2020.08.12 ■あいおいニッセイ同和損保 自動運転を保険料に反映、自動運転中の運転分保険料無料化[2020年7月30日]
あいおいニッセイ同和損保は7月30日、東京都渋谷区の同社本社で記者説明会を開催し、自動運転車の安全性を保険料に反映するテレマティクス自動車保険を10月から販売すると発表した。「自動運転モード」で走行中の運転分保険料を無料とするもので、こうした仕組みの自動車保険は国内初。同社自動車保険部・テレマティクス開発グループ長の梅田傑氏は「自動運転技術の安全性を保険料に反映することで自動運転車の普及と活用促進を後押ししていきたい」とその狙いを説明した。
近年、「CASE」や「MaaS」を中心とした新たな技術革新が加速している。中でも自動運転については、安全性向上による事故の減少や運転負荷の軽減、交通渋滞の緩和に加え、超高齢社会における高齢者の運転寿命延伸の効果も期待され、自動車メーカーをはじめ、さまざまな企業が技術の研究開発に取り組んでいる。
同社では18年4月にコネクティッドカーを対象とする「タフ・つながるクルマの保険」、20年1月に通信機能付きドライブレコーダー端末による「タフ・見守るクルマの保険プラス」という国内初の運転挙動保険料反映型テレマティクス自動車保険を発売してきた。
第3段となる今回は「タフ・つながるクルマの保険」において、自動運転走行中の運転分保険料を無料とする「自動運転対応テレマティクス自動車保険」を開発した。商品は10月(21年1月以降保険始期契約分)より提供を開始する。
「タフ・つながるクルマの保険」の保険料は、走行距離や運転特性に関係のない「基本保険料」と、毎月の走行距離と運転特性に応じて変動する「運転分保険料」で構成されている。また、毎月の走行距離と運転特性に応じて保険料割引を適用している。
例えば、同社の定める契約条件で、年間走行距離1万2000キロメートル・自動運転なしで基本保険料9万7200円、運転分保険料1万8840円のところ、自動運転モード利用が6000キロメートルの場合で自動運転モードによる保険料割引を適用すると、運転分保険料は9360円となり、9480円の割引となることが示されている。
同社では、コネクティッドカーから取得する走行情報を基に、「自動運転モード」の利用状況を正確に把握することができることに着目し、「自動運転モード」利用時の運転分保険料を無料とする取り扱いを実現した。具体的には、システムが運転主体となる「自動運転レベル3」以上の自動運転モードの走行を無料化の対象としている。
この仕組みについて、同社では、ビジネスモデル特許を申請中だと説明した。
これまでにも、テレマティクス自動車保険を通じて契約者を安全運転に導くことで、一般契約に比べて事故頻度が約2割低減していることや、テレマティクスデータを活用した高度な損害サービスを提供していることを紹介した梅田氏は、「テレマティクス自動車保険で培ったデータ分析の技術や安全運転のメカニズムを解析するノウハウを活用することで、CASEやMaaSに対応した新たな商品を開発し、“事故の無い安全・安心なモビリティ社会”の実現に貢献していきたい」と今後の展開に意欲を見せた。