2018.04.13 MS&ADグループ 国内の台風リスク・洪水リスク対象、大災害債を共同発行
MS&ADインシュアランスグループの三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は4月4日、国内自然災害リスクを対象とする大災害債(キャットボンド)の「Akibare Re 2018―1」を3月に共同発行したと発表した。三井住友海上は4回目の発行、あいおいニッセイ同和損保は初めての発行となる。「Akibare Re 2018―1」は、国内の台風リスクに加え、損害保険業界で初めて洪水リスクを対象にした他、三井住友海上が発行するキャットボンドは、地震火災費用のリスクも対象。固定部分の利回りは、1.90%と低廉な水準に設定した。同グループでは、今後も再保険やキャットボンドの適切な活用を通じて、リスク管理を強化し、経営の健全性向上に努めていく方針だ。
「Akibare Re 2018―1」は、英領バミューダに設立した特別目的会社の「Akibare Re Ltd.」を通じて、三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保の2社が機関投資家向けに発行したキャットボンド。国内自然災害によって生じた損害があらかじめ設定した条件を超過した場合に、その超過額に応じて投資家へ償還予定の元本の一部または全部を、再保険金として充当する。
満期は2022年3月末(期間4年)で、対象リスクは国内の台風リスクと洪水リスク。三井住友海上の発行するキャットボンドについては、国内の地震火災費用リスクも対象となる。地震火災費用は、地震もしくは噴火またはこれらによる津波を原因とする火災で一定割合以上の損害が発生した場合に支払う保険金。
発行金額はClassA(三井住友海上)が2億2000万米ドル(約233億円、1ドル=106円換算)、ClassB(あいおいニッセイ同和損保)が1億米ドル(約106億円)で、担保債券の利回りはどちらも1.90%となる。
近年、台風や洪水等の国内自然災害の発生により、甚大な被害が生じるケースが増えている。こうした大規模な自然災害の発生に備え、三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は、再保険による保有リスク量の削減に努めてきた。
2社は、機関投資家による国内自然災害リスクを対象としたキャットボンドへの関心が高まっている状況を受け、双方の知見やノウハウを活用し、費用を削減する観点から、共同でキャットボンドを発行することにしたとしている。