2016.12.15 アイアル少短が「ヘルスケア応援団」発売へ

 アイアル少額短期保険(東京都中央区、安藤克行社長)では、開発を進めてきた健康改善で保険料を割り引く医療保険を「ヘルスケア応援団」の名称で来年早々発売する。同社では「健康診断結果の提供がなくても、医師や薬剤師が介在した検査結果でも保険料を割引できるように」とドラッグストアとの連携を決め、福岡県北九州市を中心として43店舗を展開する㈱サンキュードラッグの代理店登録が完了次第販売をスタートさせる。
 「ヘルスケア応援団」は、健康になればなるほど割引される医療保険で、七大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、高血圧性疾患、腎疾患、肝疾患)による入院・手術を保障する。1年ごとに見直す保険で、四つの健康指標(BMI、血圧、血糖値、コレステロール)の数値が基準内であれば最大30%割引となる。
 従来の割引制度(健康優良体割引や非喫煙者割引)は、保険加入時の健康状態のみで判定されているが、同商品は保険加入時だけでなく毎年見直しされるのが大きな特徴。また、測定した数値をマイページで管理することで日々の健康をサポートする。
 同商品への加入には、健康指標の「確認資料」の提出が必要。「確認資料」とは、健康診断、人間ドック、血液検査などの結果通知書で、氏名、生年月日、性別、測定日が記載され、1年以内に測定されたもの。身長、体重、血圧については、「健康管理支援サービス」を通して取得したデータ(数値)で確認できた場合には確認資料の提出は不要。割引を実現するためのポイント(課題)は、「本当に本人の数値かどうか」「数値の改善が健康につながることが実証されているかどうか」だが、同社では、健康診断以外の「産業医が測定する体重や血圧」「薬剤師の面前での自己採血キットによる測定」などの数値も採用していく方針だ。
 商品の開発は、2014年に経済産業省の「健康寿命延伸産業創出推進事業」に採択されたことで検証事業としてスタートした。15年2月に同事業が終了し、同年3月には同省主催の「ヘルスケア産業最前線」で取り組み結果を発表。今年になって、商品申請と商品登録が完了した。
 同商品は、南アフリカ、ディスカバリー社の「バイタリティプログラム」を参考にしており「健康状態の継続的な告知」→「『保険料割引』というインセンティブ付与」→「健康への関心向上(意識改革)」→「生活習慣の改善(行動変容)」という好循環を生むことができる。
 安藤社長は「毎年見直す医療保険は、契約期間が1年間である少額短期保険との相性がよい。認可制である保険商品と違い、少短商品の審査は『登録制』であるという点でも商品の開発がしやすい。特定マーケット向けの専用商品として位置付けることも可能」と少額短期保険との親和性の高さに言及。まずはサンキュードラッグで顧客の健康指標管理を行う仕組みを構築し、同チェーン店のみを代理店とした限定販売を模索したが、より対象を広げるために、来年からは健診結果などの提出による申し込みも可能にする予定だ。
 安藤社長は「保険料を割り引くための数値については、歯の残存数、歩数、睡眠時間なども取り入れられるのではないか。商品開発における登録制という少短の強みを生かして、市場ニーズにできるだけ近い商品を開発していきたい」と今後も見据えている。