2024.12.03 SOMPOHD 24年度第2四半期(中間期)決算 修正利益16%増1556億円 通期予想150億円引上げ2700億円に
SOMPOホールディングスが11月19日に発表した2024年度第2四半期(中間期)決算によると、連結経常収益は前年同期比11.4%増の2兆9629億円となった。このうち正味収入保険料は、損保ジャパン、海外保険事業ともに増収となったことにより、同1725億円(8.3%)増収の2兆2615億円を計上した。連結経常利益は同1655億円(91.4%)増の3466億円、親会社株主に帰属する中間純利益は同1307億円(99.4%)増の2622億円となった。修正連結利益は海外保険事業の増益を主因に、同223億円(16.8%)増益の1556億円。
SOMPOグループの連結修正利益1556億円の23年度中間期利益1332億円からの増減要因は、国内損保事業で自動車保険の事故率・修理費単価上昇(▲70億円程度)を火災保険のベース収支改善(+70億円程度)でオフセットし9億円増、海外保険事業で再投資利回りの向上、運用資産増加等による資産運用利益増(+330億円程度)を主因に232億円増、国内生保事業で3億円増、介護事業で7億円減、その他で13億円減。
通期業績予想については、正味収入保険料は年初予想から1330億円下方修正し3兆8700億円、経常利益は同2300億円上方修正し5500億円、当期純利益は同1700億円上方修正し4000億円と予想。連結純利益のうち、損保ジャパンは年初予想から1310億円上積み2880億円、海外保険事業は同51億円引下げ1944億円、SOMPOひまわり生命は197億円に据え置いた。1株当たり当期純利益は412円27銭(年初予想232円88銭)に上方修正した。
グループ通期の修正連結利益の予想は、同150億円上方修正し2700億円とした。国内損保は自動車の発生損増加を資産運用利益増等がオフセットし年初予想から100億円プラスの250億円、海外保険は為替によるマイナス影響の一方、資産運用利益がけん引し、同40億円プラスの1940億円。
業績の上方修正の理由については、損保ジャパンにおける政策株式削減が期初計画対比で堅調に推移していること、およびSOMPOホールディングスの保有する投資有価証券の一部を当中間連結会計期間に売却したことに伴い、有価証券売却益が前回予想を上回る見通しとなったことを踏まえたものとしている。
なお、国内損保としては中間期に政策株式を1978億円削減した。通期では期初予想から倍増の4000億円を削減するとしており、売却益(税前)は2730億円を見込むとしている。
株主還元については、中間期の総還元額は、政策株式売却益や資本水準調整等による自己株式取得1550億円を含む2094億円で、24年度通期では対期初予想20円の増配を予定、総還元額(予想)は対前年2倍超となる3430億円+αを見込む。
国内損保事業のうち損保ジャパン単体の業績では、保険引受利益は、自然災害発生損の減少や火災保険のベース収支改善を主因に、コア保険引受利益は前年同期比78億円増益の50億円、保険引受利益は同257億円減の▲140億円だった。24年度通期のコア保険引受利益は期初予想から26億円引き上げ、▲138億円を見込む。
正味収入保険料は、火災保険の料率適正化等を主因に前年同期比1.6%増の1兆1422億円。種目別内訳は、火災保険が同10.8%増の1967億円、海上が同0.7%増の281億円、傷害が同0.6%減の838億円、自動車が同0.6%増の5424億円、自賠責が同9.8%減の927億円、その他が同2.9%増の1982億円を計上した。中間期の実績を踏まえ、24年度通期の正味収入保険料は2兆2470億円(自賠責・家計地震を除くベースで2兆590億円)を見込む。
自賠責と家計地震を除いたE/I損害率は、前年同期比1.7ポイント低下して65.6%。除く自賠責・家計地震のW/P損害率は同1.1ポイント低下して60.6%。
事業費率(自賠責・家計地震を除く)は、新システム償却費影響を火災保険の手数料率減少により一部オフセットし、前年同期比0.3ポイント上昇し33.6%、社費率は同0.4ポイント上昇し13.0%。
コンバインド・レシオ(E/I、除く自賠責・家計地震)は自然災害発生損の減少を主因として、同1.4ポイント改善し99.3%で、W/P除く自賠責・家計地震では同0.8ポイント低下の94.3%となった。
資産運用利益は、修正利益ベース(税前)では国内株式配当やファンド関連の損益計上により394億円、そこに政策株式売却益(1156億円)を主因に有価証券売却損益・評価損が+1078億円、その他+10億円が加わり、資産運用利益は同620億円(71.9%)増益の1483億円。24年度通期(同ベース)では、ファンド関連の利益や国内株式の配当増加を主因に、期初予想比+85億円の701億円を見込む。
経常利益は前年同期比320億円増益の1230億円で、中間純利益は同239億円増益の901億円となった。修正利益は同12億円増益の293億円。
国内生保事業で、SOMPOひまわり生命は、新契約年換算保険料(個人保険と個人年金保険の合計)は前年同期比2.9%減の158億円。保険料等収入は同0.0%減の2127億円で基礎利益は同38億円減益の135億円となった。経常利益が同30億円増の177億円で、当期純利益は同18億円増の107億円。修正利益は同3億円増益の204億円。
海外保険事業では、保険引受利益は北米の大口事故(火災)が▲50億円、その他(地理的拡大等に伴う事業費増加等)が▲40億円で▲90億円となった一方、資産運用利益が債券の利回り向上による利配増220億円により+280億円、為替影響が+90億円となった結果、修正利益は232億円増の1050億円(6億5200万ドル)となった。24年度通期の修正利益は、コマーシャルの保険引受利益の伸びと引き続き好調な資産運用利益を反映し2億1000万ドル増益の13億5000万ドルを見込む。
SIコマーシャルの正味収入保険料は、農業保険における穀物価格下落影響を再保険とグローバルマーケットの力強い成長でカバーし、前年同期比17.3%増の9972億円。グロス保険料は同3億800万ドル増収の93億1300万ドルで、地理的拡大が2億5000万ドル寄与した。
介護事業の修正利益は、処遇改善や物価高騰、先行投資によるコストの増加を売上増加で一部オフセットし、前年同期比7億円減の26億円。計画に対し順調に推移しており、24年度通期の修正利益は期初予想を据え置き60億円とした。