2018.12.05 損保ジャパン日本興亜 テクノロジーベンチャーRhelixaと連携 エピゲノム解析で疾患把握 認知症分野の社会課題解決へ

 損保ジャパン日本興亜は、10月15日付で、エピゲノム情報の統合解析プラットフォームを開発する株式会社Rhelixa(代表取締役:仲木竜、本社:東京都千代田区)と連携し、認知症をはじめとする介護・ヘルスケア分野におけるさまざまな社会課題の解決に向けたソリューション・サービスの開発に係る調査・研究に取り組むことで合意した。また、Rhelixaが実施した第三者割当を引き受け、SOMPOホールディングスが出資を行った。

 生物の設計図である遺伝子は、DNAに含まれる塩基という物質の並び順で規定されている。この塩基配列の情報は「ゲノム」と呼ばれ、生まれつき決まっているが、遺伝子そのものは変化しなくても、遺伝子の使われ方は細胞の種類や環境に応じて後天的に変化する。このように、塩基配列は変化させずに遺伝子の使われ方を調節する仕組みを「エピジェネティクス」と呼び、エピジェネティクスを規定する情報を総称して「エピゲノム」と呼ぶ。
 生活習慣等で後天的にゲノム上に付けられる化学修飾(メチル化やアセチル化等)の状態がエピゲノムの正体で、多くの病気は、生活習慣などに起因するエピゲノムの異常が蓄積することで発症すると考えられており、エピゲノムの状態を詳しく調べることにより、さまざまな病気の発症メカニズムや進行(改善)の度合いを把握することが期待できる。
 また、エピジェネティクスはヒト以外の生物にも見られる仕組みであるため、ペットのヘルスケアや、農林・畜産・水産業といったさまざまな分野に関わっている。
 損保ジャパン日本興亜は、テクノロジーの急速な進化に伴う産業構造の変化を見据え、さまざまな社会課題を解決する新事業創造に向け、優れた研究開発機関・企業・ベンチャーとの提携・投資・人材交流を通して、保険の枠組みにとらわれることなく、安心・安全・健康の領域で、社会的課題の解決につながるような事業にチャレンジしている。
 Rhelixaは、毎日の暮らしから産業まで、あらゆる場面で生命情報が活用される社会を実現するため、エピゲノム情報に基づく独自の検査・解析技術を開発している。同社が提供するエピゲノム解析は、人をはじめとするあらゆる生命の健康や疾患の状態を細胞レベルで把握することができる最先端かつ高度な技術であり、超高齢化社会における社会課題の解決に活用できるものと期待されている。
 今回、損保ジャパン日本興亜では、バイオサイエンス領域における新たな技術で世界にインパクトを与えるテクノロジーベンチャーの成長をサポートし、介護・ヘルスケア分野でのさまざまな社会課題解決に向けたソリューション・サービスの開発に共同で取り組むことを目的として、Rhelixaとの連携に至ったとしている。
 両社は今後、SOMPOホールディングスグループが積極的に取り組む認知症の分野で、潜在的バイオマーカーや認知症に影響を及ぼす外部環境因子の特定に向けた調査・研究などに共同で取り組んでいく。