2024.09.13 3メガ損保 24年度第1四半期決算 海外のけん引で基調は好調
3メガ損保各グループの2024年度第1四半期決算は、海外事業の好調により修正利益の進捗率が28~31%と好調を維持している。(2面に3グループ各社とAIG損保の種目別保険料・保険金の一覧表を掲載)
東京海上ホールディングスの連結正味収入保険料は国内外でのレートアップ効果等により、前年同期比10.1%増の1兆2984億円となった。四半期純利益は同54.2%増の1973億円。連結修正純利益は国内損保事業における兵庫雹災等の自然災害の増加や自動車のロスコスト増加等の一方、海外事業における好調な保険引受やインカム収益の増加、政策株式売却益の増加等により同41.9%増の2334億円となった。通期予想の1兆円に対する進捗率は23.3%。海外保険事業の事業別利益は同36.4%増の1251億円。
政策株式売却益を除いた修正純利益は1695億円で、同ベースでの年初計画(除く政策株式で6100億円)対比の進捗率は28%。
政策株式の売却の実績は約1040億円で、トヨタ自動車株式の一部を同社による自己株式TOBに応募することで、年初計画(6000億円)を上回る売却ペースとなっている。
MS&ADインシュアランスグループホールディングスの連結正味収入保険料は海外子会社が大きく増収したほか、国内損保も増収し、前年同期比14.1%増の1兆2962億円となった。四半期純利益は同83.0%増の2042億円で過去最高益を更新した。進捗率は33.5%。グループ修正利益は同837億円増益の1973億円で進捗率は31.3%だった。海外事業の修正利益は、同527億円増の683億円となっている。
政策株式の削減では、トヨタ自動車との間で政策株式の一部持合い解消を企図し、それぞれ自己株式の公開買付を実施しているが(7月~8月)、当期末の国内損保主要2社の政策株式削減額は合計で同584億円増の1096億円となっている。
SOMPOホールディングスの連結正味収入保険料は、海外保険事業が現地通貨ベースでも増収、再保険とグローバルマーケットが成長に寄与し、前年同期比7.2%増の1兆2184億円を計上した。四半期純利益は同20.0%増の1200億円。修正連結利益は同1.8%減の803億円で、通期予想2550億円に対する進捗率は31%。国内損保の修正利益は、4月雹災以降、目立った自然災害の影響がなく、自動車保険の発生損増加を火災保険のベース収支改善でオフセットしたが169億円減益の181億円で、海外保険事業の修正利益は同155億円増益の502億円。
政策株式の削減については2024年度の目標を2000億円以上としているところ、7月末時点で1526億円削減し対計画の進捗率は76%。