2021.08.19 MS&ADHD 21年度第1四半期決算 修正利益は過去最高の1444億円
MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADHD)が8月6日に発表した2021年度第1四半期決算によると、連結正味収入保険料は国内損保主要2社、海外保険子会社ともに増収となり前年同期比4.0%(377億円)増収の9812億円となった。連結生命保険料は同66.7%増の831億円。国内生保2社のグロス収入保険料は同58.9%増の3163億円を計上した。海外子会社の正味収入保険料は同5.4%増の2597億円だった。連結経常収益は前年同期比16.3%減の1兆2982億円。経常利益は同50.0%増の1651億円。四半期純利益は国内損保主要2社はほぼ前期並みだったが、海外保険子会社が新型コロナ影響の剥落から大幅な増益となり、国内生保2社も増益となったことから同22.8%増の1187億円を計上した。進捗率は51.6%。グループ修正利益は同624億円増益の1444億円で過去最高益となった。進捗率は48.1%。
国内損保主要2社(三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保)の業績では、正味収入保険料は、自賠責が料率引き下げによる減収となったものの、国内の販売好調や海外からの受再増により2社合計で前年同期比3.6%(247億円)増収の7125億円となった。火災は、出再保険料の増加があったものの、21年1月のレートアップ効果などにより増収。自動車は、20年1月の料率改定効果を取り込んだことに加え、単価アップに向けた各種施策の効果により保険料単価が上昇したことを主因に増収。新種は、中小企業向けパッケージ商品やニューリスク分野などで販売好調が続いていることにより増収している。
三井住友海上の正味収入保険料を種目別に見ると、火災が前年同期比12.7%増の430億円、海上が同8.4%増の153億円、傷害が同1.5%増の414億円、自動車が同1.4%増の1738億円、自賠責が同11.2%減の360億円、その他が同13.0%増の792億円で合計は同3.6%増の3890億円となった。正味支払保険金は同1.5%減の1985億円、正味損害率は同2.8ポイント低下し57.0%、正味事業費率は同0.2ポイント上昇し34.1%となった。コンバインド・レシオは同2.6ポイント低下し91.1%。なお、家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同4.1ポイント上昇し54.1%。
あいおいニッセイ同和損保の種目別正味収入保険料は、火災が同6.4%増の404億円、海上が同15.0%減の15億円、傷害が同4.8%増の166億円、自動車が同4.1%増の1917億円、自賠責が同7.1%減の336億円、その他が同8.9%増の392億円で合計は同3.6%増の3234億円となった。正味支払保険金は同5.9%増加して1693億円、正味損害率は同1.6ポイント上昇し58.5%、正味事業費率は同0.4ポイント上昇し35.7%、コンバインド・レシオは同2.0ポイント上昇し94.2%となった。なお、家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同4.4ポイント上昇して54.8%。
国内損保主要2社の保険引受利益は、アーンド保険料は増加したものの、新型コロナ影響で前年同期に大きく減少していた自動車や火災のインカードロスの増加などにより前年同期比238億円減益の567億円となった。このうち三井住友海上は同128億円減益の361億円、あいおいニッセイ同和損保は同110億円減益の205億円。なお、2社合計の保険引受利益(異常危険準備金反映前)は、42億円減益の796億円で、このうち三井住友海上は同15億円増益の504億円、あいおいニッセイ同和損保は同57億円減益の291億円だった。
2社の資産運用・その他収支は、子会社からの配当を含む利配収入の増加と有価証券売却益の増加などから、合計で同192億円増の662億円だった。このうち三井住友海上は同125億円増の469億円、あいおいニッセイ同和損保は同67億円増の192億円。
2社合計の経常利益は、同46億円減益の1229億円を計上。このうち三井住友海上は同3億円減益の831億円、あいおいニッセイ同和損保は同43億円減益の398億円。2社合計の四半期純利益は、同27億円減益の908億円。このうち三井住友海上は同11億円増益の637億円で、あいおいニッセイ同和損保は同38億円減益の270億円。
ソルベンシー・マージン比率は、三井住友海上が前期末比9.1ポイント上昇して755.6%、あいおいニッセイ同和損保が同9.2ポイント上昇して800.1%となった。
国内生保子会社(三井住友海上あいおい生命、三井住友海上プライマリー生命)は、新型コロナ影響が剥落し販売が大きく回復。三井住友海上あいおい生命の新契約高は前年同期比41.9%増、三井住友海上プライマリー生命のグロス収入保険料も同150.7%増と大幅増収となった。四半期純利益も2社計で同111億円の増益。
三井住友海上あいおい生命の保険料等収入は前年同期比10億円減の1194億円となった。新契約高(個人合計)は前年同期の新型コロナ影響の反動により同41.9%増の4732億円。新契約年換算保険料は同34.7%増の63億円だった。保有契約高(個人合計)は期首比0.2%減の24兆2112億円。保有契約年換算保険料は同0.3%減の4464億円だった。経常利益は前年同期比31.3%増の102億円、基礎利益は同42.1%増の90億円を計上。四半期純利益は、保有契約の経過・解約等に伴う責任準備金繰入負担の減少や代理店手数料の減少などにより同16億円、34.1%増の65億円だった。
三井住友海上プライマリー生命の保険料等収入は前年同期比1115億円増収の2205億円。新型コロナの感染拡大は続いているものの、前年同期にあった金融機関代理店の預かり資産ビジネス自粛の影響はほとんどなく、グロス収入保険料は同150.7%増の1969億円。新契約高(個人合計)は同149.8%増の1980億円、保有契約高(個人合計)は期首比1.0%減の6兆5279億円。経常利益は前年同期比142.4%増の209億円、四半期純利益は市場環境の変動により責任準備金繰入負担が減少したことを主因に同95億円、170.8%増益の150億円となった。
ソルベンシー・マージン比率は、三井住友海上あいおい生命が前期末比21.9ポイント上昇して1461.4%、三井住友海上プライマリー生命が同69.6ポイント上昇して1124.4%となった。
海外保険子会社の業績は、正味収入保険料は引受厳選による減収等もあったものの料率引上げや為替影響等により前年同期比132億円、5.4%増の2597億円。四半期純利益は、欧州(MSアムリン)、海外生保の増益(前期の新型コロナ関連ロスや資産運用損失の反動等)により収益が改善し同348億円増益の88億円となった。