2025.03.21 ライフネット生命が社長交代で記者会見 横澤淳平上級執行役員が新社長に 「ネット加入」以上のインパクト持つ新生保を
ライフネット生命は3月17日の取締役会で、6月22日付で上級執行役員の横澤淳平氏が新社長に就任することを決定した。3月17日の取締役会の後、現社長の森亮介氏と横澤氏がオンラインで記者会見を実施し、新社長となる横澤氏は「当社がインターネットから加入できる保険を世の中に打ち出した時以上のインパクトを持つ、新しい生命保険をつくる」と所信表明を行った。
会見の冒頭、森氏があいさつを行い、社長交代を決めた理由について、昨年5月に新たな経営方針として発表した、2028年度を最終年度とする5年間の中期計画を挙げた。同計画では、同社が次のステージに向かうための三つの重点領域として、テックアンドサービス、リブランディング、エンベデッドを掲げており、この計画を今まで以上に力強く推進するためには、新たな経営体制への移行が必要だと判断したと説明した。
続けて、後任の横澤氏について、システムエンジニアとしてのバックグラウンドを持ち、08年5月の入社以来、基幹システム開発、保険事務システム領域における業務効率化プロジェクト、パートナービジネスの立ち上げ推進など、高い専門性と実行力を存分に生かして数々の大型プロジェクトを具現化し、同社の企業価値向上をけん引してきたと紹介した。その上で、同社を取り巻く環境や事業フェーズが転換点を迎える今、横澤氏が頭の中で描いている経営構想こそが、オンライン生保の成長ポテンシャルを最大限に引き出し、同社の企業価値をさらに高めるものと期待していると述べた。
森氏に続いてあいさつした横澤氏は、直近の自身の取り組みについて、現中期計画におけるテックアンドサービス領域の責任者として、マイナポータルなどを活用し、引受リスクを予測できるAIシステムに関する実証実験を進めていると紹介した。
続けて、同社の現状について、競争優位性が失われていることが課題だと述べた。これは、裏を返せばインターネットから加入する保険が当たり前に提供されるようになってきたことの表れでもあるとし、森氏が社長に就任してから今日までオンライン生保市場の拡大と事業ドメインの拡張を進めてきたことで、オンライン生保への参入企業が増えたが、その結果として、保険料の水準が下がり、スマートフォンでの保険契約が珍しいものではなくなったと述べた。
オンライン生保のパイオニアとしての競争優位性がなくなりつつあるとともに、営業効率の悪化などの課題が顕著になってきているとし、この原因の一つには、ここ数年で保険サービスの新規開発や改善といった方面への投資が劣後されてきたことがあるとの見解を示した。また、この課題の改善に向けては、「ITとデジタル分野の技術革新を活用し、08年に当社がインターネットから加入できる保険を世の中に打ち出した時以上のインパクトを持つ新しい生命保険をつくり、最高の保険体験をお客さまに届けなければならない」と強調した。
加えて、その鍵を握るのはAIとマイナンバーの活用だと述べ、近い将来、保険サービスの自動化に向けて必要な情報がマイナンバーから得られる時代がやってくるとし、そこから逆算して、例えば、顧客自身が何も手を動かすことなく保険金や給付金を受け取れるようになるといった、今の世の中にない商品やサービスをつくることを考えていると述べた。
最後に、「業界変革のさらに先へ―保険に、最高のイノベーションを」をスローガンに、まずは全従業員が心を一つに同じ目標に向かって走り出せるよう、今日から働き掛けを行っていくと結んだ。
【横澤淳平(よこざわ・じゅんぺい)氏の略歴】1980年6月18日生まれ。2003年4月NTTデータネッツ㈱(現㈱NTTデータフィナンシャルテクノロジー)入社。08年5月ライフネット生命入社。18年4月営業本部KDDI事業部長、21年4月執行役員システム戦略本部長、23年6月取締役執行役員(担当:システム戦略本部)、24年6月上級執行役員(担当:IT戦略部、システム企画部、システム運用部、データサイエンス推進室)(現任)。