2019.11.26 MS&ADHD 20年3月期第2四半期決算、グループ純利益大幅増加

MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADHD)が11月19日に発表した2020年3月期第2四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比3.6%減の2兆8564億円となった。海外保険子会社が為替影響を主因に減収となったものの、損保子会社の連結正味収入保険料は同2.7%増の1兆9268億円を計上し引き続き好調。一方、生保子会社の生命保険料は同15.5%減の5554億円にとどまった。連結経常利益は同43.8%増の1082億円。連結中間純利益は同253.2%増の1635億円を示した。これは前年同期比1172億円の増益で、このうち国内損保会社が、同626億円の増益で海外保険会社も、同146億円の増益となった。2019年度業績予想では、損保の正味収入保険料は、年初予想とほぼ同水準の3兆5250億円を見込み、当期純利益も年初と変わらず2000億円を見込んでいる。グループ修正利益は、国内自然災害負担増加による負担増を主因に年初予想比▲430億円の2200億円と予想。

国内損保主要2社の業績で、保険引受利益は三井住友海上が前年同期比389億円増益の226億円、あいおいニッセイ同和損保が同423億円増益の▲80億円となり、2社合計では同813億円増益の145億円となった。異常危険準備金反映前の2社合計の保険引受利益は752億円で、自然災害の影響が前期に比べて減少したことにより同1171億円の増加。正味収入保険料は、2社合計で同589億円増の1兆4602億円。火災保険が個人・企業ともに販売が好調で304億円の増収。自動車保険も、ドラレコ型保険の新商品販売等により174億円の増収。一方、傷害保険は第三分野長期保有契約移行を主因に62億円の減収となった。
三井住友海上の正味収入保険料を種目別に見ると、火災が同12.5%増の1146億円、自動車が同1.7%増の3371億円、自賠責が同7.3%増の949億円、その他が同2.7%増の1477億円と前年実績を上回ったが、海上が同0.7%減の319億円、傷害が同3.2%減の769億円となり、合計は同3.3%増の8033億円となった。除く家計地震・自賠責ベースでは、同2.8%増の7082億円。
正味支払保険金は同3.5%減の4044億円、家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同8.1ポイント下がり、59.7%、正味事業費率は同0.3ポイント下がり、30.4%となった。コンバインド・レシオは同3.9ポイント下がり86.3%。
あいおいニッセイ同和損保の種目別正味収入保険料は、火災が同19.6%増の1084億円、自動車が同3.4%増の3579億円、自賠責が同6.0%増の843億円、その他が同3.7%増の721億円と前年実績を上回ったが、海上が同4.7%減の42億円、傷害が同11.1%減の296億円となり、合計は同5.3%増の6568億円となった。除く家計地震・自賠責ベースでは、同5.2%増の5723億円。
正味支払保険金は同3.7%減少して3300億円、家計地震・自賠責を除いたEI損害率は同15.3ポイント下がって58.6%、正味事業費率は同0.7ポイント上昇の33.6%、コンバインド・レシオは同4.1ポイント下がって88.8%となった。
国内損保主要2社の資産運用・その他収支は、有価証券売却益の減少などにより同486億円減益の700億円だった。このうち三井住友海上は同493億円減益の462億円、あいおいニッセイ同和損保は同7億円増益の237億円だった。
2社合計の経常利益は同326億円増益の845億円で、このうち三井住友海上は同104億円減益の688億円、あいおいニッセイ同和損保は同431億円増益の156億円。
2社合計の中間純利益は、資産運用・その他収支が減少したものの、インカードロスの減少に加え三井住友海上の海外事業再編に伴う価格変動準金取崩もあり(三井住友海上は、海外事業の組織再編により、関係会社株式評価損(連結決算上は消去)と価格変動準備金取崩益を特別損益として計上した)、1036億円を計上、同626億円の増益となった。このうち三井住友海上は同318億円増益の925億円、あいおいニッセイ同和損保は同307億円増益の110億円だった。
ソルベンシー・マージン比率は、三井住友海上が前年度末比41.4ポイント上昇して764.6%、あいおいニッセイ同和損保が同101.9ポイント上昇して790.1%となった。
国内生保子会社のグロス収入保険料は合計で前年同期比9.5%減の7332億円。
三井住友海上あいおい生命の新契約高(個人合計)は、前年同期の収入保障保険の販売好調の反動や8月下旬までの法人向け商品の販売停止を主因に減少、前年同期比40.4%減の1兆645億円、新契約年換算保険料は同43.3%減の146億円だった。このうちでも第三分野は同18.6%増の102億円と好調だった。保有契約高(個人合計)は期首とほぼ同じ24兆5336億円。保有契約年換算保険料は機首比4.0%増の4486億円で、このうち第三分野は同23.1%増の1327億円。保険料(グロス収入保険料)は、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保からの第三分野長期保有契約移行による増収影響もあり、前年同期比104億円の増収となり、2579億円を計上した。
経常利益は同23.2%増の96億円、中間純利益は、保有契約の増加や有価証券売却益等のキャピタル損益が増加したことなどから、51億円を計上、同12億円の増益。
三井住友海上プライマリー生命の新契約高(個人合計)は同16.3%減の4795億円、保有契約高(個人合計)は期首比0.3%増の6兆6968億円だった。保険料(グロス収入保険料)は、外国金利の低下による販売マーケットの縮小などを主因に前年同期比15.6%減の4753億円にとどまり、同877億円の減収となった。
経常利益は同90.9%減の20億円。保有契約の増加により利ざやが増加したものの、商品改定により責任準備金負担が増加したことなどから、中間純利益は6億円の減益となった。
海外保険子会社の業績は、正味収入保険料が前年同期比1.5%減の4478億円で、円高ポンド安等の為替影響を主因に67億円の減収となったが、為替影響を除けば同2.4%増、111億円の増収だった。中間純利益は301億円を計上、同146億円の増益だった。MS Amlinが米国株式市場の好調を背景とした資産運用収益の増加等により145億円の増益となったことが主因。
また、国内損保主要2社の自然災害の発生保険金(除く家計地震保険)について、第2四半期末、再保険回収後の正味ベースで三井住友海上は396億円、あいおいニッセイ同和損保は281億円を計上。通期見込みでは、2社合計で1230億円の見込みとなるが、18年度末との比較では878億円下回る予想となっている。