2022.10.21 損保ジャパン 債権回収、育休、シェアリングに新補償、事業活動総合保険で3特約発売 アフターコロナのビジネス拡大を支援

損保ジャパンは10月14日から、中小企業向けの主力商品であるビジネスマスター・プラス(事業活動総合保険)で、業界初(同社による)となる三つの新商品「あんしん取引・マスター」「子育て介護応援特約」「シェアエコ特約」の販売を開始した。「あんしん取引・マスター」は、売上高と業種のみの申告で取引先の倒産リスク・入金遅延リスクを補償。「子育て介護応援特約」は、従業員が育児休業を取得した場合に企業が負担する諸費用を補償。「シェアエコ特約」は、シェアリングサービスを通じて土地や建物を貸し出した際のトラブル対応費用を補償する。同社では、ブランドスローガンに掲げる「Innovation for Wellbeing」に則した独自色のある商品の提供を通じ、保険本来の機能である「事故時の経済的損失の補償」にとどまらず、「従業員を大切に想う経営者の気持ちをカタチにする」「アフターコロナにおけるビジネス拡大に向けた企業の挑戦」をサポートし、顧客の抱える課題と社会課題の解決に積極的に貢献していくとしている。

損保ジャパンのビジネスマスター・プラスは、中小企業が抱えるさまざまなリスク(物損害・休業損失・賠償責任・労働災害など)を包括的に補償するパッケージ型商品で、必要な補償を自由に選択でき、補償の対象となる物件等の明細を不要とするなど、加入手続きを簡素化していることが特長となっている。
「あんしん取引・マスター」(商取引ユニット〈取引先倒産・入金遅延補償特約〉をセットしたビジネスマスター・プラスのペットネーム)は、取引先の倒産または1カ月以上の入金遅延により被保険者が被る損害を補償する。回収不能となった売掛債権を自己負担なく支払限度額の範囲内で100%補償する。売上高と業種のみの申告で加入でき、告知書などの提出は必要ない。すべての取引先を保険会社の審査不要で保険の対象とすることができる取り扱いは業界初だという。
新型コロナウイルス感染症の流行等により、取引先に対する売掛債権の回収不能による損害を補償する保険のニーズが高まっている一方、従来型の取引信用保険は告知書の提出や保険会社による審査が必要なため、加入までのハードルが高いという課題があった。同商品はこうした課題を踏まえて開発されたもので、売上高と業種のみの申告で取引先の倒産リスク・入金遅延リスクを補償する。同社では同商品の提供を通じて、中小企業の「従業員の与信管理業務時間の削減」「業態転換や取引先拡大のチャレンジ」に貢献するとしている。
「子育て介護応援特約」(正式名称:育児・疾病・介護休業費用補償特約)は、役員・従業員が出産、育児、介護、疾病等の事由により休業した場合に被保険者が負担する諸費用を補償する。休業した期間が連続して31日以上となる場合に保険金を支払う(ただし、従業員が産前産後休業、出生時育児休業、育児休業を取得した場合は、それらの休業の期間が合算して31日以上となれば保険金を支払う)。役員・従業員の出産に伴う休業や10月1日に施行された出生時育児休業(通称:産後パパ育休)も対象となり、同社によると本取り扱いは業界初とのこと。対象となる費用は社会保険料や代替人材確保のための求人・採用費用等で、付帯サービスとして役員・従業員の健康面をサポートする「こころとからだホットライン」サービスを無料で提供する。
今年4月から改正育児・介護休業法が施行され、また、10月からは「産後パパ育休(出生時育児休業)」が新設され、子が1歳になるまでの育児休業の分割取得が可能になるなど、中小企業でも育児休業を取得しやすい雇用環境の整備が求められている。育児休業の取得促進、仕事と家庭の両立支援に取り組むことは企業のイメージアップにつながる一方で、人手不足が課題の中小企業にとっては休業者の代替人材の確保は経営課題にもなる。同特約はこうした背景から開発したもので、育児休業だけでなく、役員・従業員本人または配偶者の出産による休業、親族の介護に伴う休業、疾病の療養のための休業も対象とすることで「役員・従業員の子育てや介護、療養を応援したい」という中小企業を支援し、改正育児・介護休業法への対応と人手不足の課題解決に貢献する。
「シェアエコ特約」(正式名称:シェアリングトラブル費用補償特約)は、シェアリングサービスを通じて遊休資産を貸し出した際にトラブルが発生した場合の訴訟費用や弁護士費用などの紛争解決にかかる費用を補償する。利用者の行為により偶然な事故が発生し、被保険者の営業が休止または阻害されたことによる損失が生じた場合に、被保険者が利用者に対して損害賠償請求を起こす際にかかる費用も補償する。同社によるとこうした補償の提供は業界初だという。
昨今シェアリングエコノミーの拡大が個人や社会に対して新たな価値を提供し、経済の活性化・生活の利便性向上に資することが期待されている。国内市場規模が拡大傾向にある一方で、企業が仲介事業を行っているケースはごくわずかにとどまっている。同特約はこうした課題を踏まえて開発した商品で、同社では同特約の提供を通じて、顧客の土地や建物を安心して有効活用してもらうことで、無駄のないより豊かな活気ある地域社会の実現を目指すとしている。