2022.08.10 東京海上日動 事業継続力強化計画策定支援を受託、1200事業者に対する個別支援を運営
東京海上日動は7月20日、(独)中小企業基盤整備機構(豊永厚志理事長、以下、中小機構)による「令和4年度中小企業強靱化のための事業計画策定支援に係る業務」を受託したと発表した。本事業の展開を通じて、全国の中小企業・小規模事業者の強靭化支援を行い、災害に強い地域づくりに貢献する。
近年、全国で豪雨や地震といった自然災害が頻発し激甚化している。また、新型コロナウイルス感染症のまん延等、企業の事業を取り巻くリスクは増大している。これらのリスクに対する適切な備えは企業にとって重要な経営課題だが、中でも、企業数の99%以上を占め、日本の経済を支える中小企業のリスクマネジメントは重要であり、2019年に施行された「中小企業強靭化法」では、初動対応から資金面での体制作り、平時の推進体制に至るまで、より実効性のある対策が求められている。その中で、事業者が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が「事業継続力強化計画」として認定する制度があり、簡易版BCPである「事業継続力強化計画」の認定を受けた事業者は、税制優遇や金融支援、補助金申請時の加点などの支援措置を受けることができるようになっている。
この制度を受け、中小機構が「事業継続力強化計画」の策定を希望する事業者に対して、防災・減災対策の知見を有する専門家による同計画の策定支援を開始することになったが、同機構による公募の結果、東京海上日動が、この支援事業の運営を受託した。23年3月までの受託契約となっている。
東京海上日動では、「『事業継続力強化計画』策定支援は、事業者がBCP策定に向けて一歩踏み出すきっかけとなる重要な取り組みと考えている」としており、本事業の展開を通じた「事前の対策(防災・減災)」の支援により、同社のパーパスである「お客様や地域社会の“いざ”を支え、お守りすること」を実践していきたいとしている。
本事業の「事業継続力強化計画の策定支援」では、中小機構からの受託契約に基づき、東京海上日動が、支援を希望する全国約1200社の事業者に対し「事業継続力強化計画」策定支援を行う。具体的には、中小機構特設サイトでの支援依頼を受け付け、対象者に対する事業継続力強化計画の意義、認定までの流れを説明することに始まり、ハザードマップに基づく被害想定の把握、初動対応の明確化などをサポートする。「初回面接」では、「計画策定の意義の説明」「リスク認識・被害想定の確認」「事前対策の確認」「推進体制の確認」等のメニューがあり、2回目以降で「計画策定における疑問点の解消」「計画の実行・見直し訓練の整理」「計画の完成」を支援し、そのうえで、認定に向けた申請支援をしていく。同社では全国各地の拠点網を活用し、顧客ニーズに合わせてオンライン・対面を併用しながら8月から事業者への支援展開を行う。
また、事業実施に伴う情宣活動として、事業者に対する個別の声がけの他、商工団体や地域金融機関等と連携した「セミナーの開催」や「広報物の作成・配布」を通じて、地域ごとに最適な広報活動を実施していく。凸版印刷㈱への再委託によって、全国規模の発信も行っていくとしている。
東京海上日動は本事業を通じて「中小企業の強靭化」や「災害に負けない地域づくり」の実現を中小機構と共に目指していくことで、中小企業の支援をより加速するとしており、今後も中小企業を取り巻くリスクの変化を捉え、事業継続や新たな挑戦・成長を後押しする新たな保険商品・サービスを開発・提供するとしている。