2019.06.11 三井住友海上 アクセンチュアと協働で新サービス 「RisTech」提供開始 Risk×Technology 多様なリスク低減へ

 三井住友海上は5月29日、アクセンチュアと共に、ビッグデータや最新の分析アルゴリズムを活用することで、企業の抱えるリスクを可視化・最適化し、課題解決を図る新サービス「RisTech(「Risk」×「Technology」、リステック)」を提供することを発表した。三井住友海上が有する事故や災害に関するデータ等のノウハウと、アクセンチュアがグローバルなデジタル・テクノロジー領域のコンサルティングで培った多様な業界知見を組み合わせることにより、地震や水害対策支援等、社会が抱えるさまざまな課題解決を図り、安心・安全な社会の実現に貢献する。

 RisTechのサービスでは、三井住友海上や提携先のデータサイエンティストが、自社で保有する事故データ等に加え、サービス提供先企業の保有するデータを含むさまざまな統計データを活用し、リスク分析やレポートの提供、リスクモデルの開発を行う。
 具体例には、次のようなデータ活用例を想定している。
 ▽工場・設備に不具合が生じたデータを活用することで、事故の予兆把握や最適なメンテナンス計画を策定する
 ▽IoTセンサーを活用し、危険が伴う作業時にアラートを発して事故を削減したり、生体センサーを活用して、従業員の体調変化等を捕捉する他、勤務動態や健康情報を基に、うつ病予備軍を早期検知・フォローする
 ▽火災保険等の引き受けにより蓄積された、建物の構造等の各種データと大規模地震発生時の被害想定データを組み合わせることにより、地域にとっての最適な避難ルート・連絡体制を見つけ出す
 三井住友海上は、これまで過去の事故データや蓄積されたノウハウを基に、防災・減災サービスの提供に努めてきた。近年、グローバル化や情報通信技術の進展、気候変動による自然災害増加等の影響で企業を取り巻くリスクは多様化しており、ビッグデータや先端技術を活用した新たな防災・減災サービスへのニーズが高まっている。そこで同社では今回、業界や先端技術に精通する多彩なプロフェッショナル人材を擁するアクセンチュアと協働し、新サービスの提供開始に至った。
 アクセンチュアは、デジタル・テクノロジー領域におけるデータアナリティクスや先端技術の活用等に関する専門的な知見や人材を提供することによって、リスクの可視化・最適化や、RisTechを活用して主な対象業界における市場機会を特定し、三井住友海上による市場開拓戦略の策定を支援する。
 今後、MS&ADグループのリスク関連サービス事業を担うMS&ADインターリスク総研と連携し、RisTechによって明らかになった課題への具体的なソリューションも提供していくとしている。