2022.03.11 損保ジャパン 保冷庫保管中薬剤の損傷等を補償、「薬剤(商品)補償制度」創設、日本薬剤師会の会員薬局対象
損保ジャパンは2月18日、公益社団法人日本薬剤師会(山本信夫会長、以下、日本薬剤師会)と、薬剤の物的損傷を幅広く補償する「薬剤(商品)補償制度」を創設し、会員薬局の薬剤在庫の損傷を補償する制度の提供を同月から開始したと発表した。
損保ジャパンと日本薬剤師会は、薬局経営を取り巻くリスクに対処するため、日本薬剤師会の会員を対象とする各種団体保険制度を運営している。超高齢社会の到来による高齢者施設の増加や在宅介護の増加などに伴い、現在、薬局には訪問服薬指導へのニーズが高まり、薬剤を薬局外へ持ち出す機会が増加しているという。また、薬局には冷凍・冷蔵保存が必要な薬剤もあり、温度設定ミスや停電などを原因として、保冷庫内の高価な薬剤を損傷させてしまうリスクもある。ところが、薬局外や保冷庫の事故による薬剤の損傷は、一般的な火災保険では補償されないことから、損保ジャパンでは薬局にとって真に必要な補償を検討し、それらを幅広く補償するものとして「薬剤(商品)補償制度」を創設した。
同制度の補償内容は、薬局内および配達中の薬剤(商品)に偶然な事故により損害が生じた場合に保険金を支払うというもの。火災、落雷、破裂・爆発などの偶然な事故の場合の保険金額は、契約時に設定した保険金額(100万円単位)で、患者宅等への配達中の事故の場合の保険金額は50万円、保冷庫の事故(補償対象は薬剤のみ)の場合の保険金額は100万円となっている。
保険の対象となるのは日本薬剤師会加入薬局の店舗内に保管中の薬剤(商品)で、契約者は日本薬剤師会、被保険者は日本薬剤師会正会員である「開設者」「法人代表者」「管理薬剤師」の登録がある薬局(または店舗販売業)となる。年間保険料は4800円(保険金額100万円)から。
同制度を創設するに当たって損保ジャパンでは、保冷庫に保管中の薬剤について保冷庫の温度設定ミスや自然災害等に起因した停電による保冷庫の機能停止を原因とした薬剤の損傷を補償する特約を新たに開発した。一般的な火災保険では補償されない保冷庫保管中の事故や店舗外に一時持ち出し中の事故を補償するなど、現職薬剤師の要望を踏まえた補償をパッケージ化し安価な制度としたことが特長となっている。
同制度は日本薬剤師会会員専用の保険制度で、加入対象となる薬局数は約5万3000店になるという。加入を希望する薬局は、対象会員に送付される加入の案内、または日本薬剤師会オフィシャルウェブサイトを見た上で、専用の払込取扱票でゆうちょ銀行または郵便局の窓口で保険料を振込むことで申込手続きをする。
SOMPOグループは、「“安心・安全・健康のテーマパーク”により、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会を実現する」というパーパスの実現を目指しており、損保ジャパンでは社会の安心・安全・健康に資する商品・サービスを提供することで、持続可能な社会の実現に取り組んでいる。日本薬剤師会と損保ジャパンは、今後も薬局経営の高度化・複雑化に対応した新たな商品・サービスを開発していくとしている。