2023.03.24 東京海上日動/コノキュー XR技術活用で戦略的包括業務提携、メタバースでの防災訓練など開発 メタバース空間専用保険も開発・提供
東京海上日動と㈱NTTコノキュー(東京都千代田区、丸山誠治代表取締役社長、以下、コノキュー)は2月27日、メタバースの安心・安全な活用およびXR技術を活用した社会課題解決への貢献を目指す戦略的包括業務提携を締結した。
XR(Extended Reality)とは仮想現実VR(Virtual Reality)、拡張現実AR(Augmented Reality)、複合現実MR(Mixed Reality)といった先端技術の総称。コノキューはNTTグループの技術力、R&Dなどを生かし、XR事業に特化して2022年10月に事業を開始した企業で、200人規模のデジタル人材を保有しているという。
メタバースが広く社会に普及し実装されていくために、安心・安全な利用環境の確立が求められる。また、メタバースの特徴を生かした社会課題への解決につながるサービスやソリューションの開発が求められている。そこで、NTTグループのXR事業の中核企業としてXR技術を用いたさまざまなサービスやソリューションの開発を進めてきたコノキューと、自然災害やサイバーリスクなどさまざまなリスクに対する商品・サービスの開発を進めてきた東京海上日動が、それぞれの強みやノウハウを生かし、XR技術を活用した社会課題解決につながるソリューション開発を進めるため、戦略的包括業務提携を締結した。リアルとバーチャル空間をつないだ「安心・安全な新しいコミュニケーション文化の創造」を推進するとしている。
業務提携では「つなぐ・紡ぐ」をコンセプトに、両社の特徴や強みを生かしながら、リアルとバーチャルの境界を越え、年齢・障がいの有無などに関わらず、誰もが安心してメタバースを利用し活躍できる世界を実現し、さまざまな社会課題解決に貢献することを目指す。
両社は、新たな領域へのチャレンジおよび業界を超えた共創を目指し、主に①メタバース専用コンテンツの共同開発②メタバース空間専用保険の開発・提供③メタバース空間におけるリスクおよびリスクマネジメントの研究―の取り組みを進める。
メタバース専用コンテンツの共同開発では、第一弾として、自然災害や事故の対応につながるコンテンツの開発・提供を目指す。具体的なコンテンツ例として、▽防災訓練(XR空間で自然災害を発生させることで、よりリアリティのある防災訓練を提供。時間や場所の制約がなく、より多くの人の参加を促すことで、防災意識を醸成)▽防災教育(体験型防災教育の提供。座学としての学びに加え、災害時の行動をXR空間で体験。ゲーム要素を加え、“いざ”という時の対応を学ぶ▽安心・安全教育(XR空間を通じた新しいコミュニケーションを安全に行うためのルールとマナーを学ぶ)―が示されている。
メタバース空間専用保険の開発・提供では、東京海上日動が、コノキューが今後展開していくメタバース空間において発生するリスクを対象にした専用保険を開発・提供する。具体例として、▽不測の事故によって、メタバースの出展事業者がユーザーに対して負う法律上の賠償損害や、イベントがキャンセルになった際にかかる費用を補償する保険の開発▽一般の利用者がメタバースの利用により現実世界で生じた自身のケガ、家具等の破損、他人等への賠償責任等をパッケージにした保険の開発―が示されている。
メタバース空間におけるリスクおよびリスクマネジメントの研究では、コノキューと東京海上日動が主体となり、メタバースに関わるリスク実態の調査や責任の在り方などを産学で研究し、ルール整備を進める。また、コノキューが実施していくメタバースイベント等へのリスクマネジメントの提供や、不正アクセス等の検知、トラブルの事前予測・アラート発報等、メタバース空間において発生しうるリスクへの対処につながる新たなサービス開発を進めるとしている。