2021.04.21 三井住友海上 サービス一体型「DXvalueシリーズ」展開
三井住友海上は3月30日、経済的損失に備える保険本来の機能に加え、事故・災害を“未然に防ぐ”機能や事故・災害の“影響を減らし回復を支援する”機能を持つサービス一体型商品を保険の提供価値変革を実現する「コア商品」と位置付け、「DXvalueシリーズ」の名称で商品ラインアップを拡充していくと発表した。既存商品の中で、ドライブレコーダーを活用した2019年1月発売の「見守るクルマの保険(ドラレコ型)」と20年1月発売の「F―ドラ」を「DXvalueシリーズ」の第1弾商品、今年4月から引受けを開始した健康管理アプリを活用した「健康経営支援保険」を第2弾商品と位置付けるとともに、シリーズ第3弾商品として4月から新たに「見守るサイバー保険」のトライアル販売を開始した。
4月からトライアル販売を開始した「見守るサイバー保険」は、サイバー事故による損害を補償する事業者向け保険「サイバープロテクター」に、セキュリティーソフト「防検サイバー」(注)を活用したサービスを一体化した商品。「防検サイバー」は、脅威の侵入を素早く検知し被害を最小限に止める「次世代エンドポイントセキュリティ(EDR)」と24時間365日の監視サービスを提供する「管理セキュリティサービス」をパッケージにしたもので、サイバー攻撃を検知して事故を“未然に防ぐ”機能と、ウイルス感染した場合も速やかな防御対応により事故の“影響を減らし回復を支援”するサービスを提供する。「見守るサイバー保険」は、「サイバープロテクター」の保険金支払時の公表要件(公的機関への届出やメディア媒体での社告・会見等、事故発生を客観的に明らかにするための要件)に、「防検サイバー」による不正アクセス検知を追加することで迅速な初動対応を可能とし、サイバー攻撃の脅威から顧客を守る事故防止のためのサービスと、被害を最小化する保険とを一体化させている。トライアル販売の後は、21年度下期をめどに本格展開を予定しているという。
三井住友海上ではこれまで、MS&ADインシュアランスグループの価値創造ストーリーに則して、「社会価値創造型商品・サービス」の開発を進めてきた。サービス一体型商品「DXvalueシリーズ」では、この考え方を進化させ、事故・災害を“未然に防ぐ”機能や事故・災害の“影響を減らし回復を支援する”機能を持つサービスを提供し、保険本来の機能を超えた新たな価値を届けることを目指す。シリーズの名称には、“デジタルトランスフォーメーション(DX)を活用した新たな価値提供”の意味が込められているという。
今回の新商品シリーズ展開の背景については、「経済的損失に備える保険本来の機能である『補償』では、これまでもさまざまな切り口で商品開発を進め、お客さまに安心と安全を提供してきた。今後は、保険本来の機能だけではなく、保険がお客さまに提供できる価値とは何かを見直し、再定義していく必要があると考えている」としており、「他業態企業との協業・共創の一般化やデータやデジタル技術の飛躍的な発展により保険本来の機能を超えた商品・サービスの提供が可能になっていることから、商品戦略の柱として「DXvalueシリーズ」を展開することにした」としている。今後、事故・災害を“未然に防ぐ”機能や事故・災害の“影響を減らし回復を支援する”機能を持つ同シリーズの商品・サービス開発を積極的に進め、損害保険事業をさらに成長させることで、安心・安全な社会の実現に貢献することを目指すとしている。
(注)MS&ADインターリスク総研の開発。