2025.03.04 明治安田生命グループ 24年度第3四半期決算 グループ基礎利益273億円増の3774億円に 業績見通しを「増収」「増益」に引き上げ
明治安田生命が2月13日に発表した同グループの2024年度第3四半期決算によると、連結損益計算書上の保険料等収入を示すグループ保険料は、スタンコープ社におけるエレバンス社の団体保険事業買収による増収を主因に、前年同期比136億円(0.5%)増の2兆5303億円となった。グループ基礎利益は、明治安田生命単体の増加を主因に同273億円(7.8%)増の3774億円を示した。24年度の業績見通しは上半期報告時のグループ保険料「増収」、グループ基礎利益「減益」の見通しから、「増収」「増益」に引き上げた。
明治安田生命グループ連結の経常収益は、前年同期比6.1%増の4兆1759億円、経常費用は同6.7%増の4兆291億円、経常利益は同6.6%減の1467億円、四半期純剰余は同6.4%減の1066億円となった。
再保険収入を除いたグループ保険料は前年同期比0.6%増の2兆5241億円で、そのうち明治安田生命単体は同0.9%増の2兆836億円、海外保険事業等は同8.0%増の4405億円、米スタンコープ社は同8.0%増の4084億円だった。
連結ソルベンシー・マージン比率は、前年度末から7.8ポイント上昇して1056.7%。
明治安田生命単体の業績を見ると、経常収益は前年同期比6.2%増の3兆5643億円で、このうち保険料等収入は同0.9%減の2兆898億円で、資産運用収益は同17.3%増の1兆4097億円を計上した。
経常費用が同6.6%増の3兆4327億円で、このうち保険金等支払金は同18.4%増の2兆3324億円、責任準備金等繰入額は同99.6%減の14億円、資産運用費用は同35.0%増の6905億円となった。経常利益は同2.9%減の1315億円、四半期純剰余は同2.4%減の1014億円となった。
単体の保険料等収入は、銀行窓販チャネルでは一時払保険の販売が好調だったものの、営業職員チャネルにおける一時払保険の販売量減少を主因に前年同期比0.9%減の2兆836億円となった。そのうち個人保険・個人年金保険は同0.2%減の1兆5055億円。
新契約年換算保険料は、窓販チャネルは好調だったものの、営業職員チャネルの一時払商品の下振れ等により、同2.1%減の946億円となった。チャネル別内訳では、営業職員チャネルが同12.9%減の686億円、銀行窓販チャネルが同49.1%増の251億円。なお、保障性商品新契約年換算保険料は同15.4%減の251億円、第三分野新契約年換算保険料は同10.9%減の325億円だった。
保有契約年換算保険料は外貨建保険の解約の増加により、前年度末比0.6%減の2兆1483億円となった。なお、保障性商品保有契約年換算保険料は同0.4%減の6133億円、第三分野保有契約年換算保険料は同1.8%増の5125億円。
単体の基礎利益は、円安による外国公社債の利息及び配当金等収入の増加を主因に、前年同期比9.1%増の3146億円だった。
単体のオンバランス自己資本は前年度末差3043億円増の4兆6728億円。単体のソルベンシー・マージン比率は同10.3ポイント上昇して1004.8%となった。一般勘定資産全体の含み損益は、国内金利上昇による公社債の含み損の拡大と、株価の下落等による国内株式の含み益の減少を主因に、同9878億円減少し5兆2301億円。
契約クオリティを示す指標は引き続き良好に推移。解約・失効・減額率(個人保険・個人年金保険)は、前年同期差0.29ポイント上昇して3.87%。うち主力商品は同0.03ポイント低下し3.81%。外貨建保険の解約増加を主因として前年同期を上回るものの、主力商品は前年同期を下回り良好な水準を維持した。総合継続率は13月目が同0.2ポイント上昇の94.1%、25月目が同1.6ポイント低下の87.0%、61月目が同2.7ポイント上昇の71.2%で、いずれも高水準を維持した。
米国子会社のスタンコープ社の業績では、保険料等収入は、エレバンス社の団体保険事業買収を主因に増収となり、前年同期比8.0%増の4084億円。基礎利益相当額と当期純利益は団体保険・個人就業不能保険事業の給付金支払いの減少等により増加し、基礎利益相当額は同15.6%増の619億円、当期純利益は同0.3%増の145億円だった。
24年度通期の業績見通しは、上半期報告時の「増収・減益」から「増収・増益」に変更。グループ保険料(除く再保険収入)は「3兆4000億円程度、増加」の見通しで据え置いた一方、グループ基礎利益は、明治安田生命単体の利息及び配当金等収入の上振れ等により、「5200億円程度、減少」の見通しから「5700億円程度、増加」に引き上げた。