2019.03.15 生保各社の18年度第3四半期決算 外貨建商品貢献で営業業績順調 基礎利益も堅調な伸び
生保各社がこのほど発表した2018年度第3四半期決算によると、保障性商品、外貨建商品の販売が順調なことに加え、グループ内で商品を相互供給し、グループを挙げて商品を販売する取り組みなどが進み、営業業績は順調に推移している。基礎利益も効果的な資産配分、利息及び配当金等収入の増加等を主因に堅調な伸びを示した。〈4~6面に生保協会会員各社の業績詳細を掲載〉
かんぽ生命の四半期純利益は前年同期比28.9%増の966億円で、通期業績予想(1110億円)に対し87.1%と順調な進捗(しんちょく)となった。個人保険の新契約年換算保険料は、保障性商品へのシフトにより、同7.1%減の2737億円だったものの、第三分野の新契約年換算保険料は同11.6%増の487億円と、前期に続いて第3四半期としては過去最高の水準となった。個人保険の保有契約年換算保険料は前期末比2.5%減の4兆7371億円とやや減少したが、第三分野の保有契約年換算保険料は、同0.7%増の7559億円で、前期に続き、増加基調となっている。
日本生命グループの連結保険料等収入は前年同期比8.7%増の4兆4109億円と堅調に推移。日本生命での外貨建商品の好調な販売や円建商品の販売再開等を主因に銀行窓販チャネルの保険料等収入が増加した。また、商品相互供給を通じた日本生命グループを挙げた保険販売への取り組み、ニッセイ・ウェルス生命の連結反映が増収額拡大に寄与した。基礎利益の合計は同8.1%増の5268億円だった。利息及び配当金等収入は国内株式の配当金や外国株式等の投信分配金の増加を主因に増加した。さらに、MLCの増益やニッセイ・ウェルス生命の連結反映により増益額が拡大した。国内の個人保険・個人年金保険の新契約年換算保険料は同29.4%増の3537億円、保有契約年換算保険料は前期末比7.4%増の4兆4801億円だった。
明治安田生命のグループ保険料(連結損益計算書上の保険料等収入)は、明治安田生命単体およびスタンコープ社の増収等により、前年同期比3.7%増の2兆3063億円だった。明治安田生命単体の保険料等収入は17年8月に発売した外貨建一時払保険の貢献等で、2兆700億円と同3.6%増加した。グループ基礎利益は明治安田生命単体およびスタンコープ社の増益等により、4734億円と同20.3%増加。明治安田生命単体は外国公社債の残高積み増しによる利息及び配当金等収入の増加等により、4330億円と同19.7%増加し、グループ・単体共に第3四半期ベースで2年連続の過去最高益を更新した。明治安田生命単体の新契約年換算保険料は外貨建一時払保険に加え、第三分野商品の販売好調等により同16.5%増の1059億円と高い伸びを示した。保有契約年換算保険料は前期末比0.6%増の2兆2652億円だった。
第一生命HDの連結保険料等収入は前年同期比13.0%増の3兆9444億円、グループ基礎利益は同9.8%減の4053億円だった。新契約年換算保険料はグループ全体で同30.7%増の3827億円、国内3社計で同40.1%増の3150億円となった。国内3社ではマルチブランド・マルチチャネル戦略を進めている。第一生命の新契約年換算保険料は同16.2%減の695億円と前年同期比で減少したが、第一生命の営業職や代理店が第一フロンティア生命やネオファースト生命など3ブランド商品の販売を強化したことなどが要因。第一フロンティア生命の新契約年換算保険料は同12.2%増の1567億円、ネオファースト生命の新契約年換算保険料は同3868.5%増の888億円と拡大している。グループ全体の保有契約年換算保険料は前期末比4.9%増の3兆8518億円だった。
住友生命の連結保険料等収入(連結損益計算書ベース)は前年同期比4.4%減の1兆9236億円となった。グループ基礎利益は同14.7%増の2892億円と2桁の伸びを示した。グループの新契約年換算保険料は同5.9%減の1608億円だった。住友生命単体の新契約年換算保険料(個人保険と個人年金保険)は同5.4%減の949億円、メディケア生命の新契約年換算保険料は同21.6%減の44億円、海外事業では、シメトラ社の新契約年換算保険料が同5.3%減の614億円となった。グループの保有契約年換算保険料は前期末比0.2%増の2兆7881億円だった。
アフラックは保険料等収入が1兆758億円で前年同期比0.8%減少したものの、基礎利益は同14.1%増の2336億円で増益となった。経常収益は1兆3142億円で、前年同期から74億円増加。経常利益は同262億円増の2196億円、四半期純利益は前年同期比14.0%増の1552億円と、ともに前年同期から増加した。新契約年換算保険料(個人保険・個人年金保険)は同7.7%増の681億円で、そのうち医療保障・生前給付保障等の第三分野は同7.3%増の637億円だった。保有契約年換算保険料は前期末比0.3%増の1兆4193億円となった。そのうち第三分野は同0.7%増の1兆725億円だった。
ジブラルタ生命の保険料等収入は前年同期比13.2%増の8993億円、基礎利益は同8.5%減の1012億円、四半期純利益は同34.8%減の432億円だった。新契約年換算保険料は同5.0%増の558億円、このうち第三分野は19.3%減の125億円。保有契約年換算保険料は前期末比1.2%増の9391億円、このうち第三分野は同0.5%増の2246億円だった。
メットライフ生命の保険料等収入は1兆5700億円で前年同期比23.1%増加した。基礎利益は同1.3%増の663億円で、引き続き強固な財務基盤を維持している。経常収益は同15.0%増の1兆8969億円、経常利益は同1.8%増の514億円、四半期純利益は同7.4%増の320億円だった。新契約年換算保険料は同32.1%増加し、976億円だった。このうち医療保障・生前給付保障等は同28.8%増の274億円だった。保有契約年換算保険料は前期末比3.3%増の1兆735億円だった。このうち医療保障・生前給付保障等は同2.6%増の3776億円となった。
ソニー生命は新契約年換算保険料が前年同期比9.8%増の569億円、保有契約年換算保険料は前期末比2.6%増の8711億円となった。保険料等収入は8158億円で、前年同期比6.9%増加した。四半期純利益は同10.7%増の415億円、基礎利益は同9.8%減の637億円だった。
T&D保険グループは中核生保3社の新契約年換算保険料が個人定期保険や介護保障商品の販売増加により、前年同期から31.8%増と大きく増加して1178億円となった。このうち第三分野の新契約年換算保険料は太陽生命の選択緩和型商品等が堅調に推移したことに加え、大同生命の就業不能保障商品・介護保障商品等の販売好調により、同63.3%増の430億円。連結経常収益は保険料等収入が同15.0%増加したことにより1兆5978億円と同11.6%増加した。親会社株主に帰属する四半期純利益は同5.4%増の613億円となった。
アクサ生命の保険料等収入は主に死亡保障分野が好調だったことから、同1.4%増の4491億円だった。基礎利益は同29.9%減の212億円、純利益は同98.4%減の1億円。
フコク生命グループの保険料等収入は富国生命とフコクしんらい生命の合算で同7.4%減の4276億円、基礎利益は同3.9%減の652億円となった。
朝日生命は保険料等収入が2953億円で、同3.3%増加した。基礎利益は同24.7%減の157億円だった。