2018.10.15 東京海上日動 ドコモと「ケータイに任せる保険」 商品推奨のAI化へ
東京海上日動は10月11日、NTTドコモとの包括業務提携に基づき、「保険レコメンデーションのAI化」「保険プロセスのフルデジタル化」に向けた検討を開始することで同社と合意したと発表した。AIの活用で携帯電話が顧客の状況から必要な保険を察知して自動的に適した補償を提案し、全プロセスがオンラインで完結する「ケータイに任せる保険」を2019年度上期に開始する。両社では、AI時代の新たな保険のユーザーエクスペリエンスを提供していきたいとしている。 東京海上日動とドコモは、より付加価値の高い商品・サービスの提供を目指し、10年3月に包括的業務提携に合意した。提携第1弾サービスとして、携帯電話から簡単に申し込みが可能な保険サービス「ドコモ ワンタイム保険」を発売。海外旅行保険、スポーツ・レジャー保険、ゴルファー保険、国内旅行保険、1日自動車保険など、短期間の契約、手ごろな価格設定の商品を提供し、好評を得てきた。 その後、顧客の価値観の多様化に伴って進行する保険ニーズの変化に対応するため、スマートフォンを通じて個々の顧客にお薦めの保険を、AIを活用して提示するサービスの実現を構想。既存の保険商品の組み合わせだけでなく、顧客に合わせた最適な補償内容や保険料の配分をAIを活用して推奨する仕組みづくりを検討しており、ドコモが保有するテクノロジーや顧客基盤と、東京海上日動の多様な保険商品を組み合わせることで、「AI時代の新たな保険の提供の形」を目指す。 また、保険レコメンデーションのAI化の取り組みにより、顧客がスマートフォン上で、保険の加入から保険金の受け取りまでの全プロセスをオンラインで完結し、「いつでも」「どこでも」「簡単」「便利」に手続きできるデジタル保険基盤の構築についても検討。近年頻発する広域自然災害の際に、この基盤を活用できるような各種サービスの導入も図る。 保険契約については、対面でコンサルティングを受けて契約したいという声がある一方、インターネットを使いこなす世代を中心に、スマートフォンを通じて必要なときに簡便に契約したいというニーズも増えている。両社では、これまで培ってきた双方のノウハウを融合し、保険を「分かりやすく」「入りやすい」ものに進化させることで、これまで保険になじみのなかった若い世代が、初めての保険でもスムーズに加入できることを目標にする。将来的には、スマートフォンを通じて取得・分析した顧客の状況や予算等に合わせて、AIが個々のリスクに基づいたお薦めの保険を提示するスキームを確立し、「ケータイする保険」から「ケータイに任せる保険」への進化を目指す。