2020.11.25 ■MS&ADHD 20年度第2四半期決算、中間純利益は特殊要因で40%減[2020年11月19日]
MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADHD)が11月19日に発表した2020年度第2四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比4.3%減の2兆7344億円となった。損保子会社の連結正味収入保険料は、海外子会社における減収、為替影響等を主因に同3.0%減の1兆8690億円となった。一方、生保子会社の生命保険料は同89.8%減の566億円と大幅に減少した。連結経常利益は同6.7%増の1155億円。連結中間純利益は、①前中間期の海外事業の組織再編に伴う影響の反動(三井住友海上)で▲652億円②再保険コストの通期での平準化(三井住友海上・あいおいニッセイ同和損保)で▲227億円③連結納税制度導入に伴う一時的な税負担減少で+196億円―以上の特殊要因計▲682億円により前期比40.9%減の966億円(進捗率69%)となった。特殊要因を除くと13億円の増益だった。新型コロナウイルスの影響では、同ウイルスに起因するインカードロスが海外を中心に増加し、446億円の保険金支払いが発生した。20年度業績予想では、損保の正味収入保険料は年初予想を600億円上回る3兆4600億円、当期純利益は年初予想を100億円上回る1400億円を見込んでいる。グループ修正利益は年初予想を300億円上回る2100億円と予想した。
国内損保主要2社の業績で、保険引受利益は三井住友海上が前年同期比2億円増益の228億円、あいおいニッセイ同和損保が同39億円減益の▲119億円となり、2社合計では同37億円減益の108億円となった。ただし、再保険コスト平準化による特殊要因の影響を除けば、事業費の増加や火災保険・新種保険のロスが増加したものの、自動車保険のロスが大幅に減少したことなどにより277億円増益の423億円となる。異常危険準備金反映前の2社合計の保険引受利益は718億円だった。
[QQ]正味収入保険料は、2社合計で同18億円減の1兆4583億円。火災・自動車等で増収したものの、自賠責保険で4月の料率改定や新車販売台数・車検台数の減少の影響により減収となった。
[QQ]三井住友海上の正味収入保険料を種目別に見ると、火災が同10.8%増の1270億円、自動車が同1.3%増の3414億円、その他が同3.3%増の1526億円と前年実績を上回ったが、海上が同15.8%減の269億円、傷害が同0.5%減の765億円、自賠責が同14.1%減の816億円となり、合計は同0.3%増の8061億円となった。除く家計地震・自賠責ベースでは、同2.3%増の7244億円。
正味支払保険金は同2.1%減の3958億円、家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同1.2ポイント下がり、58.5%、正味事業費率は同1.1ポイント上昇し、31.5%となった。コンバインド・レシオは同0.1ポイント上昇し86.4%。
あいおいニッセイ同和損保の種目別正味収入保険料は、火災が同1.5%増の1100億円、傷害が同1.3%増の300億円、自動車が同1.7%増の3641億円と前年実績を上回ったが、海上が同6.7%減の39億円、自賠責が同12.8%減の735億円、その他が同2.4%減の703億円となり、合計は同0.7%減の6521億円となった。除く家計地震・自賠責ベースでは、同1.1%増の5785億円。
正味支払保険金は同2.6%減少して3214億円、家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同1.2ポイント上昇して59.8%、正味事業費率は同0.4ポイント上昇の34.0%、コンバインド・レシオは同0.1ポイント下がって88.7%となった。
国内損保主要2社の資産運用・その他収支は、利配収入が前年同期より減少したものの、有価証券売却益の増加や有価証券評価損の減少などにより前期比14億円増の714億円となった。
2社合計の経常利益は同22億円減益の823億円で、このうち三井住友海上は同46億円増益の735億円、あいおいニッセイ同和損保は同69億円減益の87億円。
2社合計の中間純利益は614億円を計上、同422億円の減益となった。このうち三井住友海上は同364億円減益の561億円、あいおいニッセイ同和損保は同57億円減益の52億円だった。
ソルベンシー・マージン比率は、三井住友海上が前年度末比21.0ポイント上昇して722.3%、あいおいニッセイ同和損保が同47.5ポイント上昇して749.8%となった。
国内生保子会社のグロス収入保険料は合計で前年同期比26.2%減の5410億円。
三井住友海上あいおい生命の新契約高(個人合計)は、新型コロナの影響等を主因に同22.0%減少し8304億円。ただし、第1四半期(同34%減)に比べて減少割合は縮小している。新契約年換算保険料は同15.6%減の123億円だった。このうち第三分野は同32.5%減の69億円。保有契約高(個人合計)は期首とほぼ同じ24兆3545億円。保有契約年換算保険料は機首比0.1%減の4475億円で、このうち第三分野は同2.8%増の1419億円。保険料(グロス収入保険料)は、前年同期比1.9%減の2531億円だった。経常利益は同44.9%増の140億円、中間純利益は責任準備金繰入負担の減少などにより36億円増益の88億円を計上した。
三井住友海上プライマリー生命の新契約高(個人合計)は同39.9%減の2883億円、保有契約高(個人合計)は期首比3.5%増の6兆7427億円だった。保険料(グロス収入保険料)は、新型コロナの影響等を主因に前年同期比39.4%減の2879億円。経常利益は同1860.6%増の392億円。中間純利益は円安局面において運用目標値に達した契約の発生に伴う債券売却益や代理店手数料負担の減少などにより、同134.7%増の266億円となった。
海外保険子会社の業績は、正味収入保険料が前年同期比12.3%減の3926億円で、為替影響(▲207億円)やMS Amlinの収支改善に向けた取り組みなどにより減収となった。中間純利益は同138.0%減の▲114億円。欧州が新型コロナに起因するロスを主因に▲349億円、海外生保が▲118億円の減益となったことなどによる。
国内・国外損保の新型コロナウイルスによる正味発生保険金の状況については、合計で446億円だが、内訳は三井住友海上が33億円、あいおいニッセイ同和損保が33億円、海外子会社全体では376億円で、うちMSアムリンが368億円だった。