2024.07.05 生保各社23年度末決算 保険料等収入13%増42兆円計上 総資産は5%増428兆円に

 2023年度末の生命保険各社の業績がまとまった。生保協会集計による生保42社の年度末の保険料等収入は42兆9767億円で前年比13.0%増と第3四半期末をさらに上回る増率で着地した。新契約年換算保険料は2兆5014億円で、同15.8%増となった。純剰余(利益)は2兆922億円(同26.2%増)の増益となった。総資産は同5.4%増の428兆6072億円となった。(本日4~6面に生保協会会員各社の業績詳細〈本紙調査〉を掲載)
 日本生命グループの保険料等収入は日本生命とニッセイ・ウェルス生命の一時払商品の販売増を主因に前期比34.9%増の8兆5983億円となった。基礎利益は新型コロナウイルス感染症関連の支払減少等による保険関係損益の増加を主因に同61.5%増の7640億円。国内生命保険(日本生命、大樹生命、ニッセイ・ウェルス生命、はなさく生命)の新契約年換算保険料は同29.1%増の5222億円。24年度のグループ業績見通しについては、保険料等収入にその他経常収益を足し合わせた保険・サービス収益(同社独自の指標)は、日本生命とニッセイ・ウェルス生命の一時払商品の販売減を主因に23年度末実績から1兆1288億円減の7兆7600億円を見込む。そのうち保険料等収入は7兆4700億円の見通し。基礎利益は事業費の増加を主因に減益の約7300億円を見込む。
 かんぽ生命の連結業績で、保険料等収入は前期比2830億円増の2兆4840億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同105億円減の870億円となった。かんぽ生命単体の基礎利益は同316億円増の2240億円となった。新契約年換算保険料(個人保険)は1168億円で同77.3%増。24年度の連結業績予想では、当期純利益を790億円と予想。また今期から、修正利益(当期純利益+責任準備金の調整)を株主還元原資とする変更を実施することとし、これを910億円と予想。かんぽ生命単体の基礎利益については1800億円程度と見込む。
 明治安田生命グループのグループ保険料(除く再保険収入)は前期比9.0%減の3兆3331億円。グループ基礎利益はコロナ関連の支払い減少、外貨建保険の標準責任準備金の積立負担減少、円安による運用関係損益の増加等により同39.6%増の5610億円を示した。明治安田生命単体の新契約年換算保険料は、外貨建一時払保険の販売量減少を主因に同比21.2%減の1285億円となった。24年度の見通しは、グループ保険料(除く再保険収入)は3兆3800億円程度で、うち明治安田生命単体は横ばいの2兆8200億円程度、スタンコープ社は増収の5200億円程度を見込む。グループ基礎利益は4700億円程度で、うち明治安田生命単体は減益の4400億円程度、スタンコープ社は減益の540億円程度と見込む。
 住友生命グループの保険料等収入は前期比2.4%増の2兆6442億円だった。基礎利益は住友生命が同10.7%増の2617億円、メディケア生命が64億円と黒字化を達成したものの、海外事業(シメトラ他)が同29.3%減となり、グループとしては同16.9%増の3056億円だった。グループ新契約年換算保険料は同16.6%増の3242億円となった。24年度の見通しは、連結保険料等収入はシングライフの連結を主因に前期比15%増の3兆400億円程度を見込む。うち、住友生命は同1%増の2兆2000億円程度。グループ基礎利益は、同2%減の3000億円程度と前期比でほぼ横ばいを見込む。
 第一生命ホールディングスの連結経常収益は前期比16.0%増の11兆281億円だった。保険料等収入では、第一生命が同70億円減の2兆2898億円、第一フロンティア生命が同34%増の3兆5010億円、ネオファースト生命が同22%減の1020億円(再保険収入除く)など。グループの新契約年換算保険料は同27.8%増の5029億円。国内4社計で同35.0%増の3787億円、海外6社計で同9.9%増の1242億円だった。グループ修正利益は同87%増の3193億円を計上、親会社株主に帰属する当期純利益は同84.6%増の3207億円、グループ基礎利益は同44.5%増の5251億円となった。24年度末の連結業績予想については、グループ修正利益は3400億円程度と予想。グループ連結の基礎利益は1%増の約5300億円を見込む。
 ソニー生命の保険料等収入は前期比18.3%増の1兆7439億円で、当期純利益は同86.5%減の135億円だった。基礎利益は同55.4%増の1859億円となった。新契約年換算保険料は同24.9%増の1605億円だった。
 メットライフ生命の保険料等収入は前期比12.2%増の3兆2247億円で当期純利益は同19.7%減の1519億円となった。基礎利益は同75.4%増の2942億円。新契約年換算保険料は同3.3%増の1404億円だった。
 アフラックの保険料等収入は前期比0.1%増の1兆2950億円で、保険金等支払金と資産運用費用が増加したものの、保険料等収入や利息及び配当金等収入が増加したことなどにより、基礎利益は同20.6%増の4534億円となった。新契約年換算保険料は同8.6%増の546億円。
 プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンの連結保険料等収入は前期比12.8%増の3兆6732億円だった。親会社株主に帰属する当期純利益は同70.0%増の1560億円。生命保険会社3社(プルデンシャル生命、ジブラルタ生命、PGF生命)合算の基礎利益は同10.9%増の2453億円だった。生保3社合算の新契約年換算保険料は同18.8%増の1675億円だった。
 アクサ生命の保険料等収入は前期比10.2%増の8885億円だった。基礎利益は同23.7%増の804億円、当期純利益は同41.1%増の572億円だった。新契約年換算保険料は同8.7%増の909億円となった。
 T&D保険グループの保険料等収入は主力商品の販売好調等により国内3社(太陽生命、大同生命T&Dフィナンシャル生命)合算で前期比13.6%増の2兆4641億円を計上した。新契約年換算保険料は同474億円(31.5%)増の1983億円。親会社株主に帰属する当期純利益は同2309億円増の987億円だった。合算の基礎利益は同35.2%増の1258億円。グループ修正利益は同14.7%増の1035億円。24年度の通期業績予想は、経常収益で20.2%減の2兆5600億円、親会社株主に帰属する当期純利益で5.3%増の1040億円などを見込む。
 フコク生命グループ2社(富国生命、フコクしんらい生命)合算の保険料等収入は前期比0.3%減の7583億円となった。2社合算の基礎利益は、新型コロナに係る給付金等の大幅な減少によって保険関係損益が342億円に回復したことで、前期比2倍の995億円。
 朝日生命グループ(朝日生命、なないろ生命)の保険料等収入は前期比134億円増の4322億円となった。新契約年換算保険料は同7.4%増の366億円だった。グループ基礎利益は同241億円増の304億円。親会社に帰属する当期純剰余は同57億円減の57億円。24年度の業績見通しについては、保険料等収入は、前年同水準となる見込みで「横ばい」。基礎利益も「横ばい」との予想を示した。