンは地震発生後速やかに危機対策本部を設置し被害状況等の情報収集を開始。5日午後5時半時点で保険金支払体制および営業継続に関して問題がないことを確認するとともに、現地で被害に遭った顧客への対応として現地調査のための現地へのデポ設置に加え、金沢市に災害対策室の開設を予定している。
三井住友海上は5日、金沢市内に災害対策室を設置。迅速な立ち合い調査、支払いを進める。
あいおいニッセイ同和損保は地震発生直後から本社関連部および現地と連携し情報収集や対応方針の策定などの対応を開始。事故受付・保険金支払・立会等の体制では、8日時点、地震保険サービスセンター(新宿ビル・東京都渋谷区)で事故受付から保険金支払いまで集中対応している。石川県金沢市の同社金沢ビルに立会拠点を設置し6日に本社から拠点立ち上げ要員を派遣。8日から現地での立会調査を開始している。
JA共済連(全国共済農業協同組合連合会)は、被害状況の早期把握と今後の調査・損害査定に迅速に対応する観点から、地震発生直後に全国本部に柳井二三夫代表理事理事長を本部長とする災害対策本部を設置。共済契約関係被害状況の早期把握や損害調査、その他共済金支払上必要な事項に対応する。