2024.07.11 損保協会発表 23年度決算概況 当期純利益は78%増8958億円 正味収保は自動車増収等で0.1%増

 損保協会は6月26日、加盟29社の単体決算を集計した2023年度決算概況を発表した。経常収益は前年度に比べ3.9%(4218億円)増の11兆3634億円、経常費用が同1.4%(1410億円)増の10兆3161億円、経常利益は資産運用粗利益の増益などにより、同36.6%(2808億円)増益の1兆473億円となった。経常利益に特別損益や法人税等合計を加減算した当期純利益は、同78.6%(3942億円)増益の8958億円となった。
 保険引受の概況では、正味収入保険料は、料率改定の影響などによる自動車保険の増収などにより、前年度に比べ0.1%(122億円)増加して9兆1316億円となった。正味支払保険金は、交通量回復に伴い自動車保険の支払いなどが増加したが、国内の自然災害の減少に伴う火災保険(地震含む)の支払いの減少などもあり、同1.0%(530億円)減少し5兆3300億円となった。種目別の正味収入保険料、正味支払保険金は別表の通り。
 損害率は、前年度に比べ0.6ポイント低下して64.3%となった。
 保険引受に係る営業費及び一般管理費は、前年度に比べ1.1%(149億円)増加して1兆3444億円となった。諸手数料及び集金費は、同0.7%(108億円)減少して1兆6350億円。これらを合計した事業費は同0.1%(41億円)増加したが、事業費率は、正味収入保険料の増収により横ばいの32.6%となった。損害率と事業費率を合計したコンバインド・レシオは、同0.6ポイント低下して96.9%となった。
 以上の増減益要因に、その他の保険引受収益および保険引受費用を加減算した保険引受利益は、前年度に比べ54.7%(626億円)増加し1770億円となった。
 資産運用の概況では、資産運用収益は、利息及び配当金収入が前年度に比べ20.5%増、有価証券売却益が同48.8%増となったことなどにより、同35.1%(3316億円)増加して1兆2762億円となった。資産運用費用は同51.1%(1086億円)増の3213億円。資産運用収益から資産運用費用を差し引いた資産運用粗利益は、同30.5%(2230億円)増益の9548億円となった。
 総資産は、前年度末に比べ10.3%(3兆2649億円)増加して35兆139億円となった。
 ソルベンシー・マージン比率は、29社とも法律で求める水準を超えており、問題ない水準となっている。