2025.02.07 損保協会 自賠責共同システム「One―JIBAI」開発 非対面手続き・キャッシュレス等を実現 損保10社とJA共済連の計11社で開始

 損保協会は1月21日、同日から会員損害保険会社10社と共済団体の合計11社が自動車損害賠償責任保険・共済(以下、自賠責)の引受・契約管理業務に係る業界の共同システムとして「One―JIBAI(注1)」の利用を開始したと発表した。これまでの自賠責制度は「対面手続き」「現金での保険料・共済掛金(以下「保険料等」)払込」「自賠責証明書の紙交付」が前提だったが、「One―JIBAI」の利用開始により、非対面での手続きや保険料等払込のキャッシュレス化、自賠責証明書のPDFデータ交付を実現した。
 「One―JIBAI」の利用を開始したのは、あいおいニッセイ同和損保、AIG損保、共栄火災、セコム損保、全国共済農業協同組合連合会(JA共済連)、損保ジャパン、東京海上日動、大同火災、日新火災、三井住友海上、楽天損保の各社(五十音順)。
 「One―JIBAI」は、自賠責の契約引受および契約管理をウェブサイト上で行えるサービスで、顧客向け機能の他、損害保険会社・共済団体が法令に基づいて自社・自団体のシステムで行っている関係機関への報告も、以後は「One―JIBAI」を活用する。
 顧客が利用できる主な機能は次の3点(損保会社・共済団体によっては一部利用できない機能がある)。
 ①非対面手続き
 スマートフォンやパソコン等を使って、「One―JIBAI」を利用する損保会社・共済団体のホームページ等から「One―JIBAI」ウェブサイトにアクセスし、申請内容を入力することで、自賠責における異動・解約等の手続きができる。
 ②キャッシュレス支払
 手続き時に自賠責保険料等を払い込む際、顧客自身のクレジットカードでも自賠責保険料等の支払いができる(注2)。
 ③証明書のPDFデータ交付
 手続き完了後、顧客自身で自賠責証明書を「One―JIBAI」からPDFデータでダウンロードでき、条件を満たす場合、自賠責証明書のPDFデータのみの備付で自動車の運行ができる(損保協会では、運輸支局等での手続きで紙の自賠責証明書が必要となる場合があるため、原則として紙の自賠責証明書も併せて発行することを推奨している(注3))。
 損保協会では自賠責の引受・契約管理業務で、業界共通の共同システム「One―JIBAI」の今年度中の運用開始に向けて開発を進めてきていた。「「異動・解約の非対面手続き(ペーパーレス)」「保険料払込みのキャッシュレス」を実現することによりお客さまの利便性を向上させるとともに、共同システムによる契約管理を可能にすることで業界全体の業務効率化も目指していく」としており、今後も利用会社・団体の順次拡大を目指していく。
 また、自賠責におけるデジタル化のさらなる拡大に向けて引き続き取り組んでいき、社会全体の効率化に貢献するとしており、自賠責の損害調査業務・支払業務でも、請求関係書類を電子化して共有し合い、調査・精算処理をペーパーレスで行うシステムの構築に着手している。ペーパーレス化を実現することで、一層の迅速かつ適正な損害調査業務を目指していくとしている。
 (注1)㈱野村総合研究所が商標登録している共同利用型サービス。
 (注2)クレジットカードでの保険料等の支払いに関しては、GMOペイメントゲートウェイ㈱の決済代行サービスを利用。
 (注3)PDFデータのみの備付で運行可となる条件等は損保協会ホームページを参照。