2024.07.23 日本生命 第77回定時総代会開催 清水社長が中期経営計画説明 グループ経営計画を強力に推進

 日本生命は7月2日、大阪府大阪市のリーガロイヤルホテル大阪で第77回定時総代会を開催した。議長として報告事項や決議事項などの進行役を務めた同社の清水博社長は、2024年度から新たに始まった中期経営計画について説明し、「販売業績・新たな収益軸の拡大を加速し、グループ経営を強力に推進していく」と述べた。当日の総代数は、議場出席165人、オンライン出席21人の合計197人だった。
 清水社長は、報告事項で23年度決算の保険業績(単体)や収支・財務の状況(単体)、連結業績・数量目標などを紹介してから、「中期経営計画~『期待を超える安心を、より多くのお客様へ。』~(2024~26)」について説明した。
 はじめに、同社グループとしてサステナビリティ経営を通じ「誰もが、ずっと、安心して暮らせる社会」の実現を目指すとし、そのための重要課題として①人:人生100年にわたる安心・安全の提供、希望に満ちた未来世代を育む、多様性と人権の尊重②地域社会:活力あふれる地域社会の創出③地球環境:豊かな地球を未来につなぐ―の3点を挙げた。また、長期的に目指す企業像を、「生命保険を中心に、アセットマネジメント、ヘルスケア、介護・保育等さまざまな安心を提供する『安心の多面体』としての企業グループ」とした上で、「2035年度の目指す姿として、国際的にトップレベルの健全性を確保しつつ、既存事業の拡大と国内外への積極的な事業投資等を通じ、グループ基礎利益の倍増と配当額の増加・お客さま配当性向の引き上げにより現在および将来の契約者利益を最大化していく」と述べた。
 「目指す社会の実現に向けた第一歩」という位置付けで今年度からスタートした中期経営計画では、「成長角度の引き上げに向け、販売業績・新たな収益軸の拡大を加速し、グループ経営を強力に推進していく」ことで、2026年度の主要目標として「基礎利益(グループ全体)で8600億円」「お客さま配当性向(単体)を安定的に60%程度」「ESR(グループ全体)で200~270%」の達成を目指すとした。
 具体的な重点戦略では、①国内保険事業のバリューアップ②国内における安心のさらなる多面化③海外事業の拡大④財務戦略のステージアップ⑤強固な経営基盤構築―の五つを挙げた。
 国内保険事業では、営業職員チャネルに加え、代理店や金融機関窓販、デジタルチャネル等全てのマーケットでトップを目指すと説明。とりわけ営業職員チャネルでは、「デジタルを活用したお客さまとの接点機会の拡充」「新設した『支社市場振興チーム』による地域や職域における新たな活動先の確保」「地域振興を切り口としたお客さまとの接点機会の確保」など、「ご契約内容確認活動」を基本としつつ、営業職員の活動先の持続的な確保と地域の課題解決に努めると述べた。加えて、契約者だけでなく、その世帯も対象とする伴走型リスクコンサルティングや顧客のフォロー体制の強化を進める他、組織としては、「より長くより安定的に働くことのできる環境整備」に努めていくとした。
 「国内における安心のさらなる多面化」については、アセットマネジメント事業において、国内市場でのシェア拡大を目指し、新NISA制度に適合した投資信託のラインアップ拡充、ダイレクトチャネルの強化、グループ内連携の強化に取り組むと説明。ヘルスケアではデータ分析と健康施策を統合パッケージとしたサービス提供を行う事業モデルの確立を図っていくとした。また、介護・保育では、6月に子会社化が完了したニチイホールディングスと共同で成長策を検討するとともに、他の事業者向け経営支援サービスの提供を通じて地域の介護・保育・医療機関ネットワークの構築・拡大に取り組むとした。
 相対的に高い成長が期待できる海外事業については、既存事業の成長と新規投融資等を通じて事業規模の拡大を実現していくとし、各現地法人の課題に応じた支援や追加出資等を通じた成長の推進、先進国を中心とした海外生保・アセットマネジメントへの出資の検討・実行、海外ガバナンス態勢の高度化などの具体策を挙げた。
 財務戦略については、運用環境の変化に対応しつつ長期安定的な運用収益の確保に加え、健全性を世界トップレベルに確保するとともに、拡大した収益を投資に振り向け、契約者配当を充実させると説明。「お客さまからお預かりした保険料を運用し、予定利率を確保した上で中長期的に高い収益率を挙げ、長期・安定的に配当還元する」ことを目指して、マーケット変動に対してレジリエントなポートフォリオの構築や、責任投融資のさらなる推進を進めていくとした。
 強固な経営基盤の構築では、戦略を実行する原動力となる人やシステムに積極的に投資していくと考えを示した。業界トップクラスの人的資本づくりとして、「質・量両面での人材基盤の強化」と「従業員エンゲージメントの向上」に取り組むとともに、機動的な商品開発やデジタル・DXによる提供価値拡大を支えるIT基盤の構造的課題を解決すべく、「営業職員用端末等の大型の新規開発と既存システムの最適化」「キャリア採用拡大と委託等による外部知見の活用推進」「デジタル・AI等による業務削減の着実な実行」を図っていくとした。
 この他、事業運営の根幹と位置付ける「お客さま本位の業務運営」については、「お客さまの信頼の上にのみ事業が成り立つという認識を持ち、お客さまの声を基点とした継続的なサービス向上と各部門計画のPDCAを進める」とし、不祥事案の未然防止や苦情減少に向けた取り組み、配慮が必要な顧客への手続きサポートの充実、独自性・競争力を備えた商品・サービスの創出などを例に挙げて体制整備向上のための取り組みを進めていく考えを示した。
 さらに、同社グループ職員の主体的な取り組みを促すために、サステナビリティ経営の社内外への浸透を図る施策として、社内では、全社運動「ニッセイサステナプロジェクト“にっせーのせ!”」を展開するのに加え、清水社長をはじめ各部門の担当役員による管下職員へのサステナビリティ経営の意義の語りかけなど、また、社外に対しては、CM・新聞・SNS等の媒体を活用して全社運動と連動した広告展開などを推進していくとした。
 清水社長は最後に、「全ての取り組みを支えるのは人に他ならず、人は力、人が全てであり、グループ全員が一丸となり課題を乗り越え、目標を達成し、ご契約者利益の拡大につなげるべく、グループ全員があらゆる努力を傾け、全力を尽くし、中期経営計画の実行にまい進していく」と締めくくった。
 この後、評議員会に対する諮問事項、ニッセイ懇話会開催結果の報告に続いて、決議事項として①2023年度余剰金処分案承認の件②2023年度決算に基づく社員配当金割当の件③取締役(監査等委員である者を除く)12名選任の件④監査等委員である取締役3名選任の件―の4議案が審議され、全て承認された。決議に際して、事前質問として保険販売、資産運用、海外、介護、地域貢献、人的資本などの分野で19問、当日の議場での質問として、配当、役員の女性割合、営業推進でのリアルとデジタルのリバランス、人的資本、地球環境について5問の合計24の質問が寄せられ、清水社長や担当役員が一つ一つ丁寧に回答していった。