2022.07.28 損保ジャパン・SOMPOリスク 「SOMPO―ZELO」シリーズ始動、次世代エネルギーサプライチェーン構築を支援 第二弾で「水素輸送専用保険」開発
損保ジャパンとSOMPOリスクマネジメントは7月1日、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage、排出されたCO2をほかの気体から分離して集め、地中深くに貯留・圧入する取り組み)・CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage、分離・貯留したCO2を利用する取り組み)やアンモニア燃料船など周辺技術を含め、水素・アンモニアを始めとする次世代エネルギーのサプライチェーン構築を支援するリスクソリューションシリーズ「SOMPO―ZELO(ソンポゼロ)」の始動を発表した。併せて水素輸送向け専用保険を開発、同日から販売を開始した。水素輸送向け専用保険は国内初(同社調べ)。
2020年10月、政府は50年にカーボンニュートラルを目指すことを宣言した。同年12月25日に経済産業省が策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、「洋上風力・地熱・太陽光」「水素・燃料アンモニア」などの次世代エネルギーが重点分野として選定されており、CCS・CCUSやアンモニア燃料船をはじめ次世代エネルギーに関連した周辺技術の開発が期待されている。次世代エネルギーおよびこれらの周辺技術を社会実装し、安定的に利活用するためには、サプライチェーンにおける事故に保険で備えるだけではなく、リスクの低減・防止を図ることが必要となっている。
そこで、損保ジャパンとSOMPOリスクは次世代エネルギーに対するリスクソリューションとして「SOMPO―ZELO」シリーズを始動したとしている。
「SOMPO―ZELO」シリーズは、「水素・アンモニア、CCS・CCUSやアンモニア燃料船をはじめ、次世代エネルギーに関連した周辺技術等のカーボンニュートラルに必要な次世代のエネルギーサプライチェーンの社会実装を後押しする専用リスクソリューションシリーズ」がその概要で、「保険」と「リスクマネジメントコンサルティング」の開発・提供を進め、次世代エネルギーのサプライチェーンの実装と安定的な運用に貢献していくとしている。
「SOMPO―ZELO」の「ZELO」は「Zero carbon×Logistics」の略称で、「ネットゼロ(カーボンニュートラル)」「リスクゼロ」を目指し、「ゼロから設計した(=既成概念にとらわれず設計した)専用のリスクソリューション」を提供することで、次世代エネルギーのサプライチェーン構築および社会実装を支援したいという思いを込めているとのこと。
本年4月にリリースした「アンモニア輸送専用保険」とアンモニアを取り扱う施設のリスク調査サービス(保険毎日新聞5月6日付)を「SOMPO―ZELO」シリーズの第一弾として位置付けており、今回発売した「水素輸送専用保険」が同シリーズ第二弾となる。
「水素輸送専用保険」は、外航/内航貨物海上保険・運送保険が引受種目で、商社・エネルギー関連企業を契約者・被保険者、水素(H2)を対象貨物とし、保険の目的物の減少・異物混入など水素特有のリスクや第三者への法律上の賠償責任を広くカバーする。貨物の輸送量や輸送用具・輸送ルート等を考慮しオーダーメードで設計する。
損保ジャパンでは、「水素は、さまざまな資源から作ることができ、エネルギーとして利用しても二酸化炭素を排出しない。また、日本は、燃料電池分野での特許出願件数が世界一であるなど、水素エネルギーに関連する高い技術を持っている。こうした背景から、エネルギー分野においても水素利用に対する期待が高まり、30年の電源構成では水素・アンモニアで1%を目指すという目標が政府からも示されている。『SOMPO―ZELO』シリーズの一環として、水素の輸送における保険引受と事故対応の知見を生かし、同保険を開発した」としている。
損保ジャパンとSOMPOリスクは今後成長が見込まれるクリーンエネルギーの普及を促進することで、持続可能な社会の実現を目指し、SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」の取り組みに貢献する。また、今後も損保ジャパンはブランドスローガン「Innovation for Wellbeing」に則した独自色のある商品を開発し、顧客の課題および社会課題の解決を通じ、よりよい社会を実現していくとしている。