三井住友カード㈱（東京都江東区、大西幸彦代表取締役社長）は１０月１３日、１１月からデジタルとリアルを融合した保険サービスの提供を開始すると発表した。保険申込や契約内容の確認ができる「保険ポータルサイト」を新設すると同時に、セミナーへの参加やファイナンシャルプランナーに直接相談できる体制を構築し、デジタル・リアル双方のニーズに応える。参加する事業者は、ライフネット生命、メディケア生命、三井住友海上、ＦＰパートナー（マネードクター）、いずみライフデザイナーズ（ほけん百花）―の５社。三井住友海上は、１１月１日から同ポータルサイト会員向けに「Ｖポイントが貯まる保険」の提供を開始したが、保険料に応じてポイントを付与する保険は同社としては初となる。

三井住友カードの「保険ポータルサイト」では、会員向けＶｐａｓｓアプリを起点に、デジタルとリアルを融合させたサービスを展開する。「デジタル」で完結するサービスとして、①カード付帯保険「選べる無料保険」の無料選択②生命保険・損害保険の申し込み③加入履歴の確認や諸手続き―があり、「リアル」のサービスとして、「保険の無料相談」がある。
カード付帯保険「選べる無料保険」のプラン選択では、▽旅行安心プラン（海外・国内旅行傷害保険）▽日常生活安心プラン（個人賠償責任保険）▽持ち物安心プラン（携行品損害保険）▽ケガ安心プラン（入院保険〈交通事故限定〉）から選択できる。引受保険会社は三井住友海上。このサービスは本年４月から開始されているが、今回の「保険ポータルサイト」で従来より簡単に選択できるようになった。また、同ポータルサイトを通じて、スマートフォン等から海外旅行傷害保険の付保証明書をダウンロード可能になった。
有料の生命保険・損害保険の申し込みも、同ポータルサイトを通じて簡単にできる。
生命保険では、メディケア生命の「新メディフィットＡ」（医療終身保険（無解約返戻金型）（２０））を提供、その他の商品も順次取扱拡大予定としている。
損害保険では、三井住友海上が、月額１４０円から申し込み可能な損害保険「Ｖポイントが貯まる保険」を提供する。同保険は、無料の付帯保険「選べる無料保険」の補償を充実させるプランや、さまざまなライフスタイルに合わせたプランをラインアップ。クレジットカードで保険料を支払うことで保険料に応じたＶポイントを貯めることができる。
具体的な商品には、▽「ケガ安心」（ケガに備える）▽「持ち物安心」（外出時の携行品やレンタル品等の破損や盗難に備える）▽「日常生活賠償安心」（他人をケガさせたり他人の物を壊したりしたときの法律上の損害賠償責任に備える）▽「自転車安心」（自転車でのケガや、第三者への法律上の損害賠償責任に備える）▽「ゴルフ安心」（ゴルフプレー中のケガやゴルフ用品の損害、第三者への法律上の損害賠償を補償）▽「スキー・スノボ安心」（ケガや携行品の損害、第三者への法律上の損害賠償責任、遭難時の救援費用を補償）▽「アウトドア安心」（ケガ〈含む、熱中症〉や携行品の損害、第三者への法律上の損害賠償責任、遭難時の救援費用を補償）―のラインアップがある。
Ｖポイント付与については、「Ｖポイントが貯まる保険」に申し込み、保険料を支払うことで、毎月のカードの利用で貯まるポイント２００円（税込）につき１ポイント（０．５％）に加えて、さらに保険料の１．０％を上乗せし、合計で保険料の１．５％のＶポイントを付与する。
同ポータルサイトの「リアル」のサービスである「保険の無料相談」は、オンラインでの保険申し込みで不安がある場合などに専門家への無料相談サービスが利用できるというもの。マネードクターとほけん百花が対応する。
マネードクターは、ＦＰパートナーが運営するブランドで、お金のプロであるファイナンシャルプランナーが、顧客にオーダーメードのライフプランの作成をサポート。
ほけん百花は、全国８８店舗（１０月現在）の来店型保険ショップを運営する住友生命１００％出資のいずみライフデザイナーズが運営するブランドで、スタッフの多くが女性で女性一人でも入りやすい店づくりを心掛けていることが特徴。
三井住友カードでは２０２０年７月にＳＢＩ証券と個人向け資産運用サービスにおける業務提携を行い、クレジットカードで投資信託が買える投信積立サービス「三井住友カードつみたて投資」を開始した。同サービスは、２１年６月３０日のサービス開始から積立設定金額が１２０億円を突破、口座数も３５万件超となるなど、多くの顧客から評価されている。
今回、従来の資産運用ビジネスに加えて、新たに顧客の豊かなライフステージに必要不可欠な生命保険、損害保険をより適切なタイミングで、より必要な内容で提案できるよう保険ビジネスを本格化するとしている（上図参照）。近年のデジタル化を踏まえ、Ｖｐａｓｓアプリを活用したデジタルとリアルをシームレスに融合した保険サービスを提供することによって、顧客のライフイベントをサポートする。
なお、「保険ポータルサイト」は、㈱ＮＴＴデータ、ＩｎｓｕｒｅＭＯ（東京都港区）が提供する保険デジタルサービスプラットフォーム「ＩｎｓｕｒｅＭＯ」を活用したもの。