2022.11.09 損保保険料控除証明書発行共同システム 機能改善実施しスタート、5社が新たに加わり参加11社に
損保会社11社(後掲)、損保協会、およびトッパン・フォームズ㈱は10月17日、昨年10月に構築し運用を開始した「保険料控除証明書発行サービス」(以下、本共同システム)について、機能改善を実施した上で、同日から本年度の年末調整および確定申告に向けたサービス提供を開始したと発表した。AIG損保、SBI損保、セコム損保、セゾン自動車火災、ソニー損保の5社が新たに本共同システムに参加した。
「保険料控除証明書発行サービス」は、参加保険会社が提供している地震保険および傷害・疾病・介護保険などの第三分野保険で保険料控除証明書の発行業務を一元化するシステムで、2021年度から運用を開始している。対象となる契約に加入している契約者は、契約が複数の参加保険会社にわたる場合でも本共同システム内で保険料控除証明書をハガキと電子データのどちらでも受け取ることが可能となるほか、マイナポータル(マイナンバーカードを利用することで各種行政手続きをオンラインで行うことができる)上でのデータ取得が可能となる。
本年度は、①官民連携クラウドサービスへの自動連携による利便性の向上②セキュリティ強化―の2点の機能改善も実施した。
野村総合研究所が提供している官民連携クラウドサービス(e―私書箱)への自動連携については、前年度に本共同システムを介したe―私書箱の利用実績がある場合、次年度分の電子データを自動連携する。これにより、以降は電子データの取得申請をすることなく、マイナポータル上でのデータ取得が可能となる。
また、セキュリティ強化については、本共同システムを利用するのに必要なIDを新規登録する際、21年度は本人確認のためにハガキを使用していたが、本年度からは、保険契約に携帯電話番号が登録されている場合は、SMS認証で本人確認を行うようにした。ログイン時や電子データのダウンロード時に、登録のメールアドレス宛てに通知メールが送信されるようになる。
保険料控除証明書の電子化によるペーパーレス化の推進は、契約者の利便性の向上、年末調整の実務に携わる企業担当者の業務量の低減等、手続きの電子化による社会コストの低減や、環境負荷軽減にも寄与するものとされる。
社会全体のペーパーレス化の推進には、保険料控除証明書の発行主体である損保会社の対応だけでなく、電子化に対応した社会環境の整備も必要で、参加保険会社、損保協会およびトッパン・フォームズでは、今後も顧客のさらなる利便性向上と損保業界・社会全体の効率化を目指し、本共同システムの普及と活用の促進、ならびに電子化に対応した社会環境の整備に努めるとしている。
本共同システムに参加する損保会社は、あいおいニッセイ同和損保、AIG損保、SBI損保、共栄火災、セコム損保、セゾン自動車火災、ソニー損保、損保ジャパン、東京海上日動、日新火災、三井住友海上の11社(五十音順)。