2024.10.03 ロイズ 24年上半期業績 総収保306億ポンド、49億ポンドの利益計上 「強靭な資本ポジション」でA+に格上げ(AMベスト)

 ロイズは9月5日、2024年上半期の業績を発表、税引前利益が49億ポンド(23年上半期は39億ポンド)と好調だったと発表した。規律を引き続き維持しており、保険引受利益は31億ポンド(23年上半期は25億ポンド)で、前年同期比6億ポンド増となった。AMベストは、ロイズの格付をAからA+に引き上げた。
 ロイズは収益性の高い持続可能な成長を続けており、契約ボリュームの増加(5.0%増)や価格アップ(1.5%増)によって、総収入保険料は為替変動(▲2.1%)を除いて6.5%増の306億ポンド(23年上半期は293億ポンド)となった。
 コンバインド・レシオ(正味既経過保険料に対する正味発生保険金と正味事業費の合計額の比率)は前年同期から改善して83.7%(23年上半期は85.2%)となった。中間決算としては2007年以来、最もよい数字となっているという。基礎的コンバインド・レシオ(大口損害を除いたコンバインド・レシオ)は80.6%(23年上半期は81.6%)に改善した。
 運用利益は21億ポンド(23年上半期は18億ポンド)で、主に堅調な債券の収益によるもので、株式市場の高成長がこれを補ったとしている。
 パフォーマンス向上や事業費用削減の取り組みにより、基調となる損害率は前年同期からさらに1.7ポイント下がって49.2%(23年上半期は50.9%)となった。事業費率は34.5%(23年上半期は35.4%)に改善した。
 資本金、準備金および劣後債の総額は435億ポンド(23年期末は453億ポンド)となったが、バランスシートは引き続き強固で、中央ソルベンシー比率は520%(23年期末は503%)、ロイズ市場のソルベンシー比率は206%(23年期末は207%)で、これは高い資本規律とレジリエンスを示しているとしている。
 AMベストは持続可能な収益性や強靭な資本ポジションを反映して、ロイズの格付をAexcellent)からA+(superior)に引き上げた。また、長期発行体信用格付もA+(excellent)(Outlook Positive)からAA-(マイナス、以下同様)(superior)(Outlook Stable)に引き上げた。なお、その他のロイズの格付は、S&PグローバルでAA-(very strong)、フィッチでAA-(very strong)、KBRAでAA-(very strong)となっている。
 ロイズの最高経営責任者のジョン・ニール氏は「規律ある引受、本業の順調な成長、極めて強固なバランスシートなどが相まって、ロイズの24年上半期の業績は素晴らしいものになった。これはロイズ保険市場の投資家にとっても顧客にとっても朗報だ。リスクが高まりつつあるこの世界で、われわれは今後も顧客を支える」と語っている。