2024.08.21 東京海上日動 健診二次検査受診勧奨プログラムを提供 「健康アシスト保険」を開発 休職リスク低減でGLTDの割引も

 東京海上日動は7月26日、企業の従業員に対して、健康診断の二次検査の受診勧奨を通じて疾病の早期発見・早期治療を促進する新商品「健康アシスト保険」を開発し、10月1日始期契約より販売を開始すると発表した。保険金の支払いに代えて二次検査の受診勧奨プログラムを提供するもので、このような保険商品は業界初(6月現在、東京海上日動調べ)。
 「健康アシスト保険」は、企業を保険契約者、役員・従業員等を補償対象として、補償としての「受診勧奨プログラム」と、付帯サービスとしての「疾病リスク予測」「マイ検診プラン」から構成される。
 「受診勧奨プログラム」は、定期健康診断やがん検診において、従業員が生活習慣病・がんによるリスクが一定の基準に該当した場合に、独自開発システムを用いた健診予約や健診結果管理サービス等での実績・ノウハウを有する㈱バリューHRからメールや専門職等による電話等で二次検査の受診勧奨を行う。企業が受診勧奨に要する費用に対して保険金を支払うことに代えて、東京海上日動がこの受診勧奨プログラムを提供するものとなる。
 また、二次検査を受診した場合に、従業員に見舞金を支払うオプションも用意している。
 付帯サービスでは、二次検査の受診勧奨の対象となる従業員に限らず、全従業員に対して将来の生活習慣病リスクを伝え生活習慣改善をサポートする「疾病リスク予測」アプリ、個々の従業員の状況に応じてがん検診受診をサポートする「マイ検診プラン」アプリを提供する。
 その他に、商品の導入を通じて、疾病の早期発見・早期治療により休職リスクの低減につながると考えられるところから、本商品を導入する企業が福利厚生制度として団体長期障害所得補償保険(GLTD)に加入している場合、GLTDの保険料を割り引く「健康アシスト・セット割引」を実施。また、企業の導入を促す工夫として、筑波大の監修のもと、受診勧奨による重篤患者数の減少を推計するシミュレーションモデルを開発しており、一定の前提条件を設定することで、将来の医療費や労働損失に及ぼす影響といった、受診勧奨の効果を可視化できるようにしている。
 東京海上日動では今回の新商品について、「企業の人的資本経営や健康経営においては、定期健康診断が『従業員の健康維持・増進』の基盤となる。例えば、健康診断で生活習慣病・がんのリスクが高いと判定された場合、適切な二次検査の受診や継続通院を行えば疾病の早期発見・早期治療につながり、将来的な重症化や休職を防止できる可能性がある。一方で、自覚症状がないことや面倒であること等を理由に二次検査を受診しないケースが一定程度あることも確認している。仮に、二次検査を受診しなかったことで重度疾患となった場合、従業員個人や家族の生活に影響を及ぼすことはもちろんのこと、企業にとっても貴重な人材の喪失や代替人員の採用・育成コスト等が生じることから、健康診断後のフォローについて、企業として具体的な対策を講じる必要がある」と開発の背景を説明している。
 また、企業に対して、発病後を補償するGLTDや医療保険・がん保険等の既存商品に加えて、発病前の補償・サービスである本商品を一気通貫で提供することで、従業員が末永く健康にいきいきと働けるための制度設計を支援するとしており、本商品で得られるデータやノウハウを生かして、より効果的な受診勧奨手法の確立やその後の通院継続に向けたフォロー等、プログラムのさらなる高度化を目指すことで、ヘルスケア分野における社会課題の解決により一層取り組むとしている。