2024.06.26 朝日生命グループ 23年度末決算 基礎利益241億円増の304億円 新契約保険料は7%増366億円に

 朝日生命が5月23日に発表した2023年度決算によると、朝日生命グループ(朝日生命、なないろ生命)の新契約年換算保険料は前年度比7.4%増の366億円だった。グループ基礎利益は同241億円増の304億円。新型コロナウイルス感染症の給付金支払いが落ち着き、今後も危険差益が安定的に推移する見込みであることから、同社では医療保険を対象に増配する。対象件数は約100万件で、増配額は約6億円。
 朝日生命グループの新契約年換算保険料のうち、朝日生命の新契約年換算保険料は前年度比5.2%減の192億円、なないろ生命は同25.8%増の174億円。第三分野は同9.3%増の329億円だった。
 保障性商品のグループ新契約年換算保険料は364億円で、朝日生命単体では新型コロナウイルス感染症の5類移行による顧客ニーズの変化や物価上昇の影響により減少した一方、なないろ生命では一昨年度発売の商品と昨年6月に発売した商品の販売が好調に推移したことから前年度比で7.9%増加した。
 解約・失効・減額の合計から復活を差し引いたグループ消滅契約年換算保険料は、新型コロナウイルス感染症の5類移行による顧客ニーズの変化や物価上昇の影響により、同9.8%増の260億円だった。
 グループの保有契約年換算保険料は、貯蓄性商品の保有減少等により前年度末比0.1%減の5078億円となったが、うち第三分野については同5.3%増の2528億円と増加した。
 保障性商品のグループ保有契約年換算保険料は、朝日生命単体では消滅増加の影響もあり若干減少したものの、なないろ生命の増加幅がこれを上回り、グループ全体では増加基調を維持し、前年度末差105億円増の3309億円となった。
 収支の状況では、グループの保険料等収入は前年度比134億円増の4322億円で、連結の経常利益は同43億円減の54億円。親会社に帰属する当期純剰余は同57億円減の57億円だった。逆ざや負担の軽減を通じ顧客への保険金等の支払余力の向上等を図る観点から、463億円の追加責任準備金の積み立てを実施した。
 グループ基礎利益は前記のとおり304億円だった。うち朝日生命単体では、新型コロナウイルス感染症によるみなし入院給付金の減少により保険関係損益が前年差159億円増の701億円、外債の残高削減等を通じた為替ヘッジコストの減少による利差損益(逆ざや額)が同129億円増の▲278億円となったため、基礎利益は同289億円増の423億円となった。なないろ生命の基礎利益は事業規模拡大等に伴う事業費増加を主因に同48億円減の▲118億円。
 財務の状況では、実質純資産額(朝日生命単体)は、前年度末比893億円増加し9178億円。ソルベンシー・マージン比率(連結)は、国内株価上昇・円安等に伴うその他有価証券評価差額金の増加を主因に、前年度末比56.9ポイント上昇し1036.2%。朝日生命単体では994.5%と同61.5ポイント低下した。グループESR(経済価値ベースのソルベンシー比率)は23年度末で256.9%となった。
 24年度の業績見通しについては、保険料等収入は、朝日生命の第一分野の保有が減少する一方、なないろ生命の保有が増加し、前年同水準となる見込みで「横ばい」。基礎利益も、物価上昇等による事業費の増加を見込む一方、なないろ生命の収支改善を想定し、グループ全体では前年同水準となる見込みで「横ばい」との予想を示した。