2024.10.16 東京海上日動あんしん生命 中小企業の「人材不足の課題」解決へ 「スマート総合福祉団体定期」発売 福利厚生充実や従業員健康管理に寄与
東京海上日動あんしん生命は、「人材の確保・定着」等の経営課題を抱える中小企業等に対し福利厚生の充実をサポートするため、9月から新商品「スマート総合福祉団体定期」を発売した。これまでも東京海上グループは中小企業の課題を解決するために、生損保を問わず多くの商品やソリューションを提供してきた。同商品では、従業員の健康増進を応援する保険料割引制度や従業員の生活習慣病等の早期治療・重症化予防を支援する特約、従業員への二次検査の受診勧奨等を行う新サービスを提供するとともに、煩雑だった総合福祉団体定期保険の顧客の手続きをデジタルの活用によって大幅に簡素化し、中小企業の課題解決を後押しする。
近年、約4割の中小企業が経営上の不安要素として「人材の不足、育成難」を挙げており、人手不足解消への解決策が求められている(日本政策金融公庫「2023年の中小企業の景況見通し」より)。課題を解決する一つの手段として、優秀な人材の確保や離職防止につながる「福利厚生制度」の見直しが有効とされている。就活生やその親も「福利厚生が充実しているか」「従業員の健康や働き方に配慮しているか」への関心が高く、優秀な人材を採用するためには魅力的な福利厚生制度の整備が重要であることがうかがえる。
一方、福利厚生や従業員の健康管理を意識している中小企業からは、「人材確保に課題を感じている。売り手市場で、内定を出しても確保するのが難しい。対策として、福利厚生面に気を遣っていく必要がある」「健診管理や二次検査の受診管理は手動で行っている。忙しくて行けないという人や、業務との兼ね合いを考慮しなくてはいけない人への対応に手間がかかる」「今までは人数的に可能だったが、従業員が200人に近くなり、健康管理サービス等を検討しなければならない状況になってきた」と思案する声が挙がっている。
これまでも企業の福利厚生制度に基づく弔慰金・死亡退職金制度などの財源を確保するための生命保険商品として総合福祉団体定期保険があるが、「手続きの煩雑さ」や「保険料の高さ」が原因となり、加入率は約34%(同社調べ)と、慶弔見舞金制度の保有率86.5%(労働政策研究・研修機構「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」より)に比べ、低水準にとどまっている。
そこで同社は、中小企業の「人材不足の解消」という社会課題の解決に向き合い、福利厚生の充実や従業員の健康管理に寄与し、従来の総合福祉団体定期保険の課題を解決することで加入率を高め、より多くの企業に安心を届けるために「スマート総合福祉団体定期」を開発した。
同商品の大きなアピールポイントは、「デジタルを活用し、事務負担を大幅に削減」「従業員の健康管理をサポート」「従来対比で低廉な保険料」の三つ。
まず、デジタルを活用した「スマート総福ネット」を導入することで、従来の紙をベースとした保険加入の同意確認・告知、中途加入・脱退等をペーパーレス化し、煩雑な手続きを抜本的に改善した。クラウド人事労務ソフト「SmartHR(注1)」を利用している企業であれば、API連携により「スマート総福ネット」に従業員情報がオンラインで連携されるため、さらに手続きを簡素化でき、入退社情報の自動検知により、中途加入・脱退の手続き漏れの防止にもつながる。
次に、従業員の健康管理をサポートする保障として「早期治療支援特約」を提供。同特約では、健康診断で血圧・脂質・糖代謝の項目で所定の基準に該当し、健康診断の受診日の翌日からその日を含めて180日以内に二次検査や治療を目的として病院を受診(入院・通院)した場合、早期治療支援給付金を受け取ることができる。健康診断での指摘(「要精密検査・要治療」)による二次検査等の受診から保障の対象とすることで、従業員の生活習慣病の早期発見・早期治療をサポートする。
「早期治療支援特約」を付加した企業には、従業員の健康診断結果をデジタルで一元管理でき、健康診断の受診勧奨を行う付帯サービス「スマート健診管理(注2)」を無償で提供する。同サービスでは、企業として健康診断結果をデータ化し管理・分析できるだけでなく、従業員が個人ページから診断結果の閲覧や診断結果に基づく疾病予測シミュレーションを利用することも可能だ。
「健康診断割引特約」では、健康診断の受診率や二次検査の受診勧奨等の所定の条件を充足している企業の保険料を割引くことで、従業員の健康増進を応援する。
同商品は従来対比で低廉な保険料を実現しているが、「健康診断割引特約」付加でさらに保険料が割安となっている。
開発期間中にヒアリングを行った中小企業の人事総務部門の担当者からは「健康診断の管理(スケジューリングや受診勧奨)は現在手作業でやっているため、健診管理サービスが無料で使えるのはすばらしい」「早期治療支援特約の給付金も社員にとってはうれしく、二次検査の受診は進むだろう」といった声が寄せられている。
企画部商品開発グループの岡本直宏ユニットリーダーは「本商品・サービスを通じて、人材不足の解消や業務効率化等、中小企業の課題を解決するとともに、従業員の皆さまの健康増進に貢献したい。本商品をきっかけに、お客さまである企業との接点を強化し、従業員向けのセミナー等を通じて、従業員個人のライフプランの作成や健康意識の向上につなげていきたい。また、今年7月には、中小企業の経営者に万一のことがあったときや3大疾病・障害・介護状態で経営者が不在となってしまうときに、企業経営の安定化・事業継続に備える商品である『あんしんプレミアム定期』を発売した。『スマート総合福祉団体定期』で従業員の福利厚生、『あんしんプレミアム定期』で事業継続をサポートすることの、両輪でお客さまをお守りしていく」としている。
(注1) ㈱SmartHR が提供しているクラウド人事労務ソフト。
(注2)同サービスは、提携先企業である㈱バリューHR社を通じて提供する。