2024.06.13 RGA 東京海上日動あんしん生命の払済終身保険既契約ブロック 1千億円の共同保険式再保険取引
RGAは5月25日、東京海上日動あんしん生命と払済終身保険の既契約ブロック約1000億円を共同保険式再保険で受再する再保険取引の合意に至ったと発表した。東京海上ホールディングスが5月24日に発表した中期経営計画2026によると、今回実行したブロック出再の対象契約は低解約返戻金型終身保険の保険料払込終了後契約の一部で、責任準備金ベースでの取引規模は2240億円となる。
東京海上HDの中期経営計画2026の資料によると、今回のブロック出再は、ALM(資産・負債総合管理)による金利リスクコントロールの一環として、従来のJGB(超長期日本国債)購入によるヘッジに加えて行われたもの。
ブロック出再実行によって、国内生保事業のリスク量は6200億円から6100億円に減少した。また、解約リスク等の保険引受リスクや金融市場でのヘッジが難しい超長期の金利リスクも減少した。一方、再保険会社に対する与信が新たに生じたが、出再先の選定・分散および担保の設定等によりカウンターパーティリスクの増加を相当程度抑制したとしている。
MCEVの増加は+160億円で、ヘッジ不能リスクに対する資本解放やスキームを通じたリスクの適切な入替等によりEVポジティブの取引を実現した。
24年度のRORは14%から17%に向上する効果を見込む。利益インパクトとしては、出再に伴う一時益として+250億円、債券売却損(ヘッジ比率の調整に伴う売却)として▲250億円を見込んでいる。
同資料によると、同社は今後も市場環境や再保険マーケットの状況に応じて、経済合理的なリスクヘッジを機動的に実行するとともにリスクコントロール手法の多様化・高度化に余念なく取り組んでいくとしている。
今回の取引について、RGAグローバル・ファイナンシャル・ソリューション部門アジア太平洋担当シニア・プレジデントのギャストン・ノシテー氏は、「東京海上日動あんしん生命との協力関係は、日本市場に対するRGAの戦略的コミットメントの証しであり、顧客固有のニーズに対するRGAの深い理解を表している」「本取引は、保険会社に対するサポートにおいて、当社が献身的な姿勢で、資本や市場リスクのソリューションの開発に取り組み、変化を続ける顧客の業績目標達成に革新的かつオーダーメイドのソリューションで支援する当社の対応力を体現している」としている。
また、東京海上日動あんしん生命は、「RGAは日本市場に拠点を有し、協力関係を構築できる強みがある。当社のALM戦略に適合する魅力的な再保険取引を提供してくれた」「日本独自のビジネス環境を理解し、当社の具体的なニーズに柔軟に対応してくれる専門性を持ち、RGAは優れた再保険パートナーといえる」とコメントしている。