2023.03.17 生保各社22年度第3四半期決算 新契約年換算保険料は17%増、経常利益は34%減と減益基調

生保協会集計による生保事業2022年度第3四半期決算によると、全社計の保険料等収入は28兆2871億円を計上、前年同期比20.0%増と大幅な伸びを示した。個人保険・個人年金保険計の新契約年換算保険料は同17.7%増の1兆6032億円で、上半期末の14.1%増からさらに伸びをみせている。一方、保険金等支払金も同30.7%増の29兆6206億円とコロナ影響等により増加しているが、増加率は上半期末を下回った。資産運用収益は同23.6%増の10兆4677億円、資産運用費用は同325.3%増の4兆4119億円、責任準備金等繰入額は同32.2%減の3兆2381億円、事業費は同5.9%増の3兆6442億円となり、第3四半期の経常利益は同34.4%減の1兆6765億円となった。(本日4~6面に生保協会会員各社の業績詳細を掲載)

日本生命グループの連結保険料等収入は、海外金利の上昇に伴うグループ各社の外貨建商品の販売増加などにより大幅に増収し、前年同期比14.6%増の4兆6110億円となった。このうち日本生命の保険料等収入は同4.3%増の3兆3276億円、大樹生命は同73.1%増の6752億円だった。基礎利益の合計は、同48.1%減の2943億円。日本生命は危険差益の減少(コロナ関連の支払増加等)や利差益の減少(ヘッジコストの増加等)により同1928億円減益(37.3%減)の3239億円、大樹生命は危険差益の減少(コロナ関連の支払増)により同165億円減益(60.7%減)の107億円だった。日本生命の新契約年換算保険料は同10.6%減の1651億円だったが、大樹生命は同45.6%増の267億円、ニッセイ・ウェルス生命は同29.0%増の895億円を示した。
かんぽ生命の連結保険料等収入は前年同期比9.3%減の1兆6698億円だった。保険金支払いで前期に引き続きコロナ関連の支払が増加した他、有価証券売却損の増加によりキャピタル損益も悪化。保有契約の減少等の影響もあり、四半期純利益は同36.2%減の762億円となったが、▽運用環境が好転したことによる資産運用収益の増加▽事業費の減少▽コロナ関連の保険金支払等の増加―などを要因として通期予想を160億円増額し、870億円に上方修正した。かんぽ生命の新契約年換算保険料は同44.4%増の496億円。基礎利益は同1763億円減益の1349億円。通期予想を「2200億円程度」から「1800億円程度」へと下方修正した。
明治安田生命グループの保険料等収入は、明治安田生命単体の外貨建一時払保険の販売量増加とスタンコープ社の増収等を主因に前年同期比38.4%増の2兆8688億円を示した。明治安田生命単体の保険料等収入は、同37.5%増の2兆4848億円。グループ基礎利益は、単体の利息及び配当金等収入の増加があったものの、コロナ関連の保険金等の支払い増加の影響を主因に同0.6%減の2859億円となった。明治安田生命単体の新契約年換算保険料は、外貨建一時払保険の販売量増加と、22年度に新たに発売した終身医療保険とがん終身保険の販売好調等により、同64.3%増の1279億円を示した。グループ基礎利益は同40.5%減の2286億円だった。
第一生命ホールディングスの連結保険料等収入は前年同期比34.4%増の5兆310億円となった。第一生命の保険料等収入は同3.5%増の1兆7236億円、第一フロンティア生命は同94.5%増の1兆9663億円、ネオファースト生命は同24.3%増の1668億円だった。新契約年換算保険料はグループ全体で同31.8%増の3000億円を示した。第一フロンティア生命が海外金利上昇で高まった外貨建商品の訴求力を背景に販売量を前期に続き拡大し同86.1%増の1623億円となり、第一生命は、第一フロンティア生命、ネオファースト生命の商品を含めた自社チャネルの合計販売量は増加した一方、自社商品の販売が低調に推移し、同38.3%減の358億円。ネオファースト生命は同19.2%減の86億円。グループ基礎利益は同40.5%減の2286億円で、そのうち第一生命は1509億円だった。
住友生命グループの保険料等収入は前年同期比11.2%増の1兆9749億円となった。グループの新契約年換算保険料は同42.8%増の2336億円で、住友生命が同13.9%増の857億円、メディケア生命が同13.5%減の131億円、海外事業のシメトラが同84.4%増の1347億円を計上した。グループ基礎利益は同30.8%減の1649億円で、うち住友生命は同36.8%減の1461億円。
ソニー生命の保険料等収入は一時払保険料の増加などによって前年同期比6.1%増の1兆818億円だった。新契約年換算保険料は同20.2%増の941億円で、基礎利益は同37.2%減の711億円。前年同期に特別損失として計上した一時的な損失の資金回収によって四半期純利益は同774.5%増の815億円となった。
メットライフ生命の保険料等収入は前年同期比56.1%増の2兆1418億円を示した。保険料等収入のうち、保険料は同45.3%増の1兆7419億円。新契約年換算保険料は同44.7%増の1009億円で、基礎利益は同16.9%減の1292億円。四半期純利益は同71.5%増の1903億円となった。
アフラックの保険料等収入は前年同期比2.3%減の9684億円だった。新契約年換算保険料は同4.5%増の382億円。基礎利益は同3.8%増の2735億円となった。四半期純利益は同11.5%増の2117億円を計上した。
プルデンシャル・グループの生保会社3社(プルデンシャル生命、ジブラルタ生命、PGF生命)の連結保険料等収入は前年同期比42.1%増の2兆4021億円だった。3社合算の基礎利益は同26.2%増の1636億円で、同新契約年換算保険料は同11.3%増の1018億円だった。連結の四半期純利益は同33.3%減の583億円。プルデンシャル生命の保険料等収入は同37.1%増の1兆344億円、新契約年換算保険料は同0.7%減の470億円で、基礎利益は同40.9%減の199億円だった。ジブラルタ生命の保険料等収入は同15.0%減の6470億円、新契約年換算保険料は同25.6%減の261億円(PGF生命商品販売分を含む場合は同29.3%増の461億円)、基礎利益は同39.1%増の1218億円だった。PGF生命の保険料等収入は同213.4%増の9647億円、新契約年換算保険料は同219.5%増の286億円、基礎利益は同163.8%増の218億円を示した。
アクサ生命の保険料等収入は前年同期比11.1%増の5994億円だった。新契約年換算保険料は同6.8%増の650億円で、基礎利益は同45.0%減の300億円となった。四半期純利益は同51.8%減の151億円。
T&D保険グループの中核生保3社(太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命)合算の保険料等収入は前年同期比22.6%増の1兆6265億円で、合算の新契約年換算保険料は同25.9%増の1181億円だった。同基礎利益は同45.4%減の697億円。グループの四半期純利益はコロナ関連の支払増加、フォーティテュード社の会計上の一時的な評価性損失等により同2229億円減益の▲1675億円となった。太陽生命の保険料等収入は同2.9%減の4506億円で、新契約年換算保険料は同2.4%増の259億円だった。基礎利益は同62.4%減の123億円。大同生命の保険料等収入は同0.4%増の5981億円で、新契約年換算保険料は同8.4%増の524億円だった。基礎利益は同44.0%減の547億円。T&Dフィナンシャル生命の保険料等収入は同116.8%増の5776億円で、新契約年換算保険料は同97.8%増の397億円。基礎利益は同55億円増の26億円だった。
フコク生命グループ(富国生命、フコクしんらい生命)合算の保険料等収入は前年同期比19.3%増の5695億円だった。合算の新契約年換算保険料は同21.3%増の212億円。合算の基礎利益は同59.0%減の199億円となった。このうち富国生命の保険料等収入は同10.8%増の4055億円で、新契約年換算保険料は同2.1%増の104億円だった。基礎利益は同60.6%減の196億円。
朝日生命と連結子会社のなないろ生命との合算の保険料等収入は前年同期比6.1%増の3108億円で、同新契約年換算保険料は同23.7%増の258億円、同基礎利益は同82.5%減の46億円だった。朝日生命単体の保険料等収入は同2.0%減の2832億円で、基礎利益は同66.1%減の97億円だった。