三井生命は４月２日、本年度からの３カ年を計画期間とする中期経営計画２０２０「ＡＬＬ　ｆｏｒ　ＡＬＬ．ひとつひとつの、夢によりそう。」を発表した。新中期経営計画では、営業職員チャネルをコアに位置付けた「販売分野の成長」と、銀行窓販・代理店、日本生命への商品供給を通じた「元受分野の成長」の両輪に取り組む。その上で、「元受機能の強化と効率化」や「ホールセール領域における強みづくり」によって、会社成長の最大化を目指す。また、これらの戦略を支える取り組みとして、顧客本位の業務運営とコンプライアンスの徹底、人材育成と活気のある職場づくりを重要課題として位置付けた。

　同社は、前中期経営計画（１５～１７年）の取り組みにより、経営目標としていた保有年換算保険料（定額保険）の反転と利益水準の確保を実現した他、この期間中に日本生命と経営統合し、幅広い領域でのシナジーに取り組んできた。新中期経営計画では、「再生」から「成長」ステージへと移行するとともに、引き続き、商品相互供給、窓販・代理店の販路拡大、ホールセールにおける日本生命との共同開拓の推進、運用・事務・システムの効率化など、生産・効率の両面でシナジーの深化を図り、成長を加速させる。
　営業職員組織の持続的成長では、採用数や在籍率の引き上げを図り組織の純増体制を構築する他、都心部顧客を対象とした訪問型チャネルの新設などによる顧客カバー体制の構築、優良基盤地域への重点的投入や関係性の強い事業所基盤の取引拡大などで強み領域づくりに取り組む。
　窓販・代理店による成長の加速では、特に同社と親密な関係の銀行と商品の共同開発を行うことで販売量を拡大する他、その他金融機関では、日本生命との連携・協業により、取扱金融機関・販売量の拡大を図る。代理店については、ショップ型・セミナー型で、強みである外貨建て商品を販売促進し、効率的な販売体制を確立する。
　また、顧客の属性や加入チャネルに応じた事務サービス・体制を充実させるとともに、諸手続きにおける満足度の持続的な向上を目指す。
　既存システムの刷新やＩＴ人材の育成により、生産性向上や業務効率化に資するシステム体制を構築する他、ＡＬＭの推進と資産運用収益の安定的な拡大を志向。リスク選好方針に基づく対応策を実施し、リスク・リターン指標の販売計画への活用促進など元受拡大に応じたリスク管理の高度化を図るとともに、日本生命と共同でマーケット開拓を行うなど、ホールセール領域における強みづくりを実行する。
　人材育成については、１０年後を見据え、人事制度・運営の両面から幅広く対応して、従業員満足度などを引き上げる。
　こうした戦略を支えるため、「顧客本位・コンプライアンス」を全ての業務運営の前提とした。
　三井生命では、新中期経営計画の遂行に当たり、各経営目標を設定。顧客満足度調査での総合満足度の持続的向上、保有年換算保険料の持続的な純増と銀行窓販・代理店シェアの拡大などによる新契約年換算保険料の拡大、基礎利益・当期純利益の着実な積み上げの他、ＥＳＲの安定的確保・ＲＯＥＶの安定的成長―の各目標を掲げた。
　同社では、新中期経営計画のスローガン「ＡＬＬ　ｆｏｒ　ＡＬＬ．ひとつひとつの、夢によりそう。」について、「従業員の想いを一つに、顧客の夢のために全員が行動し、全ての従業員の夢のために全員が協力することに取り組む」という想いを込めたとし、全社一丸となって計画を成し遂げていくとしている。