2025.02.27 SOMPOHD 24年度第3四半期決算 純利益3818億円で第3四半期過去最高 修正連結利益も2356億円で上振れ基調

 SOMPOホールディングスが2月14日に発表した2024年度第3四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比7.9%増の4兆1510億円となった。このうち正味収入保険料は同1.6%増、468億円増収の3兆37億円を計上した。生命保険料は同0.5%増の2329億円。連結経常利益は同17.7%増の5089億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は政策株式削減の加速を主因に同18.2%増の3818億円で、第3四半期としては過去最高益を記録した。修正連結利益は海外保険事業の資産運用利益増を主因に同2.9%(69億円)減の2356億円で、通期予想の2700億円に対する進捗率は87%で上振れ基調で推移。グループ連結業績の通期予想には修正はない。
 SOMPOグループの連結純利益3818億円の内訳は、損保ジャパンが前年同期比738億円増の2254億円、海外グループ会社が同635億円増の1972億円、SOMPOひまわり生命が同31億円増の146億円、介護事業が同0億円減の51億円、その他・連結調整等が同810億円減の▲606億円。
 修正連結利益2356億円の内訳は、国内損保事業が前年同期比292億円減の457億円、海外保険事業が同224億円増の1511億円、国内生保事業が同10億円増の310億円、介護事業が同1億円減の54億円、その他が同11億円減の21億円となっている。
 国内損保事業については、自動車保険の事故率は0.5%減と減少傾向で、修理費単価は6.9%増と通期予想に対してやや上振れた。自然災害正味発生損は700億円程度と通期予想に対して良好に推移しており、25年1月末時点で目立った雪害影響はないとしている。政策株式については、第3四半期は3285億円削減、売却益(税前)は2234億円と順調に進捗しており、25年1月以降の大口売却を加味すると、通期予想の4000億円は超過する見込みとしている。
 海外事業については、24年度通期の修正利益(速報)は、資産運用の好調継続と円安を主因に対前年541億円増益の2173億円(対予想+233億円)で、現地通貨ベースでも対前年で増益、対予想で上振れての着地を見込む。ロサンゼルス火災については25年度業績への影響は限定的な見込みとしている。
 損保ジャパン単体の業績では、保険引受利益は前年同期比1059億円減益の▲213億円となった。保険引受利益から異常危険準備金、危険準備金、自然災害責任準備金に係る影響を除いたコア保険引受利益は同149億円減益の68億円だったが、自然災害発生損の良好な推移、火災保険のベース収支改善などによって計画を上回る進捗としている。
 正味収入保険料は、火災保険における料率適正化や契約更改件数増加に伴う増収、新種保険の販売好調を主因に前年同期比347億円増(2.1%増)の1兆6816億円。
 自賠責と家計地震を除いたE/I損害率は、自然災害影響、自動車保険における修理費単価の上昇等、新システム償却費の増加影響を受けて、前年同期比0.3ポイント上昇して66.2%。除く自賠責・家計地震のW/P損害率は同1.5ポイント低下の63.7%。
 正味事業費率(自賠責・家計地震を除く)は、新システム償却費影響を火災保険の手数料率低下により一部オフセットし、前年同期比0.3ポイント上昇し33.7%、社費率も0.5ポイント上昇し13.1%。コンバインド・レシオ(E/I、除く自賠責・家計地震)は同0.6ポイント上昇し99.9%。
 資産運用損益は、前年同期比2050億円増の3227億円。修正利益ベースでは、国内株式配当やファンド関連の損益計上により同85億円増の641億円と進捗は順調で、政策株式の削減額は3285億円と通期目標に対して高進捗とし、売却益(税前)は2234億円だった。
 経常利益は同937億円増益の2821億円で、当期純利益は同738億円増益の2254億円となった。修正利益は同283億円減益の479億円。
 国内生保事業で、SOMPOひまわり生命の新契約年換算保険料(個人保険と個人年金保険の合計)は前年同期比4.8%減の233億円。保有契約年換算保険料(同)は保障性商品の規模拡大で持続的に増加し前年度末比0.9%増の3936億円だった。保険料等収入は前年同期比0.6%増の3212億円。基礎利益は同41億円減益の221億円となった。経常利益(連結様式とは異なる)は同39億円増益の244億円で、当期純利益は同31億円増益の146億円。修正利益は同10億円増益(3.6%増)の310億円。
 海外保険事業では、インフレ影響や地理的拡大による社費増加を資産運用利益の好調継続でオフセットし、修正利益は前年同期比1億9800万ドル増益の10億5900万ドル。24年度通期の修正利益速報は13億7300万ドルで、通期予想の13億5000万ドルを2300万ドル上回っての着地を見込む。
 海外計の保険引受利益は同4000万ドル減益の3億9900万ドルで、資産運用利益は運用資産額の増加と再投資利回り上昇により同2億9600万ドル増の9億9900万ドル、当期純利益は同635億円増益の1972億円だった。
 SIコマーシャルのグロス保険料は、グローバルマーケットと再保険の成長により前年同期比5億4200万ドル増収の124億6700万ドル。保険引受利益は4億3800万ドル。SIコンシューマーの正味収入保険料は、同1億8200万ドル増収の7億9300万ドル。保険引受利益は同1.2%減の4660万ドルだった。